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Calm - From My Window (Music Conception:MUMOCD-027)
Calm - From My Window
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特に久しぶりの新作という思いは全く無かったが、気付けばCalm名義のでのオリジナルアルバムは5年ぶりだと言う。前作以降はK.F.名義やfield.echo名義でも作品をリリースしていたので、"深川清隆(=Calmの本名)の音楽"を追っている者にとっては、その時間の経過は強く感じる事は少なくなかったに違いない。しかし5年の歳月はCalmに変化をもたらすには十分な時間だったのだろう、前作『Calm』(過去レビュー)やK.F.名義がCalm単独で作り上げたパーソナルな作品だったものの、この新作ではまた初期のCalmのようにMoonage Electric & Acoustic Ensembleという音楽家を率いて、バンドサウンドを持ち込みながらエレクトロニクスとの自然な共存を果たしている。しかしながらそれが単に生演奏を強調したバンド的なサウンドをやりたかったと言うよりは、Calmと言う指揮者に仲間の音楽家が自然と加わったように感じられ、決して生演奏を強調するようなものではない。その意味ではアンサンブルを強調した傑作『Ancient Future』とは似ながらも少々異なり、あれから15年の歳月は同じようなバンドサウンドにも変化をもたらしている。『Ancient Future』は非現実的で桃源郷のような夢の世界を見せる音楽だったが、本作ではそのような浮揚感は抑制されもっと現実的で大地にしっかりと根を張ったような雰囲気だ。決してメロウな感覚が失われたのではなく、その表現方法が変わったと考えるべきだろう。ゆっくりと湧き立つように揺らぎ、光煌めくシンセのサウンドが織りなす幻想的な"Room With A View"でアルバムは開始するが、続く"Night Ride"では早速生のベースやピアノにフルートが参加して、電子音によるトラックに生命力が溢れ出るような熱い感情を加えている。そして"Love Velocity"では心地良い電子音の揺らぎにスティール・パンによる可愛らしいメロディーが加わり、人懐っこいポップスのような親近感が感じられる。それまでの電子音のアルペジオが鳴りを潜めた"Cosmic Language"では控えめにジャジーなリズムが現れ、繊細に優雅な旋律をなぞるピアノと熱い感情を吐露するトランペットが、コズミックな電子音の上で融け合っている。アルバム全体としてはビートは希薄化し大河のようにゆったりと水が流れるようなグルーヴが強いが、"Cosmic Wind"ではドラムやパーカッションも加わって大きなうねりを生み出し、嬉々とした感情が溢れ出している。このように本作は様々な音楽家が参加したアルバムではあるが、それでも尚伝わってくるのはCalmのパーソナルで内省的なムードであり、スタイルとしてはバンド的な面もありながら大袈裟に生演奏をひけらかす事もなく、Calmの内に秘めたる感情がフラットに吐露されるているのだ。

Calm "from my window" (MUCOCD-027) - Focus Point Listening by Farr_Calm on Mixcloud



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