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2016/2/10 DAWD @ Oath
近頃は各々の活動も盛んなせいだろうか、Jun Kitamura×REMI×haraguchic×SINOによるDAWDの開催は減っていたが、おおよそ8ヶ月ぶりにDAWDがOathへと戻ってくる。実に久しぶりの開催となるが今回はゲスト参加は無しのため、その分だけDAWDクルーのプレイを存分に堪能出来る良い機会だろう。当方は2015年は一度も参加出来なかった事もあり、それぞれのプレイを聴くのも本当に久しぶりとあって楽しみに待っていたパーティーだ。
24時半に現地へと着くとプレイしていたのは、こんな早い時間帯に意外にもREMIだ。まだフロアは空きもあって混雑する前という事もあってか、いつものピークタイム時の弾けるようなエネルギッシュなプレイは封印しつつも、それでもディスコ・サンプルを中心としたノリノリで、しかも図太いボトムが貫くハウスを丁寧にプレイしている。時間帯の影響もあったのだろうか雰囲気は落ち着いていてシリアスで、ファンキーかつ不良ぽい悪びれた雰囲気はありながらも、じわじわと構築していくようなミニマルな展開だ。それでも武骨でタフな音の質はREMIらしく、いつもより控え目ながらもフィルター・ハウスも投下して熱気溢れるファンキーな瞬間も作ったり、逆にスカスカの味気ないシカゴ・ハウス風な曲で弛緩させながらトリップの沼へと嵌めたり、あの手この手で真夜中への道のりを構築するようだ。終盤では究極的に削ぎと押されたミニマルなマシンビートの"Spastik"から悪い雰囲気ぷんぷんなアシッド・ハウスへと繋ぎ、いつもの派手で熱いプレイとは異なるREMIのサイケデリックな側面が感じられるプレイだった。

Jun KitamuraにDJが交代すると音はグッと硬くなり、端正でスムースな4つ打ちを刻み出す。展開のある叙情的なメロディーが浮き上がり、よりエモーショナルで豊かな色味も纏いながら、しなやかなグルーヴで真夜中のダンスモードへと突入する。デトロイト色の強いShawn Rudimanによる"Go Again"では膨らみのあるキックと美しい桃源郷のようなメロディーも現れ、一気に高揚感は振りきれるように増していく。そこからもどっしりとしたメリハリのあるキックを軸にした安定感のある4つ打ちを刻み、するすると滑らかに流れるようなプレイは、大人びていて洗練されている。緩やかな上げ下げを繰り返しながら自然と上昇気流を作り、洗練され機能的なテック・ハウスを中心に力強いビートを叩き出して、人で溢れるフロアはいつしか熱気に包まれる。突き抜ける疾走感、豊かな情感、硬く芯のあるグルーヴが絡み合い、もう勢いは止まらない。そんなピークタイム仕様なプレイの中にも、TC80のふらつきながらも繊細に揺れるディープ・ミニマルな"Dardos"も通過し、深い瞑想に潜る流れもあるが、その反動的にロウなキックが炸裂する激しいテック・ハウスまで振れて、バランス良くフロアの空気を構築する。特に後半に入ると跳ねるようなリズムが強調され、そこから発せられる爽快さはピークタイムに相応しい雰囲気だった。最後はLFO VS F.U.S.Eによるデトロイト的なエモーションが滲み出る"Loop"で、きっちりと締めて見事なプレイを完遂した。

熱くなったフロアの高揚を保つようにSINOはやや粗さも打ち出しながら、テンションを下げる事なく飛ばしていく。ハウスのしなやかなグルーヴ、テクノの厳つさの中庸にあるような狭間を掻き分け、勢いは止まる事を全く知らない。杭を打ち込むようにがつがつとしたキックやパーカッションで攻め立て、そこにファンキーなボイス・サンプルも盛り込んだり、高揚感は増すばかり。そしてアシッド気味な覚醒感煽るテクノまで飛び出して、かつての抑制されたプレイのイメージを刷新する荒々しくハードなプレイもしっかりとはまっていた。そんな高揚感が続く中に、ふっと解放されるよう清々しく多幸感に満ちたテック・ハウスに振れる瞬間はドラマティックで、しっかりと展開を作って盛り上げる真夜中の時間帯に適したプレイだ。それだけではなく、生々しいビートとサンプリング重視の黒くファンキーな訝しいハウスもプレイするが、展開としては振れるよりはミニマルに収束するように持続感重視で、やはり以前からのイメージの塗り替える事を意識しているかのように感じられる。まだ試行錯誤な感じがしないわけでもないが、Oathに集まる雑然とした客層を盛り上げようとする気概が伝わるプレイだった。

朝の5時からはharaguchicが登場。それまでパーティーを盛り上げるべくしこたま飲んでふらふらだった彼も、ブースに入れば集中してミックスを行う。序盤はパーカッシヴなハウスから始まり、そこからスカスカとミニマル気味な"Cabaret Des Belles Lettres"のハウス -それでもファンキーではあるのだが- で結構硬めの選曲だ。そしてえぐめのシンセと硬質なビートが特徴の"Syntax Error"でじわじわ引き延ばし、Meljaによるヒプノティックなシンセがどこまでも反復する"Steady Mobbin'"のミニマルなハウスを繋げ、予想を裏切るようにダークなテクノ色強めの世界観で緊張感を絶やさない。中盤からは少し息抜きをするように隙間のあるエレクトロニックなハウスも投下し、そこに多幸感どころか享楽たっぷりのハウスで一気に快楽へと裏返るなど、大胆で大仰な展開を作って揺さぶっていく。そこから荒々しいビートが打ち付けるハウスで再度激しい展開へと戻ったり、煌めくハッピーなディスコを混ぜ込んでぐっと感情を熱くしたり、その夜の中で一番振れ幅が大きかったのでは。それからもディスコ基調なハウスでズンドコと揺らしつつファンキーなキレを見せ、最後は名曲"Kuar"にマーティンルーサーキングの説法を被せた販促すれすれの"MLK Dreams (Cratebug Edit)"をプレイ。1時間の短い時間で色々盛り込んだおかげで、濃密さが後に残るプレイだったと思う。

6時からは再度REMIが登場。一回目の我慢強く抑えたプレイとは対照的に、時間帯による制約から解放されたのか最初からアシッド・ベースが迫り上がるハウスで攻め、そこに"No Way Back"とクラシカルな、そしていかにもREMIらしいシカゴ攻め。そんな期待通りにアシッドな音に合わせて何て力強く、何て切ない"Can You Feel It (Chuck Roberts Mix)"で朝方の疲れきった身体を癒やしながら活を入れ、更に更に不気味なアシッドと気の抜けたボーカルにより中毒的な"Lack of Love"と、惜しげもなくシカゴ全開な朝の到来だ。間違いなく一回目よりものびのびと、そして感情豊かにプレイしているのが伝わってくる。アッパーというわけではないが熱量が高いソウルフルな選曲で、スカスカのシカゴ・ハウスなのに厳つく骨太にも聞こえてしまうのはREMIの個性の賜物だろう。そんな流れの中にしなやかで優美なディープ・ハウスの”Atmospheric Beats”を混ぜてきたのは、少々小っ恥ずかしい感じもあったかなと思うが、出し惜しみなくハウス全開のプレイで朝方にもかかわらず更に盛り上げてくるプレイは流石だった。そんなこんなで7時頃まで飲んで踊っていたが、パーティーは途中だったものの十分に楽しんだのでそこで当方は現場を離脱。久しぶりに参加したDAWDでは当然各々のDJプレイも良かったのだが、久しぶりに会えた面々も居て、何だか心温まる一夜だった。
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