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Nick Hoppner - Folk (Ostgut Ton:OSTGUTCD33)
Nick Hoppner - Folk
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Panorama Barのレジデントを務め、そしてそのクラブが主催するOstgut Tonの元レーベルマネージャーとして、音楽の販売方面から貢献してきたNick Hoppner。しかし2012年にはレーベルマネージャーの役職を退任しよりアーティストとして表現する活動に専念していたが、遂にキャリア初のソロアルバムを完成させた。一般的なOstgut Tonのイメージと言えばやはりハードなテクノの印象は強いと思うが、Hoppnerに関してはPanorama Bar側のハウスサウンド、特に妖艶なメロディーとディープな世界観が打ち出された音楽性が特徴だ。アルバムの冒頭に配置された"Paws"は暗い緊張感に包まれながらも覚醒感を呼び起こすメロディーが執拗に繰り返されるが、闇夜を繊細に彩っていくような音の使い方は優美でもあり、疾走するグルーヴを伴うテクノ/ハウスの中にHoppnerの耽美な美意識が存在している。続く"Mirror Images"では一転してリラックスしたハウスの4つ打ちに幻想的で淡いパッドや可愛らしいタッチのシンセが情緒を添えて、デトロイト・テクノとも共振するエモーショナルなディープ・ハウスを聞かせるが、リスニングを意識しながらもフロア対応のダンストラックとしての前提は忘れていない。繊細なメロディーが活かされているのは他に"Rising Overheads"でも聞けるが、これもダークでオドロオドロしい雰囲気の中からテッキーな上モノが現れ、真夜中の時間帯のパーティーで心を鷲掴みにするディープな世界観がある。そこに続く"Grind Show"はアルバムの中では異色な遅いBPMのダウンテンポだが、圧力のあるキックやベースが膨らみオーケストラのような荘厳な上モノが、地震のように体を震わすだろう。後半にはブロークンビーツ風な変則的なビートに煌めくようなシンセを絡めてエレガンスを極めた"Airway Management"、ラストを飾るに相応しく凛とした多幸感を放出しながら爽やかにフェードアウトしていくようなディープ・ハウスの"No Stealing"など、やはりダンス・ミュージックという機能的な面だけでなく豊かな感情を含むようにタイムレスな音楽性を心掛けているようだ。何か特別なコンセプトを感じられる作品ではないが、しかし元からアルバムを意識して制作したと発言している通り、リスニングとしても楽しめる纏まりのあるアルバムかつ機能的なクラブトラックが並んでいる点に、Hoppnerのアーティストとしての才能を感じずにはいられない。



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