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Vakula - A Voyage To Arcturus (Leleka:LELEKA006CD)
Vakula - A Voyage To Arcturus

ロシアンハウス隆盛の中でその先陣を切っているのがウクライナのMikhaylo VitykことVakulaだ。変名も用いながら多作な活動を行う彼の音楽性はもはやディープ・ハウスだけに括る事は出来ず、アンビエントやジャズにコズミックなどの要素も盛り込みながら、アーティストとしての表現方法に磨きをかけている。その多様性はアルバムに於いて最も顕著だが、一年半ぶりのアルバムとなる本作でも同様にVakulaの隠れていた一面が新たに出現している。アルバムタイトルはDavid Lindsayによって1920年に出版されたSF小説「A Voyage to Arcturus」から拝借しており、曲名も同書の各章をそのまま引用している事から、推測するに同書に対してのサウンドトラック的な位置付けなのだろう。ここではかつてFirecrackerやDekmantelからリリースしていたようなダンストラックはほぼ鳴りを潜め、その代わりに70年代のジャーマン・プログレかクラウト・ロックか、そこにフュージョンの要素も加えながら現在の電子音楽に再構築したような、型に嵌まらないシンセサイザーの自由な響きが存在している。その意外性は落胆に結び付くかと言うとそうでもなく、もしテクノやハウスなどの電子音学を愛する者にとっては、ジャーマン・プログレの系譜はきっと興味をそそる作品であると断言する。曲によっては全くビートが入らずにトリップ感のあるシンセがうねり、生のギターやベースがバンドらしい一体感を生み、爽やかなパーカッションが肉体的なグルーヴを生む。酩酊感のあるジャーマン・プログレどころか、サイケやファンクやジャズなど様々なスタイルにも挑戦しており、CDでは2枚組の大作の中で早々と変化していくアルバムは正に音楽の旅なのだろう。もしVakulaというアーティスト名が冠されていなければどれ程の人がVakulaの作品だと気付くだろうか、それ程までにこのアルバムはかつてのディープ・ハウスの影を残していない。その変化故に戸惑う人もいるだろうが、サウンドトラック的なリスニング要素の強いこのアルバムは、Vakulaの音楽性の豊かさを示す作品として評価を高めるに違いない。全16曲の素晴らしきコズミックジャーニーが待っている。



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| ETC4 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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