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2016/4/10 OPPA-LA 15th Special - man""man - & - Apache!- @ Oppa-la
湘南は江ノ島と浜辺を前にした素晴らしい光景を望めるOppa-laは、都内からは遠く遊びに行くのにハードルは高いものの、行けばきっと多くの人が満足出来るであろう素敵なクラブだ。そんな場所も遂に15周年だそうで、この度DJ Hikaruが主宰するApache!と併せて、DJ Hikaru × DJ Nobuによる二人会が日曜の夕方に開催された。真夜中のパーティー、都会的な雰囲気とは異なるクラブでのプレイはまた普段とは異なる魅力がきっと存在する筈だ。
オープニングを担当したのはDJ Hikaru。当日は残念ながら曇りの為にオレンジ色に染まった浜辺を眺める事は出来なかったが、本来であればそんな雰囲気にぴったりであったであろうJose Padillaの"Day One"でパーティーは始まる。哀愁という言葉が相応しいバレアリックな名曲は、しかし何故かハードで骨太に聞こえてるのはDJ Hikaruの個性が故か。兎に角開始から勢いを付けて、そこからトロピカルな南国風ハウスや爽やかなパーカッションが弾けるハウス、ゴリゴリと厳ついハウスにアラビア風で怪しくサイケなハウスと、パーティー序盤からDJ Hikaruの専売特許とも言える無国籍かつジャンルレスな混沌の渦に巻き込んでいく。全く落ちないテンションかつイケイケなノリは、怒涛の勢いとなってフロアを圧倒し、熱気溢れるファンキーなプレイが日曜夕方の憂鬱な気分を吹き飛ばす。Bob Sinclairによる"Love Is The Answer"のソウルフルな歌が爆発するディスコ・ハウスは、ピースフルな空気を作った序盤のハイライトか。しかしそんな流れにヒプノティックなミニマル・テクノを繋げる予測不可能なプレイで持続感を打ち出しつつ、そこからMix Mastersによる昔懐かしなシカゴ・ハウスの"In The Mix"で時代を遡る転調を大胆に行い、そこでDJ Nobuへと交代。

この頃にはもう十分に人も集まっていて、フロアは早くも熱気を帯びていた。しかしDJ Nobuはフロアの様子を伺うように注視しムードを掌握する如く、派手さは抑えながら少々ロウでミニマル気味なハウスをプレイする。じっくりと丁寧に、しかし厳つく骨太な音楽感は単にアッパーなテクノとは異なる渋いファンクネスが溢れている。そこに"Baby Wants to Ride (Bubba & T. Bone's Still Believing Re-Edit)"の舐めるように官能的なハウスを落とし込み、夕方の切なさを湿っぽく演出する展開もあり、そしてやはりロウハウス系の無駄や装飾を削りながら武骨さを打ち出した硬派な音が中心だ。色彩鮮やかなディスコ風な曲やファンキーでグルーヴ感重視のハウスもプレイするが、肩の力は程好く抜けて強迫的な雰囲気は全くなく、寧ろリラックスした感さえあるプレイはOppa-laという場所柄も影響しているのだろう。Trevinoによる軽くアシッド気味な"Backtracking"にしても悪っぽさよりは夕暮れの郷愁が滲み出ていて、程良く上がるプレイかつ開放的なムードの塩梅が夕暮れ時にはまっている。John Barera & Will Martinによる"Nomad"の故郷への想いが馳せるようなデトロイト的な曲もプレイした辺りからは、フロアが闇に染まっていくのに合わせて興奮に包まれたパーティー感が強まっていく。それでも混沌が渦巻くDJ Hikaruのプレイとは対照的に、ぶれずにどっしりとした重みで一本筋のある流れで、上手くフロアの雰囲気を作っていた。

そしてDJ Hikaruによる2回目のプレイの頃には、もう完全にフロアは闇が満ちて大勢が熱狂的に踊るパーティーへと変わっていた。鈍くベースがうねるロウなハウスでダークに攻めつつ、攻撃的で荒々しく熱量の高いハウスや、Jamie 3:26 & Cratebugによる"Throw"ネタの"Hit It n Quit It"でド派手さと黒さで染めるプレイだ。ディスコやハウスだかテクノだか分からないジャンルが融解し混沌とした展開で地面から競り上がりじわじわとくるグルーヴで、そこにエグいシンセのリフも入って覚醒的に激しく意識を揺さぶり、そしてSession Victimによるアフロな"Never Forget"の流れは見事にフロアが漆黒へと染まった瞬間だった。勝手な思い込みかもしれないが、DJ Hikaruのプレイは意識的と言うよりは野性度の高い本能的なプレイというか、行き先は全く読めずその時の気分の赴くままに突き進むようだ。そこからの熱量の高いアシッド・ハウスで不整合な流れも勢いで巻き込み、激しい濁流となってフロアを飲み込んでいく。煌めきを発するゴージャスなフィルター・ハウスやチョッパーベースがうねるファンキーなハウスなど、半ばタカが外れたような爆心する展開を作り、日曜の湿った夜はいつしか輝かしく高揚した時間へと変わっていた。大ネタも躊躇せずに投下し、"Friends (Detroit Swindle Friends On Acid Remix)"のアシッドかつファンキーな血が滾るハウスでは、興奮と快楽に満たされたパーティーは狂乱へと雪崩れ込む。かと思えば祝祭感のあるゴスペル・ハウスでふっと解放に向かう瞬間もあり、熱い熱量に満たされながらもピースフルなフロアが出来上がっていた。しかしまだまだパーティーは中盤を過ぎた辺りか、とても良い雰囲気で楽しかったものの、翌日を考慮して後ろ髪を引かれつつ20時前にはフロアから退去した。短い時間ではあったものの濃密なプレイのおかげで、いつもとは違う楽しい日曜夕方を過ごす事が出来た。

■DJ Nobu - Creep Into Shadows - The Midnight D Edits(過去レビュー)
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■Hikaru - Country of Origin Japan(過去レビュー)
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