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2015/8/7 PYRAMID ROOTS presents "SPHERE" @ Bonobo
神宮前Bonoboにて2014年10月にグラフィックアーティスト・IPPIによって始動したPYRAMID ROOTSは、DJやライブだけでなくフード出店やマッサージなど小さい場所に盛り沢山な内容で、まだパーティーとしては始まったばかりなものの注目すべきパーティーの一つだろう。3回目の開催となる今回はメインフロアには日本のDJの黎明期から活動するDJ NoriやMoodmanを招き寄せ、そして2階のお座敷ラウンジにはRyo Nakaharaやmaaによるアンビエント・セットも用意されるなど、今回も全く隙のない布陣でのパーティーに期待が高まる。
25時前に現地入りすると、丁度MoodmanへとDJが交代する頃。Moodmanは前のDJが盛り上げてきた展開から一転、自分の世界を作るために一からやり直すよう一旦ガクッとテンポを落としたハウスで開始する。勢いは抑えながらも低音から中音にかけて厚みがあり、タイトなグルーヴながらもすっきりした骨太で無骨な音だ。抑制された均等でスムースな4つ打ちのハウスを繋ながら、Shaboomの"Bust A Bubble"のようなアーバンで流麗なディープ・ハウスも混ぜてくると、鮮やかさと色気による彩りも増していく。Joey Youngmanによる"Jackpot"のフィルター・ハウスはビタースイートで真夏の夜の昂揚を誘発し、そこから鮮烈な彩りのあるシンセのメロディーが入ったハウスを続けざまに繋げ、安定感のあるイーヴンキックを保ちながらするすると人混みの中をすり抜けるようにスムースな流れを作っていく。そしてMena Keysの夏真っ盛りな南国ブラジリアン・ハウス"Break It Down"ではフロアに爽やかな旋風を巻き込み、いつしかフロアは踊りに没頭する大勢の人に溢れて、パーティーは熱狂へと突入する。

一旦2階のお座敷ラウンジへと移動すると、maaがメディテーション色の強いアンビエントなプレイを披露している。ビートは後退しながらもフローティングな感覚を打ち出して、BGM的な落ち着きのある空間作りはラウンジに適切だろう。シンセ中心のビートレスな曲、アンビエント、シティー・ポップ、ディープ・ハウスなどリラックスした展開で丁寧にプレイし、パーティーで友人との会話も楽しむ場を邪魔しないように心地良い音を聞かせてくれる。遠く離れた故郷への思いを馳せるような、そんな郷愁がじんわりと広がる音楽性もあり、踊り疲れて人達に寛ぎの場を提供するようだった。

再度1階へと戻るとMoodmanが丁度"Raw Cuts #3"をプレイしており、今尚喧騒の真っ只中にいるように盛り上がっている。荒ぶるファンキーさとエレクトロニックなハウスのトリッピーな感覚が混ざり合い、正にピークタイムの時間帯に間違いないフロアの興奮状態だが、それでもMoodmanは端正な4つ打ちをキープしパキッとタイトに纏めるプレイは円熟した洗練を感じさせた。

DJ NoriのDJは予想以上にクラシカルな選曲中心。いきなり安っぽいアシッドも爽やかで可愛らしい"Voodoo Ray"を投下し、蒸し暑い真夏の夜に清涼剤を吹きかける。続けざまにアクの強いアシッド・テクノも繋げて、印象が強く残る中毒性の高い流れで惹きつける。そんな90年代風の流れから"Awade (Joe's Jungle Sounds Dub)"へと繋がり、生々しく野性味溢れるパーカッション乱れ打ちのジャングル状態へと突入。興奮状態を保ちながらもそこにドープな深みを生み出し、更には夏にぴったりなセンチメンタルなハウスの"Central Reservation (Spiritual Life / Ibadan Remix)"で官能も強めて、これまで以上にフロアの熱狂を高めていく。そしてパワフルなパーカッションが弾けるブラジリアン・ハウスへ移行し地面を揺らしつつ、盛り上がった状態の中に"Summer Daze"を繋げればフロアの昂揚は最高潮へと達する。一旦ピークを過ぎてからは場をキープするように平坦で緩やかなエレクトロニックなハウスやオールド・スクールなハウスを中心に、勢いよりもシンセ・ベースのシーケンスやライブ感あるメロディーを活かした雰囲気で、一曲一曲を長めに丁寧にプレイし着実にテンションをキープする。朝方に入ってからはフュージョン・ハウスやラテン・ハウスなど生音を強めて湿り気も生み出し、オールナイトの闇を通り過ぎた後の郷愁を帯びた開放的な方向へと進む。そして遂には曲をミックスするのではなく曲をフルでかけていくスタイルへと移行すれば、曲そのものの良さを味わう音楽好きな人の為の時間がやってくる。民族的で気の抜けたようなブロークン・ビーツの"Ne Noya (Daphni Mix)"で骨抜きされ、熱狂的ながらもコズミック・ファンクな"Fly Like An Eagle"に陶酔し、より自由を謳歌するようなジャンルレスな選曲ながらも説得力のあるプレイだ。そして同様にガラージ・クラシックでもある"Ain't No Stopping Us Now"が飛び出せば、心は清らかな音に洗われるようにピュアな気持ちに包まれる。その後も大貫妙子によるメロウなシティー・ポップの"都会"、弾けるグルーヴに体震えるボサノヴァに甘くとろける歌モノなどをじっくりと丁寧にプレイし、フロアを大らかな心をもってして抱擁するようでもあった。そんな盛り上がりつつも音楽的に熟成された朝方のプレイが続く中、当方はもう少々パーティーは続いていたようだが7時頃にはクラブを後にし帰路に就いたが、前回のPYRAMID ROOTSに続き今回も大盛況でとても楽しいパーティーとなり、今後もこのパーティーには注目したいと思わせるには十分過ぎる一夜になった。

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