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Microworld - Orange Sun (Curle Recordings:CURLE 055)
Microworld - Orange Sun
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もはや新作は出ないのではないかと諦めかけた時、または多くの人がその存在を忘れた頃に再度現れる、それがPhilip McGarvaことMicroworldだ。スコットランド出身で現在はメルボルンで生活をしているこのアーティストは、Derrick Mayに実力を認められ1999年にTransmatからデビューを果たすも、その活動は当初から断続的で数年毎に新作をリリースするものだった。本作にしても6年ぶりとなる新作なのだから、恐らく彼の人生に於ける音楽への比重は高くはないのだろう。そうだとしてもアーティストとしての才能は疑うべくもなく、久しぶりの作品でも初期のDerrick MayやCarl Craigのデトロイト・テクノを受け継ぐMicroworldらしい音楽性は全く変わらない。複雑で繊細なリズムにやや内向的なメロディーが素朴に響く”Grey Melody”は、その無駄を削ぎ落とした構成によってより思慮深さが際立つリスニング寄りのテクノで、想像力を喚起させるようなディープな世界観だ。一方で"Orange Sun"は躍動感のあるハイハットやパーカッションが刺激を生むダンス・トラックだが、爽快でエモーショナルなメロディーが地平線の遠くまで伸びるような正にクラシカルなデトロイトの雰囲気があり、朝焼けが似合うようなアフターアワーズ向けの開放感がある。最も真夜中のパーティーに合うのは4つ打ちスタイルのテクノである"Step Sequence"で、空間を切り裂くような金属的なシンセのフレーズに意外性を感じつつも、温かみを含んだ叙情性もあるデトロイト・テクノを現代風に解釈したようなモードもある。久しぶりの新作も旧来のファンやデトロイト・テクノを愛する者にとって、きっと愛着が持てるクラシカルな風合いがあり、これだけの才能があればもっと作品のリリースをと望むのは当然だ。



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