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Hiroshi Watanabe - Multiverse EP (Transmat Records:MS96)
Hiroshi Watanabe - Multiverse EP

デトロイト・テクノを体現するDerrick Mayが主宰するTransmatは、恐らく情熱的なテクノを愛する者にとってはいつかは自分の作品がリリースされたらと夢を見るレーベルの一つだろう。DerrickのDJ業が多忙を極めるが故にレーベル運営自体が決して順風満帆とは言えないが、忘れた頃に時々復活を果たすこのレーベルは何時だって注目の的だ。そして、予てからDerrickがその人が手掛けた曲を積極的にプレイしつつ、同時にその人と共演を果たしていた日本人が居る。その人こそKaito名義でも活躍するワタナベヒロシで、長年の関係が実を結び遂に彼の曲がTransmatからリリースされたのだ。元々エモーショナルで激情型のテクノを産み出す事には長けているワタナベ氏ではあるから、Transmatからの作品だからと言って無理にレーベル性に合わせたような意識はなく、寧ろ自然とそれに調和しているのは最早運命的とさえ言ってよいだろう。タイトル曲の"The Multiverse"からして広大な宇宙の遠く何処までも飛翔するようなハイテックなテクノで、その突き抜ける疾走感とドラマティックでさえある高揚感は正にTransmat的であり、そしてワタナベヒロシ節でもある。"The Leonids"では彼らしい叙情的なストリングスの中から胸を締め付ける切ないピアノのコードが浮かび上がってくるが、これは如何にも彼らしいソウルフルで熱さを伴うテクノで、何となくDerrickと共振する精神性が伝わってくるだろう。裏面の"Soul Transitions"はやや闇に潜り込むようなディープな質感があるが、じわじわと侵食する如くシンセのフレーズが反復を繰り返し、DJ視点で言えばツール的な要素が強いだろう。そして最後はふっくらとしたキックが安定感のあるビートを刻みつつ、小刻みに揺れ動くシンセのメロディーが疾走感を産み出す"Aperture Synthesis"が収録されているが、途中から浮かび上がる幻想的なパッドが壮大な世界観を演出する。見事なまでのテクノ・ソウル、レーベル性と違和感の無い音は、流石Derrickが自ら聴き込んで厳選してリリースする方針を貫いている証拠であり、決して縁故だけではなく音楽性を認めた証でもある。尚、アートワークはデトロイト関連では第一に名が挙がるAbdul Qadim Haqqが担当しており、当然デトロイト・テクノ好きな人を刺激するのは間違いなく、ここはデータよりもアナログで買うべきなのは言うまでもない。



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