2015.06.25 Thursday
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紛れも無くフランスを代表するDJであるLaurent Garnierにとっての本質はDJであるが、2014年に限って言えばアーティストとしての活動が際立っていた。レーベルと国とジャンルを跨ぎながら5作ものEPをリリースし、作品毎に多少の良し悪しはあったのも事実なれども改めてアーティストとしての才能も発揮し、ファンを楽しませてくれた1年だったと思う。惜しむらくはそれらの作品は全てアナログでのリリースだったが、この度そんな作品が1枚のCDとして纏められたのが本作だ。大々的には取り上げられてはいないものの何気にGarnier自身のレーベルであるF Communicationsの復活作でもあり、本人にとっても気合が入ったアルバムなのだろう。無骨なシカゴ系のStill Music、ベルリンテクノの50 Weapons, フランスから実験的なヒップ・ホップも手掛けるMusique Large, 黒いディープハウスのMCDE、エレクトロニックなHypercolourからの作品とF Comからの新曲も収録した計10曲は、GarnierがDJで多彩な音楽性を盛り込む事を制作へとそのまま反映したような内容だ。"Bang (The Underground Doesn't Stop)"や"Boom (Traumer African Remix)"のようにリズムが露わになり粗暴で激しいビートを刻むシカゴ・ハウスの延長にある曲の素晴らしさは当然として、"M.I.L.F."のようにベース・ミュージックのリズムとブリーピーな中毒性の高い音を掛け合わせたエレクトロ、高らかにストリングスが祝祭を告げるかのような壮大なハウスの"ENCHANTe"など、フロアに根ざした音楽性は今も昔も変わりはない。その一方でGarnierの懐の深さが伺えるのは"The Rise & Fall Of The Donkey Dog"で、金属が擦り切れるようなノイジーな音が浮かび上がりながらヒップ・ホップ的な変則ビートが強烈な印象を残して、4つ打ちの曲群の中ではその歪さが一際目立っている。アルバムとしては言うまでもなく全く纏まりのない作品ではあるし、如何にもDJ中のDJであるGarnierらしく曲の質のばらつきは大きいのだが、それを差し引いても多彩な音楽性を伴うDJ経験が反映されたGarnierにとっての久しぶりのアルバムとしての価値はある。尚、CDと共に4枚のアナログがセットになったボックスセットでは、未発表リミックスも収録されているなどファン向けの内容になっている。
Check "Laurent Garnier"
Tracklistは続きで。
1.Psyche-delia
2.ENCHANTe
3.The Rise & The Fall Of The Donkey Dog
4.I'm Going Home
5.Revenge Of The Lol Cats
6.M.I.L.F
7.Bang The Underground Doesn't Stop
8.Boom (Traumer African Remix)
9.And the Party Goes On
10.The Rise & The Fall Of The Donkey Dog (Husbands Remix)
2.ENCHANTe
3.The Rise & The Fall Of The Donkey Dog
4.I'm Going Home
5.Revenge Of The Lol Cats
6.M.I.L.F
7.Bang The Underground Doesn't Stop
8.Boom (Traumer African Remix)
9.And the Party Goes On
10.The Rise & The Fall Of The Donkey Dog (Husbands Remix)