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Grandbrothers - Dilation (Film:Filmcd001)
Grandbrothers - Dilation
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2014年、ドイツからErol SarpとLukas VogelによるGrandbrothersによる初の作品である「Ezra EP」(過去レビュー)はリリースされる前から、Gilles Peterson等著名なDJから称賛を浴び、いきなりデビュー前にもかかわらず注目を集めたのが今から一年前の話だ。純然たるクラブ・ミュージックからは外れたプリペアド・ピアノを用いた静謐な世界観とクラシカルな洗練された音楽性は、その意外性も相まって耳を惹き付けるには十分な個性があった。それから一年、その期待された音楽性はそのままにようやく初のアルバムが届けられた。アルバムはおおよそ多くの人が予想出来るEPの路線を踏襲している点で驚きは無いが、だからこそ多くの人が望んでいた事を理解した上で、実に正しくGrandbrothersらしい作品となっている。曲名通りアルバムの幕開けとなる"Prologue"は、リズムを排し環境音をバックに配置する事でプリペアド・ピアノの切ないメロディーがより鮮明に浮かび上がり、これから何かが始まろうとする予兆が感じられる。続く"Wuppertal"ではリズムも入ってくるがあくまでメインはピアノのコード展開であり、ピアノは滴るような美しい旋律と共にビートの一部となってスムースな流れを作り出す。アルバムの音楽性はピアノのサウンドが軸となっている事から印象はどれも似ているが、"Arctica"のようにグランド・ピアノとプリペアド・ピアノの異なるラインの対比により、その音自体をより際立たせるような効果も見受けられる。勿論アルバムのピークは先行EPとなった"Ezra Was Right"であるのは間違いなく、その淡い世界の中に儚く消え入るような美しいピアノの音色と乾いたマシンビートが生み出すこの曲は、正にジャンル的な意味と語源な意味でクラシックと呼べる賜物だ。ジャズ奏者でもあるErolとコンポーザーであるLukasだからこそ、ピアノのパターンとエレクトロニクスのビートを駆使し、それらによって何処まで音楽性を拡張出来るのか実験的に試した結果がこのアルバムの成果に現れている。クラシックでもありジャズでもあり、またアンビエントでもあり現代音楽でもありそうで、そのどれにも属さないGrandbrothersの音楽は一つの個性として成り立っている。その個性の強さ故にデビューアルバムにして殆ど形が形成され切ってしまったようにも感じられ、今後の展開があるのかも逆に不安にも思うが、先ずはこのデビューアルバムを素直に楽しむべきだろう。



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| ETC4 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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