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2016/8/6 Hiroshi Watanabe Transmat “Multiverse” Release Tour Final @ Sankeys TYO
日本人としては初となるTransmatからの作品をリリースしたHiroshi Watanabeが、そのリリースツアーとして半年間に渡り日本各地のパーティーでプレイしてきたが、その集大成としてSankyesでツアーファイナルが開催される。そこにゲストとして呼ばれるのはTransmat繋がりとしてDerrick Mayのおかげでシーンへと復活を果たしたKarim Sahraouiで、彼の曲はテクノのみならずハウスのパーティーでもプレイされるなどエモーショナルな作風はWatanabeとも通じるものがあり、今回の初来日は期待していた者も多いだろう。勿論それだけではなく、ここに至るまでに積み重ねてきたWatanabeのライブも期待せずにはいられず、今夜その集大成を披露する事になるだろう。
当日は丁度日が変わる前に現地入りし、24時からのKarim Sahraouiの1stセットを聴く事に。一旦前のDJがプレイしていた曲を落とし、そしてビートレスなアンビエントで再度世界観を創り上げていく。ふんわりとしたオーロラのようにシンセが舞う曲はドラマチックで、これから繰り広げられるであろう壮大な旅を示唆するイメージがあり、そこから明るいムードのテックハウスで徐々に加速する。しかし開始から10分で早くも名曲の"Nightflow"をスピンするというもったいない使い方に困惑しつつも、おそらくフロアを盛り上げようとする意思であったのだろうか、そこから勢いに上手く乗って行ったように思う。硬めのテクノやダビーな曲、そしてデトロイトやTransmat色の強い叙情的なテクノを立て続けにミックスし、フロアは次第にリズム良く揺れだし始める。アーティストが作るトラックとDJプレイに比較的乖離はないため、すんなりとKarimの世界観にはまる事が出来たのだが、それでもエモーショナルな雰囲気と跳ねたグルーヴ感はなかなかのもので、意外にもDJも悪くない。ボトムの太い"Lovelee Dae (Bicep Remix)"から自身の新曲であるデトロイト節全開の"Father's Legacy"の繋ぎはに熱くなるし、勢いに任せた疾走するファンキーな曲から心に染みる情緒的なテクノまで、決してプレイにヒネリ等の特徴があるわけではないが展開を壊さずに堅実にグルーヴを保っている。非常に分かりやすいとも言えるし、新旧のデトロイト・テクノを惜しげもなく使用するプレイはルーツへの実直さを感じさせる。"Throw"なんかの大ネタもさくっと盛り込んだかと思えば、そこに切れ味鋭いテクノを繋げて再加速し、終始グルーヴは止まらせない。何か個性的なひねりのあるプレイではないものの直球テクノなプレイは、久しぶりに聞くと新鮮で胸を高鳴らせずにはいられないだろう。そんな勢いの中で豊かな色彩が弾けるVince Watsonの"20 Years in the Land of Love"は、暗い天井が割れてその裂け目から神々しい光が降り注ぐような美しい風景が浮かび上がり、そこに繋げた"K.G.O (Jazztronik Mix)"ではもう完全にデトロイト・テクノの情熱的な感情がフロアに溢れ出していた。そこからラストに向かっては怒濤の勢いで突き抜け、次のHiroshi Watanabeのライブに向けてフロアの盛り上がりをピークへと持っていくようにも感じられ、しっかりとパーティーの雰囲気を作る事も忘れない。ラスト間際にはTransmatを代表する曲の一つ、"Groove La' Chord"もプレイするなどある意味では今回のリリースパーティーに対してのサービス精神もあり、正にTransmatという世界観を含んだ音楽性が繰り広げられていた。

そして、ツアーファイナルとして完成形を披露するであろうHiroshi Watanabeのライブが開始する。PCとキーボードにRoland TR-8など最近のハードウェアを組み合わせはいつも通りだが、何だか開始からトラブっているのかぎこちない。後で聞いた話ではTR-8の調子が悪く2回交換を行ったそうで、借り物のTR-8の為自分用のセッティングが出来ておらず、序盤はその調整に手間取ったそうだ。そのような状況下でもTR-8のハイハットは豪雨のように激しく降り注ぎ、開始はリズムのみで荒波に飲まれるような激情的な展開だ。そしてアルバムの中で最もセンチメンタルな"Time Flies Like an Arrow"はリズム入りのバージョンとなり、荒々しいハイハットの嵐の中から哀愁に満ちたメロディーが現れ、激情を誘発する様はまるで感情の雄叫びのようだ。しかし、普段なら難なく繋がれる曲もぎこちなさを残す繋に、何か機材の調子の悪さを引きずっているようにも感じられたが、開始から30分位でそれも解消されライブは波に乗り出す。"Soul Transitions"では荒波に揉まれるように激しいビートが刻まれるが、じんわりと染みるシンセが徐々に叙情的な世界を構築し、中盤では勢いのある幻想的なテック・ハウスの"The Multiverse"で曲で盛り上がる。ライブバージョンはビートの抜き差しが多く、大量に降り注ぐハイハットの連打が刺激的で、特にブレイク明けの盛り上がりは目立っていた。そこから深い宇宙の中に潜っていく"Inner Planets"は、複雑なパーカッションが乱れ打ち、心の中に潜む内なる宇宙へとダイブするようなディープな雰囲気だ。そして透明感のあるシンセのリフが心地好い"Aperture Synthesis"のテック・ハウスで再加速し、アルバムとは異なる豪雨のようなパーカッションが降り注いで荒々しさを身に纏っている。終盤ではふっと緊張から解放される"Heliosphere"もプレイされ、闇のフロアに光が差し込むような至福をもたらすテクノがぐっと温かみを増す。躍動的なシンセは福音の音色を鳴らし、そして最後は待ち侘びていた"The Leonids"だ。ライブバージョンは長い長いイントロでエネルギーを溜めて、美しいピアノの旋律が感情を刺激し、そして突如として爆発する感動を極めたエモーショナルな展開だ。荘厳なストリングスのうねりや情緒的なピアノの響きは宇宙の終わりと始まりを演出するようなスーパーノヴァとなり、10分以上に渡り引いては寄せる波のように感動が押し寄せ、そして心を突き動かす。フロアは一体となりうねりを生み出し、感動は最高潮へと達した瞬間だった。

ライブの後はKarim Sahraouiの2ndセットで、意識的にファンキーな要素を強く出しているのか、大きな展開を作るよりは真っ直ぐに攻めるテクノで駆け抜ける。ややミニマルでヒプノティックな感もあり、深みにはめるプレイだ。小休憩も兼ねてラウンジに移動し、Yonenagaのプレイを聴きに行くと激しくはないがリズミカルに動きのあるテクノに、微かに情緒を感じさせる音も混ぜてラウンジのムードを壊さずに場を作る。デトロイト好きを公言するだけありダビーな曲でもシンセの響きからは情感が滲み出ており、プレイ自体は淡々としながらも熱くなり過ぎず冷え過ぎず、スムースな流れで幽玄なテクノをプレイする。彼のプロジェクトであるR406の新作もプレイしていたが、揺れるグルーヴと近未来を喚起させるコズミックな響きがあるテクノは、トラックメーカーとしても成長も予感させるものだった。

その後はメインフロアに戻るとKarimが日本のブロークン・ビーツの名曲"Samurai"をプレイしており、こういう曲も回すのは意外だなと思いつつ、エモーショナルな点ではデトロイトとも共通するからこその選曲ではと納得する。そこにからの"Shades of Jae"を半ば強引な繋いだのにはびっくりしたけれど、これもデトロイト繋がりと考えると不思議ではないのだろう。最後はKarimとWatanabeによるB2Bが始まりまだまだパーティーは熱狂の中にあったが、当方は予定がありB2Bが始まった辺りでパーティーから離脱した。当初はTransmatのパーティーではあったもののKarimで集客は大丈夫かとかDJはどうなんだろうかとか不安は色々あったものの、結果的には多くの人が集まり予想以上にパーティーは盛り上がり、Watanabeのライブ中には皆の心が一つになるような瞬間さえもあった。ここでリリースツアーは一先ず終了となったが、最終回に相応しい一夜になったのは言うまでもない。

■Hiroshi Watanabe - Multiverse(過去レビュー)
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