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Aphex Twin - Syro (Warp Records:WARPCD247)
Aphex Twin - Syro
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2014年8月、突如としてロンドンの空にAphex Twinのロゴが記載された飛行船が出現し、話題と疑問を振りまいた。そして、その後AphexのTwitterアカウントでは暗号化されたURLが呟かれ、正しい特設サイトへとアクセスすると「ARTIST NAME」や「ALBUM TITLE」が記載されている事が見つかった。そう、これはRichard D. JamesことAphex Twinによる13年ぶりとなる新作の壮大なプロモーションだったのだ。相変わらずの奇行とユーモアを振りまくAphexにとって13年ぶり、いや2005年にリリースされた「Analord」シリーズ、2006年にはそれを纏めた"Chosen Lords"(過去レビュー)がリリースされていたので、正確には8年ぶりとなる新作となる本作は相も変わらずAphexらしい音を鳴らしている。巷では"Selected Ambient Works 85-92"(過去レビュー)の頃のような作品とも評価されているそうだが、確かにあの頃のような夢のような無邪気なアンビエント性が通底しているが、しかしリズムはそれ以降のより壊れかけの複雑なビートを刻むダンサンブルな要素もあり、決して懐古的な作品とも異なっている。それどころかAphexも時代に合わせて進化しているのだろうか、穏やかで優しい音は今までの中でも最も綺麗な響き方をしており、過去の作品のように敢えて録音状態を悪くしている点は見受けられない。また、曲の展開・構成に関しても捻りのきいたユーモアや奇抜性はあれども、かつてのように悪意を持って崩壊していくような暴走気味の意志は感じられず、それどころか冷静な意志をもってして音と戯れるような抑制の取れた感さえもあるのだ。ビキビキとしたアシッドのベース・ライン、脱力された骨抜きグルーヴから躍動するダンス・グルーヴにファンクなリズム、そして大量のハードウェア機材から生み出されるファットな音質などから構成されたトラックは、確かに普通ではない異形なテクノではあるが決して荒唐無稽ではないのだ。そういった意味では毒々しい悪意もなければ破天荒な壊れ方もなく、かと言ってアンビエント一辺倒な作品でもない本作が、Aphexの音楽史の中で必ずしも傑作と呼ばれる事にはならないだろう。しかしそういったAphexらしい奇抜で狂ったような音楽性に頼らない本作だからこそ、Aphexの素が見れるような作品でもあり自然体と受け止められる人懐っさがあるのだろう。




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