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Anthony Child - Electronic Recordings From Maui Jungle Vol.1 (Editions Mego:EDITIONS mego 215)
Anthony Child - Electronic Recordings From Maui Jungle Vol.1
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今、ロートルにさえ思えるモジュラーシンセが再評価を集めている。現在ではありとあらゆる機能が盛り込まれてPC一台で音楽制作が可能になっている利便性に逆行するように、自らケースに多数のモジュールを組み込み膨大なパッチケーブルを付け替える事を必要とされるモジュラーシンセは、ソフトウェアで音楽を制作していたアーティストにその自由度が新たなインスピレーションを与えるには十分なDIY性があったのだろう。UKテクノの重鎮でもあるSurgeonことAnthony Childも、モジュラーシンセーに魅了されたアーティストの一人であり、近年はモジュラーシンセをライブやDJにも組み込むなど相当に入れ込んでいるようだ。そしてその成果として出来上がった作品が、ハワイはマウイ島の大自然の中で録音されたという原始的なテクノであり、モジュラーシンセの音がこれでもかと主張するコンセプチュアルな内容だ。2年前にもAnthony Child名義でフィールドレコーディングやノイズをコラージュした作品を手掛けたように、Surgeon名義のフロアを震撼させるダンス・トラックとは方向性が全く異なり、ここではいかに原始的なハードウェアで音のテクスチャーの表現とライブ感を打ち出せるかという事にこだわっているようだ。ジャングルの中で録音された事を利用し、バックには鳥や虫の泣き声に雨音さえも聞こえるフィールドレコーディングが配され、決して整ってはいないものの即興的なモジュラーシンセの鮮やかな音色との相乗効果で、テクノの初期衝動のような息遣いさえ感じられる。モノフォニックなメロディーは決して複雑なレイヤーや豊かなコードを生む事は出来ず、全くリズムも入らずに環境音とシンセのみによる余りにも単純で簡素な電子音響は、現在の丹念に装飾された電子音楽に比べると何処か幼く欠けているものがあるように感じるかもしれない。しかし原始的な生命が息衝くジャングルの中で録音された事は、成熟よりももっと原始的な衝動を優先させる意味があったとすれば、そのコンセプトは的確に表現されているのも間違いない。フロアでの機能性ではなくアーティストとしての表現方法を拡張させるAnthony Child名義として、再度個性を塗り替える面白い作品だ。



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| TECHNO12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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