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Vril - Portal (Delsin Records:110DSR)
Vril - Portal
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カルト、またはアンダーグラウンドと呼ぶに相応しい活動をするドイツのVril。本名や素性も明かされずに謎めいた活動を続けるそのアーティストは、しかし例えばGieglingやその傘下のForumからフロアを震撼させるディープなダブ・テクノをリリースし、そしてOstgut Ton一派からも信頼を集めMIXCDにも使われるなど、匿名性を守り単にその音楽性だけで評価される稀有な存在だ。2014年にはForumから初のアルバムである『Torus』をリリースし、ダンストラックだけでなくアンビエントや音響系まで多様な音楽性を披露したが、Delsinからのリリースとなるこの2ndアルバムではよりフロア向けのトラックで固められている。2013年11月に開催されたFuture Terrorで披露されたVrilのライブを体験した者ならば、きっとそのライブで感じ取った印象と同じ物をこのアルバムに感じるだろう。永遠に崩れる事のない端正な4つ打ちともやもやとした深い音響に包まれた"Portal 1"は、正にBasic Channelが作り上げたアブストラクトなミニマル・ダブをよりダンス性を強めたものだ。"Portal 2"では叩き付けるようなリズムによってグルーヴの勢いは増しフロアを激しく揺らすが、上モノにはDelsinらしい流麗さもある点に今までとは異なる音楽性も含まれている。よりDelsinのデトロイト志向が打ち出されたのが"Portal 3"で、ハンドクラップや潰れたようなスネアを用いたは生々しい粗さもあるが、そこにエモーショナルなメロディーが入ってくると宇宙の中を駆け抜けるようだ。"Portal 5"では毒気もあるブリーピーな音や金属的なパーカッションが荒廃さを生み出すインダストリアル・テクノへと繋がり、"Portal 7"では金属的な響きと共に闇の奥深くへと潜っていくような音響によってディープさも伴うインダストリアル・テクノを披露している。全8編のPortalは一切の煩悩や雑念を捨て去ったフロア機能型ダンス・トラックで、激しく荒々しい展開に誰しも抗う事の出来ない暴力的なエナジーが迸っている。



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