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Baaz - Red Souvenirs (Office Recordings:OFFICE 05)
Baaz - Red Souvenirs
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発売から半年経過しているものの、この待ちに待っていたアルバムを紹介せずにはいられない。ベルリンを拠点に活動するBastian VolkerことBaazがデビューしたのは2007年、そして2008年には何とDaniel Bellが主宰するElevateからレーベルにとっては8年ぶりとなる新作をリリースする偉業を果たし、その後もQuintessentialsやSlices Of Lifeからミニマルでアナログ色の強いディープ・ハウスを送り出して寡黙な活動ながらもDJからは高い評価を獲得していた。そしてデビューから7年、ようやく届いた初のアルバムが本作だ。収録された曲は2010〜2014年に制作されたそうだが、アルバムには特定のコンセプトもメッセージ性もなく、彼が好むハウスからダブテクノやサイケデリックなヒップホップまでを単に纏めているそうだ。確かにアルバムと言う体裁もあって今までリリースしてきたハウスだけでなく、もう少しバラエティーに富んでいてアルバムらしい展開も加えられており、待たされた分だけBaazの魅力をより広く感じられる。冒頭にはプチプチとしたノイズも含み淡い情緒を発するアンビエント風な"Everyone"が配置され、静かにしかしドラマティックにアルバムは始まる。続く"Endori"はいかにもBaazらしい音数は減らして間を活かしたディープ・ハウスで、ひっそりと呟くようなボーカルや無駄のないシンプルなメロディーが、穏やかなアナログの質感ながらも洗練されたモードを感じさせる。そして"Spacehub"は正にヒップホップ風なビートを打ち出した黒いビートダウンなのだが、引いては寄せる様な音響がアンビエントの風味も醸しだす。アルバムは更に展開し、ファットなキックを淡々と刻む中で不気味な呟きが継続するミニマルの"Closed"、反復するメロディーが酩酊感を呼び起こすドープなミニマル・ハウスの"Tweeny Tea"など、淡々とした緊張を守りながらもフロア向けの機能的な曲も収録されている。後半はアルバムの中では比較的アッパーで太いキックを刻みながらも情緒を薄く伸ばしていくディープ・ハウスの"Glass Voice"から、インタールード的に導入されるメロウなヒップホップの"Pressyn"を通過し、シカゴ・ハウス的な乾いたパーカッションが鈍く響く"Your Wardrobe"や勢いのあるグルーヴが押し寄せるディープ・ハウスの"What If"で幕を閉じる。確かにアルバムらしいコンセプトは無く色々な作風には纏まりが無いようにも感じられるが、しかしBaazらしい幽玄な叙情性は徹頭徹尾織り込まれており、正にディープと言うスタイルである事は間違いないBaazファンの期待を裏切らない作品だ。



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