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Enitokwa - 2069 (non-entertainment-research:nercd001)
Enitokwa - 2069

何とソロとしては15年ぶりのアルバムだとか、突然リリースされたTakashi HasegawaことEnitokwaのニューアルバム。近年は目立った活動は無かったので知らない人も多いかもしれないが、90年代にはSpace Lab YellowのレーベルであるEast Edge Recordsのアーティスト兼A&RとしてDJ K.U.D.O aka ARTMANとも活動し、日本のテクノの創生に貢献した一人でもある。近年の目立った活動と言えば2008年にJun Yamabeとの共作である『Bisai』(過去レビュー)のリリースで、そこでは霞の奥に消え入るような美しいテックハウスを披露していた。当方もその作品でEnitokwaの音楽に出会い魅了された者の一人だが、このソロ名義の新作こそEnitokwaの全容が顕になったと言っても過言ではない。所謂一般的なテクノのパーティーでプレイされる4つ打ちやダンストラックは皆無で、フィールド・レコーディングも用いてアンビエントやドローンといった要素もある音響で精神世界の旅へと誘い、現実を超越したかの如くここではない何処かの音を鳴らしている。不思議で奇妙な電子音と地上や大気の生命力が伝わるフィールド・レコーディングは一体となりスピリチュアルな雰囲気を醸し、決して表層的なビートはないものの肉体の鼓動と共振するように躍動し、体の隅々まで浄化作用のある音が染みわたる。ライナーノーツのEnitokwa自身による曲解説を呼んで貰えば分かる通り、それぞれの曲にはレコーディングの環境や製作時の様子が述べられているが、そこからも単にツールを目的とした製作ではなく精神状態が音楽性へと反映される事が主となり、感情表現が前面に打ち出されている事は伝わってくる。一体どう述べれば伝わり易いのか、ジャンルとして定義するのは最早困難なEnitokwaワールドは、その音に惑わされ迷った末に辿り着くユートピアか。Hiroshi WatanabeやYoshitake EXPE、SYNTH SISTERSにYuuji HiromotoとMental Youth、そんなゲストらもEnitokwaの音楽性に豊かな音色を付け加える事でよりスピリチュアルな趣きを加え、かつ生命の胎動さえも感じられる展開を見せる。その奇想天外で唯一無二なサウンドはユーモアに溢れているが、耳を澄ませばいつしか忘我へと至るだろう。



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