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Takasi Nakajima - Basic Math (Indigo Aera:AERA015)
Takasi Nakajima - Basic Math
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デトロイト・テクノに影響を受けたような叙情的なテクノを得意とし、新作と共に過去の遺産を掘り起こしてはアーカイブ化する作業を行っているのが、オランダにてカルトレーベル的な存在感を放つIndigo Aeraだ。モノクロながらも異彩を放つジャケットの統一感や、作品毎に極少数でエクストラEPを付属させる販売方法など、そのレーベルの運営方針からは強い主張が感じられる。そんなレーベルの新作は邦人アーティストであるTakasi Nakajimaによるもので、ご存知の通り元々Claude Youngと手を組んでDifferent Worldとしてのユニットで活動していたその人だ。残念ながらDifferent World自体は多くの作品を残すには至らなかったが、Applied Rhythmic TechnologyやIndigo Aeraには名作を残し、Ostgut TonのMIXCDにも彼等の曲が使用されるなど確実な手応えはあったと思う。そしてNakajimaがソロになってから何と再度Indigo Aeraに見初められるとは、これを快挙と言わずして何と呼ぶか。"Basic Math One"は7分にも及ぶ無重力の中にいる静謐なアンビエントで、さざ波のような穏やかなパッドが押し寄せる中に空間的な音響も配置して、期待に満ちた門出を祝うような雰囲気だ。"Basic Math Two"では繊細に多数のシンセの奥に幻想的なパッドをうっすらと伸ばして、そして圧力のあるキックやキレのあるハイハットでゴツゴツとしたグルーヴを生み、デトロイト・テクノを丹念に精錬したような叙情的なテクノだ。広大な闇の宇宙に瞬く星の光を浴びるようなドラマティックな世界観があり、その美しさにうっとりと魅了される。"Basic Math Three"はもう完全に古典的なデトロイト・テクノだろう、エモーショナルなシンセのメロディーが軸となりシンプルなハイハットや引き締まった4つ打ちが続き、徐々に大袈裟感もあるシンセで盛り上がっていく叙情的な展開はデトロイト・テクノのそれに他ならない。そしてレーベルを主宰する二人がリミックスを行った"Basicmath One (Jasper Wolff & Maarten Mittendorff Remix)"も素晴らしく、原曲のイメージを塗り替えるように猛々しいキックを加えた肉体感溢れるテクノへと作り変えつつ、繊細ながらもヒプノティックなシンセを散りばめた荘厳な世界観が広がっている。本家のデトロイトからクラシカルな作品がなかなか生まれない現状で、日本にそれを継承して更に前進していく姿勢が感じられるアーティストが存在するのは嬉しい限り。是非ともこの路線で更なる飛躍を期待したい。



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