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2015/1/11 Block Party "All Night Long" @ 0 Zero
毎月第二日曜、青山はZeroで開催されているBlock Partyは、Dazzle Drumsが繰り広げるハウス・ミュージック系のサンデーアフタヌーン・パーティーとして確固とした土台を築いている。基本的には15〜21時の開催だが、月曜が祝日の場合には18時〜翌6時開催と12時間にも及ぶオールナイトロングなパーティーへと変わる。今回はそんなオールナイト仕様だったのだが、前半は"new school house set"、後半は"soulful & old school house / classics set"とコンセプトも分けて、夕方のみの参加でも真夜中からの参加でも、勿論最初から最後まで通しでも楽しめるような内容で工夫がされていた。当方はやはりオールナイトで遊ぶのが好みなので、パーティー後半から遊びに行く事にした。
現地入りしたのは日が変わり終電までの人達がもう帰った頃だっただろうか、喧騒が過ぎ去った後のように落ち着いた雰囲気の中でKengoが後半のDJを開始していた。生音の生温かさが優しく伝わるハウスをプレイし、丁度良いリラックスしたテンションを保って心地良いグルーヴを継続させる。ホーンやキーボードのメロウな旋律で心を掴みながら、Disclosureによるエレクトロニックなリフと高揚を掻き立てる色っぽいボーカルが入る"F For You"で少しづつ夜のざわめきを予感させる盛り上がりを作っていく。プレイ自体はフロアの雰囲気を壊す事なく淡々としているが、軽快なビート感を維持しながらスムースな流れで上手く真夜中への道を作っていく。終盤ではSoulphictionによる"Mind & Body"のどす黒くざらついたハウスで真夜中の興奮を誘うが、決して振り切れる事はなくしっかりと勢いはコントロールされている。上げ過ぎず下げ過ぎずに自然な流れでフロアを温める、最後はEarth Peopleの"Dance (Club Mix)"もプレイしてDazzle DrumsへとDJをバトンタッチ。

Dazzle DrumsのDJが始まる前には普段Block Partyに遊びに来ているダンサーが、10分程のダンスのショーケースを披露する特別な時間もあり、その瞬間は皆がじっと静かにダンスを見るのに没頭。しかしこうやって普段から遊びに来ているダンサーがいるところにこのパーティーのアットホームな感覚が感じられ、定期的に開催する事で生まれる繋がりもあるだと実感させられる。そしてショーケースが終わるとDazzle Drumsがプレイを開始したが、序盤はソウルフルなボーカル・トラックを続けて回す。温度感は高まりグルーヴは激しさを増しながらも胸を締め付けるような切なさが同居し、大胆なプレイの中においても繊細なエモーションを尊重する。序盤はそのようにほっこりと温かめの展開が多かったが、そんなムードの中で"In The Dark We Live"のような極悪な雰囲気を発するファンキーなテクノもさらっとミックスし、その過激とも思える選曲に痺れる瞬間も。その後も、胸の奥底にある感情を吐露するような熱いコーラスや躍動的に弾けるリズムが入ってくれば自然と体も動き出し、フロアは早くも汗を吹き出るように熱を帯び始める。

真夜中の部はクラシック・セットとの情報だったものの、決してそれだけではなくモダンなハウスやテクノ寄りの曲も上手くセットに盛り込んでいた。エグいシンセが刺激的な恍惚を誘うプログレッシヴな"Heads Above (Maceo Plex Remix)"はかなりギラつき感は強いが、こういった曲も自然と織り交ぜて壮大な大河の流れを生み出すプレイは、古典に精通しながらも現在の音楽への探求も忘れないからだろう。そこにシャッフル感のある骨太なグルーヴながらもデトロイト的な叙情もあるBicepの"NGR106"、更にはドラッギーにジワジワと覚醒感を増していく"Hey Now (Sasha Remix)"をミックスし、派手でエレクトロニックな曲を用いながらドラマチックな展開で飲み込んでいく。

そこからまたコーラスが美しいボーカル・ハウスに戻りながらクラシカルなハウス・ミュージックの流れに持ち込み、フロアの雰囲気を整えながら待ちに待ったピークは3時頃だっただろうか。突如として呪術的なボーカルや激しい民族的なパーカッションが不気味に響く"Soy Como Soy (DJ Koze No Voy A Cambiar Repaso)"で訝しい祭事の雰囲気を発散させ、そこからドロドロとした黒さが纏わり付く"I Called U ( The Conversation)"でファンキーかつトライバルに攻めて、フロアは急に猥雑とした空気へと変わっていく。そこに激しく厳ついキックを刻むハードテクノを繋げてくると、もはや現場の盛り上がりは最高潮へと達していた。大胆なミキサー使いで上手く緩急自在な展開を作る事で感情を揺さぶり、突き抜ける勢いでテクノをプレイしフロアを震撼させ、決して古典的なハウス・ミュージックだけではないダンス・ミュージックとして楽しませてくれるDazzle Drumsの姿がそこにあった。

勿論クラシック・セットと謳っていただけあり、嵐のような喧騒が過ぎ去った後には徐々に往年のハウス・ミュージックやディスコがプレイされ始める。Barbara Tuckerによるミニマルながらも色気のある"I Get Lifted (Duck Beats)"、そこから懐かしさと優しさに溢れる煌めくディスコへと移行し、甲高いボーカルさえもが興奮を駆り立て温かい郷愁を発しながら朝方の雰囲気に染めていく。Dazzle Drumsによる大箱仕様でトライバルな"Universal Rhythm"から華麗なストリングスとファンキーなビートが炸裂する"Don't You Want My Love"も繋げ、激しくも熱い感情が大爆発しながら興奮は止まらない。"Before The Night Is Over (Rightside Remix)"では透明感のあるサウンドとジャジーなムードで穏やかに心を癒やし、そこからは普段のBlock Party以上にメランコリーで慈愛に満ちた選曲で、まるで全身を清らかな雨が洗い流すかのようだった。マイコーの甘い声に誘われる"You Are Not Alone (Frankie Knuckles Remix)"、Solu Musicによる身も心も切なさの中に溶け込んでいくディープ・ハウスの"Fade"、Sergio Mendezによる爽やかながらも甘酸っぱい"The Real Thing"と、真夜中が過ぎ去った後の落ち着いた朝を迎えた時間帯にはぴったりとはまる穏やかな展開。フロアは幸せな空気に満たされながら皆が心地良いグルーヴに合わせて体を揺らし、そこには正にハウス・ミュージック/ディスコのLove & Peaceな時間が待ち受けていた。"Everyman (Joe Claussell Remix)"によるゴージャスなオーケストラに心はウキウキし、Patti Labelleの"Music Is My Way Of Life"で煌めくディスコの空気を浴び、Clive Griffinの"I'll Be Waiting (Dance Mix)"では包容力のある歌に優しく包まれ、この上ない至福と甘酸っぱい切なさが広がっていく。その流れを継続しながらその後も、Diana Rossの"I'm Coming Out"やMarvin Gaye による"Ain't No Mountain High Enough"といったクラシカルな選曲を行い、また止まないアンコールにDazzle Drums自身によるボーカル曲の"Silence"もプレイして、日常へと帰るように静けさを取り戻したパーティーは終了した。中盤までのソウルフルかつアッパーなセット、終盤での時代を越えたクラシカルなセットと、時間帯に合わせて新旧ハウス・ミュージックを中心とした選曲やミックス・スキルの素晴らしさは当然として、またレギュラーラー・パーティーを愛する心温かい客層が多い事からフロアの和んだ空気にはアットホームな居心地の良さもあり、パーティーの一つの指標に成り得るのがBlock Partyではないかと思わずにはいられない。

■Dazzle Drums - Rise From The Shadows(過去レビュー)
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