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Suso Saiz - Odisea (Music From Memory:MFM009)
Suso Saiz - Odisea
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Gigi Masinら歴史に埋もれてしまったアーティストの発掘に勤しむMusic From Memoryは、今や新作のリリース毎にヒットを約束された重要なレーベルの一つになっている。ダンス・ミュージックからは距離を置いた環境音楽やニューエイジにジャズなど、そして単なるベスト盤としてではなく未発表音源も掘り起こしながら、そのアーティストの紹介に寄与するような運営は敬服すべきものだ。そんなレーベルが自信を持って送り出す新作は、スペインのギタリストであり電子音楽家であるSuso Saizのコンピレーションだ。1984年から現在に至るまでに大量のアルバムを制作しており、決して隠れた存在とは言えないかもしれないが、しかしMusic From Memoryの後押しは間違いなくこの機会に多くの人にSaizの魅力を伝えるだろう。収録された曲は1984年作のアルバムから2006年に制作された未発表曲まで及び、ほぼ全ての時代を網羅するようにバランス良く選曲なされている。アルバムの冒頭を飾る”Un Hombre Oscuro”は彼のアンビエント・サイドが打ち出された曲で、ぼんやりと幻想的に浮かぶシンセと空の彼方に消え入るようなポエムを配し、その静謐な響きには心が洗われる。続く"Ya Son Dos Los Cielos"はギタリストとしての手腕が発揮され、ディレイを効かせたギターを被せて夢の如く儚い音色で耳を惹き付けるインストメンタルで、シンプルな構成が故にギターの叙情が強く迫る。フェンダーローズやギターにパーカッションなどを用いた色彩感の強い"Prefiero El Naranja"にしても、一音一音が浮かび上がるように研ぎ澄まされ、耽美な響きは重力の支配から解き放たれように広がるサウンド・スケープを描き出す。かと思えば"Una Gota De Asfalto"は空間を切り裂くギターとコズミックなシンセが導くシンセ・ポップだったり、"The Ten Heads Of Someone"では重厚感あるピアノのか弱い残響が広大な空間創出を行う現代音楽的な作風が聴けたりと、アナログ楽器と電子楽器を巧みに操り実に心地良いゆったりとしたムードを作り上げている。どんなスタイルであろうと嫌味の無い清楚な響きで体の隅々まで洗うような音楽性は正にニューエイジか、そしてMusic From Memoryというレーベル性の確立にも役立ってしまっている事に驚くばかり。美しくもメランコリーな素晴らしいインストメンタルだ。



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| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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