<< Suso Saiz - Odisea (Music From Memory:MFM009) | main | 2016/7/22 FRUE -To the Moon and Beyond- @ Unit >>
Wilson Tanner - 69 (Growing Bin Records:GBR005)
Wilson Tanner - 69

メルボルンの新世代、Andras FoxやA.r.t. Wilson名義でも活動するAndrew Wilsonは、ロウ・ハウスにアンビエントやニューエイジと作品毎に姿を変えつつも、そのどれもに淡い色彩感覚と素朴な響きを含みエレクトロニック・ミュージックの更なる開拓を進めている。そんな彼と同郷のJohn TannerもEleventeen EstonというユニットでAORを鳴らすアーティストで、今回はそんな新世代二人が手を組んでGrowing Bin Recordsからミニアルバムをリリースした。Growing Binからは過去にA.r.t. Wilsonとして「Overworld」というミニアルバムをリリースしている事もあって、レーベルとの良さは相性は既に確立されており、新作では更にバレアリック/アンビエントの奥へと進んだ自然派志向に寄り添った音楽性を開花させている。何でも二人はインド洋を臨むスワン川でキャンプを設営し、暖かい太陽の光や海の空気、そして青い空を体験した事に影響を受けて本作を制作したそうだが、正にそんな穏やかな自然の雰囲気が音楽へと反映されている。透明度が高く暖かいパッドの浮かび上がりから始まる"Sun Room"は、直ぐに弛緩したクラリネットのメロディーも加わり、ビートレスな展開のまま綺麗な湧清水がこんこんと溢れるように純朴な雰囲気に満たされ、アルバムの冒頭から涅槃へと辿り着いたかのようだ。続く"Long Water"も同様にオーガニックな響きがあり、シンセと哀愁も含んだ静かなピアノに爪弾きのようなアコギが叙情を誘発し、静けさに満たされた夜の浜辺を喚起させる。"Before Lotus"はTannerによる作品だが、ここでは快適なシンセのリフレインを軸に残響を効かせたギターが開放感を生み、何だかアンビエント・ハウスな趣きがある。逆にWilson作である"Pilot"は生音志向が強く広がりのあるギターを効果的に使い、そこに神秘的な電子音をさらっと持ち込んで、ややスピリチュアル性の強いニューエイジ色が強めに出ている。アルバムの中で一番長尺な"Further Than Your Headlights"は、咆哮のような咽び泣きギターやドローンのような電子音が何だか昔のジャーマン・プログレらしきサイケデリアを思わせ、座禅を組み音と向い合って瞑想すべきような重々しい世界観さえある。それでも落ち着きのある作りは聴く者の疲れを取り除き、忙しない毎日の中で一時の癒やしとなる時間を作り、元からそこにあったかのようなBGMとしての存在感が心地良い。ひたすら脱力系のナチュラル・アンビエント。



Check Andras Fox & Eleventeen Eston
| ETC4 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
スポンサーサイト
| - | 20:00 | - | - | |

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://matyu.jugem.jp/trackback/3942
トラックバック