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2015/12/11 THE OATH -every friday night- @ Oath
今年も12月と最後の月になったものの、気付いたら半年以上もOathから足が遠ざかっていた。決して大きなクラブではなくどちらかと言うとバーと呼ぶ風合いが強い場所ではあるものの、日本人のDJを中心にした構成とリーズナブルに楽しめながらも良質な音響でダンス・ミュージックを楽しめる場所として、魅力のあるクラブの一つだ。そんな折、丁度ソウルフルなハウス・ミュージックのプレイに定評のあるDazzle Drums、Capricious Recordsを運営しているJun Kitamura、Oathでも頻繁にプレイをしているKAZZとベテランが揃ったパーティーが開催されるので、この機会に久しぶりに足を運ぶ事にした。
25時頃現地入りすると既にフロアは程々に人で埋まっており、特に外人の多さに少々驚く。他のクラブでも外人の比率は高まっていると聞くし、日本への観光客が増えてその流れでクラブへ流入する外人も多くなったのかと思うが、その雑多な雰囲気はクラブ業界にとっては良いのではと思う。丁度Dazzle Drumsがプレイを開始するが、初っ端からハウスのグルーヴ感は作りながらも硬めのトラックが中心だ。重圧のある太いキックによる4つ打ちがどっしりした安定感と迫力を生むが。しかし普段のプレイよりはややダークでエレクトロニックな音質は、ヨーロッパの妖艶な感覚と厳つくハードな成分が多い。押し潰すような圧力を体感させながら、更にはには悪びれた雰囲気のアシッド・ベースや感情的な歌モノも織り交ぜて、彼等らしいファンキーな要素も付け足していく。そんな中で序盤に早くもクラシックの時間帯がやってくる。Mix Mastersによるオールド・スクールなヒップ・ハウスの"In The Mix"によって粗雑なビートの中から華麗なピアノの旋律が現れ、そこにレイヴ調のエグいシンセが特徴的な"Rock To The Beat"、更に様々なネタが詰め込まれたヒップ・ハウスのクラシックである"I'll House You"と大ネタを躊躇せずに連続プレイし、猥雑とした大きな揺さぶりを誘い出す。やはりこのクラシックの誰でも分かり易く楽しめる流れは最高だが、しかしこの日のプレイはソウルフルと言うよりはドラッギーで、それからも半ば快楽的なプログレッシヴ・ハウスも飛び出したりと、彼等のホームであるBlock Partyでのハウス・ミュージックへの忠実さとは異なりジャンルがごった返すプレイは挑戦する意欲が感じられる。そこから土着臭溢れるアフロ・ハウス、生のライブ感が溢れるディスコ、チープなマシン・ビートがダサくも格好良い"Blue Monday"など、正にジャンルの壁が融解しながら混沌の渦へと突入する流れはOathの客層に合わせたかのようだ。そのように一旦は振れ幅を拡張するも、今度は一転してヨーロッパの音を中心としたディープでエレクトロニックな流れへと振り戻され、中毒性の高い快楽の極みへと達する"Y.O.U.D."で深遠へと達し、そこに繋げたのはDazzle Drumsによる覚醒感ほとばしるアシッド・ハウスの”Jack In The Box"で、完全に大箱を意識したように覚醒感を煽る刺激的な展開だ。彼等の普段のパーティーとは異なり、より攻撃的で厳ついトラックと多幸感よりもダークな雰囲気を意識した音楽性は、様々な音楽を好きな客層で溢れるOathならではだと思うし、Dazzle Drumsに対する概念を壊しながら新たな魅力を体験させてくれる。もちろん”Move Your Body”などクラシックなハウスもプレイしていたし、彼等らしいソウルフルで普遍的な面も盛り込んでいた。旧来のファンも切り捨てずに普段とは異なる音楽性を強調したプレイは、Dazzle Drumsに対する固定概念という殻を破ろうとするアグレッシヴな気概が伝わってくるものだった。

KAZZに交代するとがらっと変わって、ソリッドなテクノが中心となる。図太さと重圧という点では変わらないが、少し音がロウで90年代を匂わせる曲も。ツール的な曲を中心に反復と勢いで引っ張りながらも、劇的なブレイクも用いてパーティーの喧騒をより強く刺激する。その流れから突如として、至福のピアノ・コードが輝かしいゴスペル風な歌のハウス、そして派手なレイヴ調のシンセと強烈なフィルターが炸裂する"Pump The Move"、Blazeのミニマルでファンキーな"My Beat"と、大ネタも飛び出してフロアは活況の中へと突入する。しかし次第に緊張がほぐれながら浮遊感を伴うスムースなテック・ハウスが現れ始め、淡い色彩を伴う叙情が広がっていく。しかしそれもほんのつかの間、次は凶悪なアシッド・ハウスではっと意識を目覚めさせ、硬めのタイトなテクノからバウンシーなテック・ハウス、声ネタのファンキーなハウスと目まぐるしく撹拌するような展開だ。ごちゃごちゃとごった煮な展開が続く中から、今度は壊れかけの機会が呻き声を上げるような”The Original Video Clash”から、DJ Hellによるディスコティックなフィルター・ハウスの"Copa"と、抵抗出来ない上げ上げの濁流で飲み込む。そこに被せるエモーショナルなディープ・ハウスの"The Symphony (Can You Feel It)"と怒涛のクラシックの展開で、往年のテクノやハウスが好きな人にとっても胸が熱くなる瞬間は度々訪れていた。その後もディープ・ハウスながらもピッチが上げられ、パーティーの高揚はピークへと上り詰めるように高まり、フロアの外人も日本人も混ざり合いながら盛り上がっていた。

5時からはJun Kitamuraの2回目のプレイだ。同じく図太い4つ打ちでも随分と身が引き締まり、跳ねるような揺さぶり感が強い。パキッと硬いビート、展開を抑えたミニマルなグルーヴの洗練されたテック・ハウスをするすると自然な流れで紡いでいく。大ネタを使う訳でもなく大きな展開を含ませるでもなく、しかし何処までも加速し続けるように一直線で限界突破を試みるハイエナジーなプレイは、質実剛健と呼ぶべきか。デトロイトのような叙情性もありながらオプティミスティックなテック・ハウスも通過し、ハイウェイを高速でドライブするような高揚感に満たされ、朝方ながらも決して垂れずに加速を続ける。大きな変化はなくとも瞬発力のあるグルーヴとパーカッシヴな曲調、そしてミニマルの反復性で惹きつけ、耳をぐっと掴んで離さないのだ。所謂ミニマル・テクノに感じられる沼のような深さとは異なるミニマル性があり、仄かに情緒も伴う機能性の高いテック・ハウスを執拗に、そして勢いを保ちながら世界観を統一しながら紡ぎ合わせし、高揚感は反復により持続しながら上乗せされるのだ。一時とて緊張が切れる事なく、ポジティブな音ではあるが非常に研ぎ澄まされた切れ味があるDJプレイは、この日の中でもストイックな男気を感じさせるものだった。と朝の6時まで楽しみつつ、まだまだフロアは人で溢れて賑わっていたものの当方はパーティーから離脱。実に三者三様の異なるプレイながらもそれぞれの持ち味を発揮したパーティーで、久しぶりのOathらしい雑多な音と人種が面白い夜だった。
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