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2015/11/7 Andras Fox Japan Tour 2015 @ Unice
先日、日本限定のコンピレーション『Soft Illusions』をリリースしたオーストラリアはメルボルンのAndrew Wilson。まだ20代半ばという若手だが、メロウかつファンキーな要素をニューエイジや環境音楽に溶け込ませた音楽は大らかな自然と洗練された都会的な空気が同居した感覚があり、期待されるアーティストの一人になっている。また地元メルボルンではラジオ音組を担当しているそうで、制作面のみならずDJとしての手腕も見逃す事は出来ない。そして、今回の初の来日に合わせて日本からは『Good Mellows』シリーズの新作リリースに合わせて橋本徹とその周辺のDJが集結し、来日ツアーパーティーを敢行する。当方は都内でも複数箇所で開催されるツアーパーティーの中で、最もクラブパーティーの意味合いが強いUniceへと参加する事にした。
この日は早く上がる予定だった為、その代わりにオープンとほぼ同時に現地入り。まだ人気も少ないフロアではmaaが パーティーの始まりらしく、しっとりと哀愁が染みる選曲で開始する。夕方から夜にかけて夕闇が広がる色彩を帯び、ダウンテンポやアンビエントを用いて引いては寄せる波の穏やかな揺らぎを生む。序盤に早くもWilsonによる"Sun Sign Aries"で真夜中の星空の下で散歩するような穏やかな流れがあり、そした続くダウンテンポは芳醇な音色が有機的で、程良く広がる仄かな残響や落ち着いた波のように揺らぐビート感があり、淡い色彩を発する自然の風景を喚起させる。そして寂しげなアコギが胸に突き刺さるニューディスコの"Walk Through Happiness (Lindstrom Remix)"で、淡く温かい郷愁が体の隅々まで満ち渡る。晴れやかさと侘びしさの間を交差するような言葉に出来ない感情で音に耳を傾けながら、そして真夜中向けのアダルトなシティーポップ風まで広がりながら、その背景にはメロウという要素が支えながら各ジャンルを編み込んでいくスタイルだった。

続く橋本徹は真夜中の時間帯へと移行するのに合わせて、ハウスのビートも盛り込んでくる。メロウな空気で満たす事は前提として、真夜中の興奮を呼び起こす事にも抜かりはない。切れ味のありスウィングするビートを刻むジャジーな曲に合わせてshibaがトランペットの演奏を被せて、躍動的なグルーヴにしみじみと味わい深いメロディーを付け加え、感情に訴えかけるセンチメンタルな雰囲気をより強くするのだ。橋本の選曲も動きの強いものが多くなり跳ねるようなリズムさえ見せるが、そこはそこで心をしっとりと癒やす郷愁は失わない。shibaはMPCも叩いて爽やかなパーカッションも響かせ軽やかな風を吹かせて、DJとのセッションは何だか野外の開放感さえ現れ始めていた。橋本は完全にハウスの4つ打ちも持ち出すが、淡い色彩を帯びた有機的なメロディーのおかげか開放的なバレアリックモードで、非常に大らかな包容力で優しく包み込むようだ。そして待ちに待ったGood Mellowsクラシックの余りにも甘く余りにもドリーミーな"Dawn Over A Quiet Harbour"は、天国へと誘われるような汚れのない穏やかなバレアリック・ミュージックだ。後半には"Love Is Stronger Than Pride"の官能的な湿っぽいハウス・リミックスもプレイし、火照る熱さと色っぽい瞬間も演出しつつ、そこからボッサ風な力強いキックやパーカッションが刻むハウスで揺さぶり、夜のモードを意識したハウスの流れが続く。勿論Foxによる"Running Late"の仄かに甘い情緒が滲むハウスもプレイしたりと、メロウとダンスが自然と融和し憂愁の感情が飽和する素晴らしい時間帯であった。

そして今回のゲスト、Andrew Wilsonの登場だ。彼が制作する曲からのイメージでDJもアーバンかつメロウなものかと勝手に思い込んでいたが、流石に真夜中のクラブでのプレイと言う事もあってかダンスのビートをしっかりと入れてくる。プレイク・ビーツ気味の変則ビートにエスニックな雰囲気も混ざった不思議な曲から、カタカタとしたロウ・ハウスへと事前の想定から全く外れた展開だ。しかし歌モノも積極的に用いるからソウルフルでもあり、何処か安っぽさもある簡素な音は味わい深く奇妙だ。橋本のメロウなプレイに比べるとよりクラブ的な上げ方というか、しっかりとダンサンブルなリズム感が際立ち真夜中を意識しているのだろう。とは言っても単に享楽的でアッパーなダンスとは全く異なり、懐かしみのあるエレクトロニックなディスコから、鞭で叩かれるようなビートに囁く可愛らしい歌が入るエレクトロ、奇妙な効果音が爆ぜるテクノなど国籍不明かつ時代を遡るある意味ではディガー精神が発揮された選曲だ。レトロな時代感を匂わせつつも素性の知れなさを感じさせる選曲のセンスは、ただクラシック的な人気曲をプレイする王道とは異なる遊び心も含んだ面白みがあるのだ。また、ディスコやファンクにしても黒っぽさは無く、さっぱりと感情を抑えた冷静さの中から仄かに淡い郷愁が湧いてくる。更にはレイヴ時代を思い起こさせる悪っぽいブレイク・ビーツや安っぽいリズムが炸裂するシカゴ・ハウス風の曲など、クラブを意識した踊らす展開に何処か垢抜けなさが残る音色の対比が面白い。あっさりと控えめのエモーション、カタカタと古めかしいリズム、そして全体的に懐かしい感傷じみた音が味わい深く響く。しまいにはKylie Minogueのポップな歌モノのエディットも飛び出したりと、ダンス・トラックを基軸にしながらも特定のジャンル一辺倒ではなく様々なジャンルからビートを拝借するオルタナティブな展開と、全く強迫的には聞かせないナチュラルな世界観は、実はAndras Foxのアルバムから感じられる印象と共鳴するものだった。

パーティーに合わせてメロウ系で来るかと予想していたDJ Yogurtは、前のAndrasが思っていたよりもダンス・セットだった事もあってか、こちらも力強いグルーヴで揺さぶるプレイを披露する。ボサノバ風な爽やかなパーカッションが吹き抜けるハウスにダブ処理を加えて開放感を打ち出し、室内ではありながら野外かのように空間を拡張する。そして淡くも鮮やかな色彩がうっすらと伸びながら情緒を放出し、そこからラテンなリズム炸裂のファンキーなハウスへと繋がり発散するエネルギーで気分を高めていく。チャカポコとした怒涛のパーカッションが打ち乱れるアフロ・ハウスに、いつしかshibaも加わってトランペットの妖艶な異国情緒溢れる味付けを行い、相乗効果で強い上昇気流に乗って盛り上がるのだ。地響きのような激しいトライバルかつアフロなビートは大自然の中の土臭い香りもあり、大地の鼓動と共振しながらフロアを激しく揺さぶる。そしてその野外的な開放感を維持しながら、ロウな質感のディープ・ハウスから何処までもメロウが広がるバレアリックな歌モノ、またはトロピカルな和やかさがあるカリビアンなハウスなど、一向に停滞させる事なくこれでもかと情熱的な感情が爆発する展開だ。Andrasとは対照的に音をふんだんに詰め込んでゴージャスな響きや縦横に揺さぶる生々しいリズムによって、有無を言わさぬ音の構成が激しい河の流れのようにフロアを飲み込んでいく。野外における爽やかな空気を胸一杯に吸い込んで、純麗かつハッピーな気分の中で音を全身で浴びる体験の如く、生命力が溢れるプレイだった。

と当日は予定があったのでパーティー途中で始発での帰宅となったが、パーティー開始から夕闇が包まれ始めるしっとりしたmaa〜Good Mellows全開の淡くも豊かな色彩を放つ橋本徹、そして不思議さも伴うローファイなダンス・セットのAndrasに激しい攻勢を見せたDJ Yogurtと、時間の経過に沿いながら移ろい変わっていくパーティーはラウンジならではの趣もあった。たまにはこんなメロウで大人びたパーティーも良いものだ。

■Andras Fox - Soft Illusions(過去レビュー)
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■Good Mellows For Seaside Weekend(過去レビュー)
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