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2016/1/16 Guidance ~導き導かれる人生~ 11th Anniversary Party @ Unice
「導き導かれる人生」という言葉通りに繋がりや共有をコンセプトに、様々なクラブを渡り歩きながら国内外の有名無名に限らず実力のあるアーティストを招き、そして音楽だけでなくデコレーションやフードにVJなどを盛り込んでパーティーを作り上げてきたGuidance。浮き沈みの激しいダンス・ミュージックという業界の中で、10年以上もパーティーを継続してきた事は称賛するしかないわけだが、今回の11周年では初のUnice開催となり今までにもGuidanceと絡んできたカナディアンDJのEddie Cが出演する。そして大阪からはOoshima ShigeruやAltzも参戦、勿論VJやフードもありとGuidanceらしさはいつもと変わらない。
当日は24時半過ぎから入店すると、入り口でGuidanceオリジナルのお香とEddie Cが2005年に手掛けたMIXCDを頂き、こんな所からもGuidanceのパーティーを盛り上げる気遣いが感じられる。Altzは意外にもオープニングからのプレイだったので既に終わってしまっていたのだが、Hide Futagi+SHINICHI FUKUMA+OBPによるB2Bのプレイによってラウンジの雰囲気が強いUniceにおいても、フロアは和やかな賑わいの中にあった。快活なニュー・ディスコを中心に大きく揺さぶるのではなく流れるようなスムースなグルーヴを活かしつつ、快楽的なシンセ・ベースやドタドタとしたリズムにもみくちゃにされるような勢いに飲み込まれる。フロアの脇では打楽器セッションクルーの"ベドラム"が太鼓を軽快に打ち鳴らし、DJがプレイする音にエキゾチックで野生的な味わいも加え、そのセッション的な組み合わせに何だか騒がしくもうきうきと心が高揚するようだ。DJの方は3人が入り混じりながらも音がバラバラになる事はなく、今風にビートを整えたリエディットものや時代を感じさせる古くも愛らしいディスコも用いて、もっさりと生っぽさを残したビートを打ち出して、猥雑に野卑にフロアを混ぜるように盛り上げる。そして突然に爽やかなパーカッションが広がるディープ・ハウスでふんわりと浮かび上がると、Morgan Geistによる華麗なストリングスと可愛らしいシンセがレトロフューチャーな洗練されたディスコの"24K"でしっぽりと湿り気を帯び、そこからのTelephonesによる雨上がりの空に虹が広がるようなバレアリック感広がる"Blaff"と、一気に多幸感の中へと突入する目を見張る展開だ。それでも上げ過ぎない、しかしダウナーでもない程良い盛り上がりとリラックスの中庸にいる快適なビートを保ち、Kapoteによるイタロ・ディスコ調のブリーピーな音色と肉体感あるマシンビートが脈打つ"Arpeggio"で快楽志向も見せながら、次第にジャンルを拡大させてディスコからハウスに、そして煙たくどす黒い空気が噴出する"Shades of Jae"でファンキーな跳ね感も盛り込みフロアを夜中の雰囲気へと染めていく。更にはポップで多幸感が爆ぜるキッチュなシンセ・ファンクまでプレイし、3人だからこそのジャンルの坩堝と化したプレイで、真夜中のざわめきを強く感じさせる曲を多用してフロアの雰囲気を上手く創り上げていた。

雑然と賑わう雰囲気の中で26時時半からはEddie Cの登場だ。一旦仕切り直すようにミックスはせずに、いきなり重たくファットなニュー・ディスコを投下。エネルギッシュでファンキーながらも、下からぐいぐいと迫り上がってくるような土台のしっかりしたグルーヴだ。優美なストリングスの煌めき、躍動的で大胆なベース・ライン、ざっくりとしたビートのニュー・ディスコ攻めは正に期待通り。一年半前のResident Advisor @ ageHaに出演した際には大箱を意識したのか、とにかくアゲアゲのプレイに何だかこれじゃない感があったものの、やはりEddieにはこういったジワジワ来るニュー・ディスコが似合っている。風船が爆発したかの如く噴出するポジティブなエネルギーに、フロアは自然と笑顔が溢れて居心地の良いパーティー感に包まれる。大ネタを投入するとか、激しく揺さぶるだとかそんな展開はなく、エディット物も用いながら安定感のあるディスコなグルーヴをひたすらミニマルのように引き伸ばし、ハッピーな気分の持続感を強調したプレイなのだ。緩やかになだらかに上昇と下降を繰り返し、肩の力が抜けながらもグッとくるグルーヴ感で溜めのあるプレイが心憎い。アッパーで勢いのあるプレイも悪くはないが、やはりEddieが制作する音楽のようにじっくりと堪能出来る味わいのあるプレイがはまっていると思う。しかし4時頃からはぶりぶりとした鈍いアシッド・ベースが刺激的な変異体ニュー・ディスコなどで攻撃的な面も顔を出し、House Mannequinによる錆び付いた金属音がひしゃげるロウ・ハウス的な”Stone Bridge”など、ディスコをルーツとしながらも不思議でトリッピーな感覚を、そしてふざけたような愉快な側面も打ち出してフロアを強烈に刺激する。かと思いきやそこからパンピンで跳ねるファンキーなハウスも飛び出し、サックスのメロディーが情熱的な旋律を描きながら、展開は大きく動き出す。90年代を思わせるエモーショナルなNYハウスから、Ditongoによる"I Was Born This Way"ネタをミニマルに用いた”Longo”でのファンキーな流れはお見事で、そこから暫くはファンキー路線が継続する。煌めくようなゴージャスな上モノや熱量の高いボーカル、そして情熱的なピアノのコードが際立ったファンキーなディスコでフロアの熱気も高まり、ラウンジである筈のUniceは完全にクラブへと変わっていた。そして"Dancin' And Prancin' (Joey Negros' Disco Blend Mix)"のようにポップでラブリーなディスコもかかれば、もう気分は愉快痛快。おかしなロボット・ボイスとレトロな響きのシンセが先導するテクノ・ポップ的なださかっこい曲、ややアシッド気味のベースとジューク的な安っぽく下品なハウス、朝方になればなるほどディスコを軸に振れ幅を見せながら、しかしどれもこれも何とも底抜けに明るくポジティブな気持ちになれる音だ。例えどんなジャンルの曲を組み込もうが、その曲がアンダーグラウンドではあろうが、Eddieのプレイからは閉鎖的ではなく外向きで気分を高揚させる楽観的な音楽性が伝わってくるのだ。

朝の6時前になってもまだまだEddieのプレイは一向にテンションは落ちていなかったが、踊り疲れて出店していたコーヒー屋のホットコーヒーを一杯飲んでから、そこで当方はパーティーを後にした。初のUnice開催ではあったもののGuidanceらしい音だけでなく五感全体で楽しませるような工夫は今まで変わらず、程良い規模でアーティストとの距離感も近く楽しめる環境は上手く出来上がっていたと思う。真っ暗なクラブとはまた違う終始賑わっていたあのフロアの感覚は、多幸感の強いニュー・ディスコ中心の音楽とも合っていただろうし、今後もUniceでの開催に期待したくなる。

■Eddie C - Country City Country(過去レビュー)
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■Eddie C - Parts Unknown(過去レビュー)
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