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2016/1/9 RESPONSE NEW YEAR'S PARTY @ Warp
2015年の初めにRESPONSEがサポートについて開催されたgroundrhythmで披露された井上薫×DJ Hikaru×DJ Yogurtのゴールデン・トライアングルから一年、残念ながらAirのクローズと共にこの組み合わせももはや体験出来ないかと思っていた。しかしそれから一年、RESPONSEが中心となり場所をWarpに移して新年会と称して昨年と同様にゴールデン・トライアングルを復活させるとは、期待以外のなにものでもない。そして今回はメイン会場はWarp、そしてサブ会場にCheekyと2店舗を解放しての開催だ。
24時過ぎには先ずメイン会場のWarpに現地入り。1階入り口にはCDショップがあり地下へと降りると100人位は入れるであろうメインフロアがあるが、やはりライブ会場だけあってクラブという雰囲気よりは内装等も含めてライブ会場に見受けられ、初めての場所のせいかなんだかそわそわしてしまう。DJ Yogurtが早くも4つ打ちのテクノセットを敢行しており、テック・ハウス〜プログレッシヴ・ハウス気味に壮大な空間演出を伴う曲も織り交ぜ、幻想的なメロディーも聞かせながらまだ上げ過ぎずに加速途中のプレイを披露していた。

24時半からはDJ Hikaruに交代。いつものヒップ・ホップ等の変化球的に来るかと予想していたところ、この日はそんな予想を覆してDJ Yogurtからの雰囲気を継続するように、"Too Much Information (Mr Raoul K Transformation Mix)"の多幸感が満ちたテック・ハウスで繋ぐ。そこからぐいぐいと押し寄せる図太い4つ打ちと快楽的な上物で早くも上昇気流に乗り、序盤からスロットルは全開だ。そして強烈なフィルター使いの"How's Your Evening So Far? "も飛び出してDJ Hikaruの大味な爆発力が炸裂し、そこに繋げたのは野生の鼓動を体感させるトライバルな"Ground Rhythm"。更に"Throw"ネタを繋げる大ネタ連投のプレイは、半ば強引にもフロアを叱咤するように刺激して盛り上がる。その上、バトゥカーダ風の怒涛のパーカッション乱れ打つ曲やエグいシンセが神経に響くエレクトロ・ハウスもプレイすると、遂にはDJ Hikaruの持ち味であるジャンルがごった返した混沌の喧騒の中へと突入だ。"Snakes And Ladder (Rub N Tug Remix)"などディスコやファンク、民族的なパーカッションが鳴り響く曲など徐々に肉体性と熱量を増しながら、いつの間にかいっぱいの人で埋まったフロアは熱狂に包まれていた。

25時半からは井上薫が登場。DJ Hikaruとは打って変わって、洗練されたハウスの4つ打ちが中心。無駄な音は削ぎ落として隙間も強調しながら、躍動的なパーカッションや恍惚感を誘う上物を用いて、上下に大きく揺さぶるのではなくグルーヴを引き延ばしていく。Nick Chaconaのコズミックとアーバンな雰囲気の"Through The Door"によって華々しく大きく飛翔し、Detroit Swindleのざっくりと生っぽいビートが爽快なファンキー・ハウスの"Figure Of Speech"で緩やかに上昇加工を繰り返し、勢いよりもメロディーやムードを丁寧に扱う展開だ。中には民族的な合唱のような歌が入ったエキゾチックなハウスもあり、ジャンルを越境するコスモポリタンな精神性の強い井上らしいプレイが体現されている。そして華々しく羽を広げたようなシンセが展開するプログレッシヴ・ハウスや、シンセベースや光沢のあるシンセが快楽的なWill Dawsonの"Under The Water"など、暗闇の中を光で照らすようなポジティブなプレイに心もうきうき。最後の方では激トライバルな"Good Girls"も繋ぎとして用いて、円熟を感じさせる大人びたプレイが印象的だった。

26時半、DJ Yogurtの2回目のプレイだ。 今度は陽から陰へと移り変わり、闇に潜り込むようにダークなテクノ中心になる。Abstract Divisionの"Metropolis"のように陶酔感のあるメロディーが心地良いプログレッシヴ・ハウス風な曲も使いつつ、タイトに引き締まったグルーヴで一直線な展開。恍惚感のある上物も入ってはくるものの、Berghainを意識したようなハードかつダークなテクノで攻め上げ、そこにPetar Dundovによる宇宙遊泳のようなディープなミニマルの"Sparkling Stars"で催眠的に嵌めながら、そこから緩やかに下降して深遠を潜行するプレイでじわじわと闇の中を突き進む。暫くして再度浮上すると鮮やかなシンセが伸びる壮大なテック・ハウスで恍惚の高みに達し、ソウルフルな感情が爆発したテック・ハウスもプレイし、大胆にミキサーを操作しながら揺さぶりをかけるように展開を作る。いつの間にか眩い光を発するようなポジティブなテクノやハウスが中心となり、フロアは緊張よりもハッピーなムードが打ち勝ち賑やかになっていた。

一旦休憩の為にメインフロアを出てCheekyへと行ったり、Warpの1階ラウンジで水タバコを堪能したりしていたものの、困った事にメインフロアには椅子一つ無いのでメインの音を聞きながら休む事が出来ないのは残念。その点はクラブではないから仕方ないのかもしれないが、音を堪能する為に一晩中メインフロアで立ち続けているのは体力的には厳しいものだ。さて、メインフロアに戻ってみるとDJ Hikaruが"Heavenly Overtone(Vakula Remix)"をプレイしており、圧倒的な光の中を疾走している。この上ない高揚感からズンドコと大きな揺さぶりをかけるテクノでお祭り騒ぎのようにフロアを刺激し、ここでもまたDJ Hikaruのエナジー放出する大仰なプレイが爆発する。Margotによるブリーピーなシンセが脳髄を中毒的に刺激する"Liuff Settanta"、Gregory Porterのほろ苦く情熱的なジャズ・ハウスの"Liquid Spirit (Claptone Remix)"、その上ベースラインがうねりまくるアシッド・ハウスまで、その場のノリで決めたような予想もつかない展開に強引に巻き込んでいく。ラブリーでポップな歌モノもあれば、エロティックかつサイケデリックな"I Called U ( The Conversation)"、派手に弾けるディスコやFrankie Knucklesカバーの"You Make Me Feel (Mighty Real)"、そこに"I Am The Resurrection"のセッションパートを繋げてきたりと、完全にDJ Hikaruの自由奔放なジャンルの坩堝が渦巻いている。まるで嵐が到来したかのような豪快にごちゃごちゃと撹拌されるプレイは、正に衝動に突き動かされていた。

もう夜から朝へと差し掛かる28時半、DJは井上薫へと交代。嵐が過ぎ去った後のようにフロアを鎮めるが如くパキッと平坦なエレクトロニック・ハウスを繋ぐ。そしてださくもポップなシンセベースやマシンビートが味わい深い"E=MC2 (Baldelli & Dionigi Remix)"でうっとりさせつつ、Awaneの広大な空へと飛び立つような爽快なテック・ハウスの"Atom"で新選な空気を舞い込み、フロアは闇から徐々に朝の光が刺し込むムードへと移る。90年代風のエモーショナルなディープ・ハウスでその優しい時間帯を継続し、そこに徐々に聞こえてくるあのフレーズ…、そう、"Hi-Tech Jazz (Live Version)"だ。喧騒ではなく穏やかで幸せなフロアに響くエモーショナルなサックスや美しいシンセのコード、その余りにも包容力のある曲の前に笑顔せずにはいられない。まだ現実と夢の狭間にいる時の心地良い微睡みの瞬間から、それを継続するように高らかに明るい日々を宣言するゴスペル風な"Brighter Days (Karizma And DJ Spen Deepah Dub 2011 Mix)"、Mirko Lokoによる神々しい繊細な歌モノ・ミニマルの"Around The Angel"と、もう闇は完全に消え去り輝かしい光がフロアに満ちていた。終盤に向けては更に盛り上がるようにトランシーなメロディーがいつまでも駆け巡るエレクトロニック・ハウスから、長いイントロからコテコテのディスコに移行する"Relight My Fire"、そしてラストはトライバルなパーカッションに切ないアコギが哀愁を生み出す"Agora E Seu Tempo"と続き、まさかのGroundrhythmの朝方を思わせるクラシックタイムで実に井上薫らしさが感じられる時間帯だった。その後もパーティーはまだまだ続いていたのだが、当方はその辺で十分に満足したためフロアを離脱。言葉通り三者三様、それぞれの個性をいかんなく発揮したプレイは皆方向性はバラバラなものの、決してそれらが不協和音になる事はなくパーティーを形作る要素になり流石の相性を感じる事が出来た。

■Groundrhythm 2 Mixed By Kaoru Inoue(過去レビュー)
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■Hikaru - Country of Origin Japan(過去レビュー)
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■DJ Yogurt - 2010.11.27 @ Oto-Doke 松山(過去レビュー)
DJ Yogurt - 2010.11.27 @ Oto-Doke 松山
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