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2016/5/15 Deck The House @ Oath
2015年にZaki、hbk、DJ FGRによって月曜夕方のパーティーとして始動したDeck The Houseは、現在は隔月で日曜夕方のサンデーアフタヌーン・パーティーとして定着している。テクノからハウスにニューディスコなど3人の好みが直に反映された内容と、また彼等の仲間が振る舞うフリーフードもあったりと、憂鬱な日曜の夕方を楽しんでもらうための姿勢が伝わってくるパーティーだ。また毎回既に実力が保証されたゲストも呼んでいるが、今回はデトロイト・ハウスやディスコなどの黒い音楽性で熱狂的なプレイをするYou Forgotが招かれている事もあり、初のDeck The Houseへと赴く事にした。
オープンはまだ少々明るい17時、時間ぴったりにフロアへと足を踏み入れるとZakiが日曜夕方のムードに合わせてゆったりのどかなブキーかつディスコな選曲で、微睡んだようにパーティーは始まる。爽やかな風も吹き込むフロアはリラックスした穏やかな空間で、生っぽいオーガニックな音質も相まって微熱のような温さが心地良い。オープニングの役目を全うするように闇雲に上げる事はなく、"Everyday (Joey Negro Club Mix)"の夕暮れが似合うノスタルジーを誘うディスコから軽快な4つ打ちと透明感のあるディープ・ハウスへと遷移し、日が暮れ徐々に闇が濃くなる流れに合わせてディープな空気や真夜中のパーティーの高揚感も纏い流れに乗ったな4つ打ちセットへと移り変わる。夕方のオレンジ色の切なさも広がりつつ体感的に揺れるグルーヴも強みを増し、ハウス〜ディスコの郷愁たっぷりな響きが湿っぽさを強めていく。特にLate Night Tuff Guyによる"Hold Tite"のメロウなディスコ・エディットから、野外の開放感が広がるバレアリックな"Day One (Telephones Remix)"への流れは、完璧に夕暮れ時のサウダージで気分は上がりつつもドラマティックな瞬間だった。そこから黒い芳香も発しながらジャジーな要素や上げめのディスコなどプレイし夜に向かって盛り上げつつ、Zakiの趣向が素直に反映された気持ちの良いプレイだった。

続くhbkは悪っぽい雰囲気を匂わすアシッド・テクノをプレイし夕闇に同化しながら、Boofの切れのあるジャジー・グルーヴな"Pete Found His Z"や気の抜けたレイヴ・クラシックの”Voodoo Ray”など奇抜なアシッド系の音を用い、懐かしさを漂わせながらも刺激的かつ高揚感のある展開だ。安っぽくラフなオールド・スクールなハウスも織り交ぜ何だか愉快なユーモアも感じられるが、気が抜けつつリズムはかっちりと刻んでグルーヴは止まらない。アシッドものを中心に上げ過ぎず、しかし弾けるに楽しさに満ちた雰囲気は、湿っぽい日曜夕方の気分を刺激し陽気なものへと塗り替えていく。耳に残るキャッチーなコーラスと荒くれるビートのディスコ・エディットな"Baby, Baby Baby, Aw Shucks"で高揚感はピークとへ上り詰め、ブレイク・ビーツな曲で揺らぐビートが体感的なノリを刺激し、既にフロアは活況の真っ只中だ。そんなフロアの手前、Oathの軒先ではDeck The Houseのサービスである手料理が調理されており、タマネギやサーモンの串焼きを頂けるのは夕飯の時間帯という事もあり、非常にありがたい。

お腹も十分に満たされた頃、遂にYou Forgotが登場。フロアの音量も大きくなったようにも思うが、それ以上に途端にベースとキックが太くなり野生度が高まった如く荒々しさが現れる。快楽的でトランシーなメロディーが軸となるテクノもプレイしたのは意外だが、そこから煌めきを帯びたファンキーなディスコ・ハウスへと戻りつつ、杭を打ち込むようなタフなロウ・ハウスのグルーヴで夜の狂騒モードへと突入。ハウスやディスコだけでなく硬質でミニマルなテクノもプレイするなど以前からの変化も感じられるが、引き締まった筋肉質なリズムや骨太な響きは一段上で、膨張する低音によって刺々しい骨格が浮かび上がるビートは攻撃的だ。それは不協和音にも近い暴力的でロウな音質だが、要所要所には感情の昂ぶりを誘発するインパクトあるネタも投下しつつ、けたたましいマシンビートが勢い良くフロアを撹拌する。金属が歪むような強烈な音響のテクノから突如投下されたのは"Life Goes On (Dance Ritual Mix)"、そのあっと言わせる予想外の転換はやや強引にも思われるが、全身を揺らしながら加えるイコライジングはソウルフルな曲の熱量をより増長させ、異なる音楽性のトラックを熱き感情で纏めてしまうプレイがYou Forgotの特徴だろう。一瞬のソウルフルな流れから再度ロウなハウスに戻り、そこからはファンクやジャズの要素を含んだ黒さが滲む展開へと突入し、何だか時代を感じさせるシンセ・ファンクや切れのあるエレクトロの"Tour De France"など、ジャンルは更に混沌とし猥雑さが増す事でフロアは熱狂に包まれる。勿論クラシカルなディスコ・トラックなどもプレイするが、それらの曲は半ばコントロールを失うぎりぎりの激しい勢いとなってフロアを飲み込み、完全にフロアは真夜中のそれと変わらない。硬い暗黒ミニマルから真逆の熱量高いライブ感溢れるディスコへの繋ぎなど、強引さもある展開は理性よりは衝動を頼りにあるがままのプレイと言うべきか、You Forgotのソウルフルかつパワフルな音楽性が存分に発揮されていた。パーティーの最後はDJ FGRが務める予定だったが、You Forgotのプレイが終了した時点でもう22時。最後まで楽しみたかったものの翌日を考慮しそこで現場を後にしたが、早い時間帯のメロウに満たされる流れから後半の激しいダンスの展開まで、十分に踊る事が出来て申し分のないサンデーアフタヌーンになった。
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