<< Max Essa - Vacations Never Taken (Victor Entertainment:VICP65330) | main | 埜庵 kohori-noan 22回目 >>
2015/10/3 Sunset Lounge @ 江ノ島展望台
Sunset Lounge 2015 Part1

もうすっかり涼しくなり季節は夏から秋へと変わったこの季節に、夏の余韻を締め括るべく江ノ島展望台にてSunset Loungeが開催された。野外パーティーの中でも普段クラブで遊ぶような層のためにだけでなく、老若男女幅広い世代や家族連れまでにも対応した受け皿の大きさと、そして決して知名度の高い外タレ勢に頼る事なく積極的に日本のアーティストの紹介に務めるなど、パーティーに対する熱い志が伝わってくる。今回はベテラン達がユニットを組んだ真っ青(山崎真央×鶴谷聡平×青野賢一)、今は亡きNujabesの音楽性に共振するUyama Hiroto×Haruka Nakamura、日本にて活動するバレアリック体現者のMax Essa、DJ FencerとBestsellerによる新鋭DISCOユニット・616 -無重力-、そしてSunset LoungeのレギュラーDJであるCalmが出演し、新旧上手くバランスの取れた出演陣だ。さて、今年の5月開催時には残念ながら曇り空のために望めなかった美しいサンセットはどうだったのか。
Sunset Lounge 2015 Part2

14時前には現地入りすると、海風が吹き抜ける灯台はやや肌寒いが真夏のような強い太陽光が降り注ぎ絶好の野外パーティー日和だ。トリオによる真っ青はそんな海風に乗って広がっていくように、のびのびとリラックスしたプレイをしている。ねっとりゆったりなダブハウスから、しなやかなビートにドリーミーな音色のブロークン・ビーツ、カリビアンなムードたっぷりの爽やかなハウス、覚醒的なアシッドも混ざったディープ・ハウスなど、三者三様にジャンルがクロスオーバーする変幻自在のプレイで、ふわふわとした空気感と海辺の爽快な雰囲気を作りながらパーティー序盤の緩い時間帯をじわじわと温める。終盤に向かって煌めきのある輝かしいニュー・ディスコや躍動的なブラジリアン・フュージョンも織り交ぜて躍動的なビートも多少強まっていくが、肩の力が抜けたリラックス感やオーガニックな色彩によるポジティブなプレイは通底し、果てしない空が広がる開放的な野外パーティーの雰囲気にはぴったりだ。そして最後に徐々に響いてくる美しいストリングスの調べは"Batonga (Main Mix)"で、白昼夢に浸るどマティックな一瞬が待ち受けていた。

Sunset Lounge 2015 Part3

Uyama Hiroto×Haruka Nakamuraによるライブの時間帯になると、フロアにわさわさと人が集まり出したところに人気の高さを伺わせる。サックス担当のUyama、キーボードー担当のNakamura、そしてトラックを担当するDJによって紡ぐ音楽は実にメロウだ。大袈裟に着飾る事なく美しく彩るキーボードと、センチメンタルなサックスの調べが溶けるように絡み合い、まだ早い時間帯ながらも黄昏時の切なさが滲み出る。"The Sun, The Moon, Our Souls"のトラックに合わせて、滴り落ちる儚く繊細なピアノやよりエモーショナルなサックスのメロディーは静かに燃え上がるような温かい郷愁を誘発し、静けさが広がるフロアは感動に包まれる。続いてジャズ・フィーリングのある繊細かつ躍動的なビートが刻む包容力に満ちた有機的なハウスでは、胸を締め付けるサックスが咆哮し、まるで男泣きのようにぐっと切なさが溢れ出す。大らかではあるが派手ではなく、壮大だが繊細で、そして"Summer Daze"ではトラックに合わせてサックスのメロディーを合わせて哀愁たっぷりのブラジリアン・ハウスを披露。その他にはもジャジーヒップホップのトラックに合わせて、サックスやキーボードに繊細な音色を紡ぐギターもプレイしながら、昼下がりの午後3時にはぴったりなメロウで穏やかな空気に満たされた音を聞かせてくれた。

Sunset Lounge 2015 Part4

夕方が近付いてくると次第に興奮が高まるダンスの要素が強いパーティーの時間帯へと移り変わる。Max Essaは如何にも彼らしい緩やかで開放的なバレアリック/ニュー・ディスコで始まり、野外という開放的に空間へとぴったりな世界観を展開。そんなプレイから始まるも直ぐにカチッとした強いダンス・グルーウを打ち出して、艶のあるディスコティックかつハウシーな音と、そして小気味良いリズム感でフロアを自然と大きく揺らしていく。ディスコティックな多幸感はあるがけばけばしい派手さは無く、また有機的で温かい音を活かしたナチュラルな響きが耳に優しく入ってくるプレイは、包容力に満ちていてエモーショナルかつ温かい。大きな展開は作るのではなく滑らかな流れで持続性があり、そこにアシッディーな要素やバレアリックなムードを伴うディスコを織り交ぜ、決してビートを荒げる事なく緩やかな流れを延々と引き延ばし、フロアでは踊る人達が徐々に増えていた。日が暮れ行く時間帯に徐々に込み上げるしみじみとした感情を誘発し、上手く夕暮れ時へと入っていく流れを作っていつしか景色はSunsetへと変わっていた。

Sunset Lounge 2015 Part5

丁度夕暮れ時にライブを行ったのは616 -無重力-で、DJのFencerとトークボックスを操るBestsellerによる新鋭ユニットだ。ディスコ・ユニットと伺っていた通りの正にディスコティックなライブだが、キラキラとエレクトロニックでポップな響きのモダン・ディスコといった印象で、懐かしくも近未来的な宇宙感。そしてトークボックスによる可愛らしい歌は甘く、そこにギタープレイも披露しながら徐々に暗くなるフロアに眩いばかりの光が弾けるようだ。底抜けに明るくケレン味のないハッピーな4つ打ちはドライブ感に溢れており、闇が降りてきて興奮が高まる時間帯にはぴったりのライブだろう。まさかの"Fade"のカバーも官能的で優美なオリジナルからは全く様変わりし、トークボックスの歌がイメージを上塗りしてで可愛らしいポップなディスコへと生まれ変わらせていた。

Sunset Lounge 2015 Part6

最後はSunset LoungeのレジデントDJ的な存在感を放つCalm。初っ端にディスコクラシックである"Ain't No Stopping Us Now"を投下し、盛り上がりつつあるパーティーを抑制しながら幸せな空気で包み込む。強引に盛り上げるのではなく皆の心が一体化するようなLove & Peaceで笑顔溢れる雰囲気を作り、そこからまたもKool & The Gangによるゴージャスなディスコ・クラシックの"Everybody's Dancin'"を繋げるクラシカルな選曲で、もう無闇に上げる事はせずにパーティーの終わりの切なさを意識した流れだ。そしてTelephonesによる海辺の爽快な多幸感が炸裂する"Blaff"にVince Watsonによる荘厳で美しいピアノのコードが滴る"Eminescence"と、夕暮れの切なさとポジティブな高揚感が一つなるように溶け合っていく。夜の帳が下りる中で暗闇に染まるようなディープなテック・ハウスも投下し、自然な盛り上がりも作りながらフロアに温かく情熱的なエネルギーをもたらし、そこに居る人達の感情を揺さぶっていく。そしてオルガン炸裂なレトロなディスコやRaul de Souzaによるブギーで輝かしい光を放つ"Sweet Lucy"など、ダンクラを出し惜しみせずにプレイする流れによってフロアが一体となってピースフルな気持ちになれるのだ。最後はBonobosによるキャッチーで明るくも、切ない余韻を残す"Thank You For The Music"によってCalmの人情味溢れるプレイは終了。全体的な流れが押してしまった影響でCalmのプレイ時間は短くなってしまったものの、やはりパーティーの締め括りとしてフロアを纏め上げるほっこり心温まるプレイは流石だ。

Sunset Lounge 2015 Part7

最後は主催者であるShibaが登場してYukiの"Joy"をプレイ。ここ暫くはパーティーの最後にJPOPをプレイするのが定番になっているが、盛り上がった宴の終わりを示唆するように、現実へと還るように敢えてそんな選曲を行っているそうだ。江ノ島展望台はパーティー以外の人も訪れる公共の場所であり、そんな場所では時間とルールを守って遊びましょうと、そんな意味も込められているのだろう。素晴らしい音楽は当然として無事オレンジ色に染まったサンセットを望み、文句無しにピースフルなパーティーになっていた。

■Calm - Mi-Mix(過去レビュー)
Calm-Mi-Mix
Amazonで詳しく見る


■Max Essa - Vacations Never Taken(過去レビュー)
Max Essa - Vacations Never Taken
Amazonで詳しく見る(日本盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
| EVENT REPORT6 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
スポンサーサイト
| - | 23:00 | - | - | |

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://matyu.jugem.jp/trackback/3743
トラックバック