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MASANORI NOZAWA
MASANORI NOZAWAの初のアルバムは美しく情熱的なテクノ/ハウス、バレアリックなムードも。リミキサーにはXtalやInner ScienceにHiroshi Watanabeなど。2枚組で充実した力作です。12/27リリース!
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2016/8/29 Party Paradise Gallery × Night Museum ”Joy” @ Contact
Party Paradise GalleryがプロデュースするJoy、平日は月曜のオールナイトのパーティーながらもKo UmeharaがDJを務め、そしてTransmatからの作品で更に注目を集めているHiroshi Watanabe、Mule Musiq等で活躍するKuniyuki Takahashiの二人がライブを行う…だけではなくその両人のセッションライブも予定されるなど、平日にはもったいなさ過ぎるパーティー。台風も来襲しておりタイミングは難しかったものの、特別な夜になる事を期待してパーティーへと足を運んできた。
平日と言う事もありメインフロアではなくバーフロアのContactでの開催だが、そこには植物などを用いたオーガニックなデコレーションがなされており、週の始まりである月曜から十分にパーティーの雰囲気は作られている。先ずはHiroshi Watanabeのライブだが、いつも通りTR-8やTB-3などのAIRAシリーズ数種類にPCを用いたハードウェア中心のセットは見た目から壮観だ。ハイハットとキックのゆったりとしたグルーヴから開始するが、何やらまたPCの調子が悪いのか軸となる上物が入ったり消えたり調子が悪く、すっきりしない序盤。途端にメロディアスな上物が全開になってからはようやく落ち着き、煌きを放つ美しいシンセが伸びていく。一方で激しく豪雨のように叩き付けるハイハット、地響きのような重低音のキックはしかしゆったりとしながらも大きく揺さぶり、そこに快楽的でさえもある流麗なシンセが多い尽くす事で壮大な世界が生まれる。また笛の音色らしき柔らかいメロディーや控え目なアシッド音も色味を加えるが、続くは完全にアシッドが牙を剥く凶悪なテクノだ。ウニョウニョとうねるアシッドベースと合わせて流れるようにスムースな4つ打ちとヒプノティックな上物が真夜中の享楽的な酩酊感を誘い、どんどんと飛翔するように劇的に盛り上がっていく。そしてそんなアシッドテクノの先にはいつしか圧倒的な激情に飲み込まれる正しくワタナベらしい叙情的な世界を展開し、その振り幅の大きさがワタナベのスケール感の大きさを生み出すのだ。そして飛び出すジャジーなピアノの旋律と壮大に広がるストリングス、跳ねるように勢いのあるビートにややアシッド気味のベースが合わさった新作は、自由に駆け巡る旋律とスケールの大きさが今までの作品の中でも群を抜いており、まだまだ進化を予見させていた。最後はリズムが跳ねハイハットが降り注ぐ激しさの中に、可愛らしい電子音がオルゴールの如き控えめに彩るテクノで、フロアを豊かな光で照らし出すようなポジティブな雰囲気がある。新曲ばかりではあるがどれもスケール感の大きさやメロディーの美しさ、叙情的でドラマチックな世界観はやはりワタナベヒロシなる物で、その壮大さに魅了された。



続くKuniyuki TakahashiもTB-3やキーボードにPCを組み合わせたいつものセットだ。蒸気が吹き出すようなノイジーな効果音から始まり、徐々に入ってくる荒々しいシンセが刺激的だ。金属的で硬いリズムが継続しソナー音のように反復する覚醒的な上物は、硬質なテクノともディープ・ハウスともとれる中庸なサウンドだが、クニユキらしいトライバルなパーカッションも入ってくる点も彼の音の決め手だろう。ワタナベとは対照的に音を削ぎ落とし隙間を浮かび上がらせながら、少ない音だからこそロウな音の質感もより強調される。そしてアシッドながらもミニマルな持続感のある曲、そしてシカゴ・ハウスらしい安っぽさが売りのアシッド・ハウスまで展開し、簡素な上モノのフレーズと荒削りなリズムが生々しく迫る。しかしグルーヴ自体は上手くコントロールされ展開を決して壊す事はなく、ぐいぐいと肉体を引き寄せながらドープな泥沼へと嵌めていくライブは、普段からライブでの鍛錬を積んでいるからこその熟練の業だ。アシッドを這い出た先にはヨーロッパ的な美しいテック感のある恍惚感の強いシンセが唸るディープ・ハウスも登場し、ドラッギーかつ官能的な夜のざわめきへと誘い、クニユキの幅広い音楽性を風景が変わる如くを見せる。かと思えばミニマルなトラックにキーボードの手弾きでギターやピアノのソロを被せて、インプロ的な展開も演出するなど、プレイヤーとしての主張も忘れない。そこから抽象的で発信音のようなシンセによる混沌とした展開によるブレイクを挟み、その先にはクニユキの名曲であるダウンテンポの"All The Things"だ。神聖で荘厳な響き、おおらかな包容力、慈愛に満ちたディープかつアンビエントな曲。闇の中に天から降り注ぐしんみりとしたピアノの旋律は余りにもメランコリーで、夜の狂騒を瞬間的に忘れさせる程に美しい。



そこから一転してKo Umeharaは再度真夜中のクラブらしい雰囲気へと戻すべく、快楽的なフレーズを用いて闇底へとダイブするディープ・ミニマルで、身も心も激しく刺激する。ライブから一気にDJのノリへと引き戻しつつ、トランシーでサイケデリックな響きの快楽的なプレイで興奮を誘い、ぐいぐいと引っ張って行くプレイはライブとは異なる魅力に溢れている。次第にゴリゴリとしたハードで厳つい質感も現れ、平日の夜中だというのに自然と肉体も躍動するグルーヴに飲まれてフロアは完全にパーティーの興奮の中だ。金属がひしゃげるようなかなりエグい音のテクノや、更にはインダストリアル調の音数の多いテクノまで用いて疾走の中へと突入し、ミニマルな性質もあって全くテンションは途切れない。肉体に作用する激しいグルーヴ、神経を刺激する麻薬的な響きが両立し、快楽へと溺れて無意識にステップを踏んでしまう。そして表面的な荒々しさは保ちつつ徐々にスピード感を抑えて流れをコントロールしながら、終盤はデトロイト風なエモーショナルなシンセが躍動するテクノも飛び出し、上手く流れを抑制して次のセッションへと橋渡しをする。



そして待ちに待ったクニユキ×ワタナベのセッションライブだ。開始はTRのハイハット等の打ち込みのビートに合わせて互いに鍵盤を弾きながら、感情性豊かに彼等らしい情熱的に温まる曲で、両者がソロ演奏で掛け合いを行い実に人間味溢れる展開だ。しかし、ワタナベがTB-3を操作し膨らみのあるアシッドベースが浮かび上がってくると、鈍いうなりとなって精神を中毒的に侵食し、そこにドラッギーなキーボードも被せて悪い雰囲気満載のアシッド・ハウスへ突入する。半端ではない覚醒感、狂うほどの麻薬的な響き、リズムの抜き差しも行いワイルドピッチ・スタイルでじわじわと攻め、そして長いブレイクも挟み極悪な雰囲気に染め上げる。しかし機械的で無機質なアシッド・ハウスが、何故にこうも感情を刺激するのか、何故にこうも胸を熱くするのか。ビキビキとした快楽的なアシッドベースでじわじわと引っ張りつつトランス作用の強いシンセが自由に舞い踊り、クニユキが民族的なパーカッションを鳴らせばそこにワタナベが鋭利なハイハットの抜き差しを行い、これぞライブ感溢れる生々しいグルーヴが押し寄せる。抜け出せないアシッド地獄、ハイハットやハンドクラップの執拗な打撃に、インプロビゼーションとして両者が自由にキーボードをプレイする事でそこに熱き感情を含ませるのだ。執拗なまでのアシッド・ハウスにより何時の間にか恍惚に溺れ、フロアはまるで暴風雨が襲来したかのような狂騒に包まれる。終盤ではアシッドの雨の中を這い出て、互いのソロプレイでエモーショナルな掛け合いを披露し、心温まるワタナベらしさが出たテック・ハウスな流れを演出。最後はクニユキらしい静謐でスピリチュアルな流れで静かに音は消えていき、何だか嵐が過ぎ去った後のような静けさのみが残った。獰猛な激しさだけではなく情熱的なメロディーによる心の昂りを生む展開もあり、両者の個性が正しく相乗効果として働く事でセッションが映える醍醐味な時間帯もあり、1時間はあっという間に過ぎていた。まさかの予想外なアシッド・ハウス攻めのセッションだったものの、平日のオールナイトだけではもったいない衝撃的なライブは、週末のパーティーやフェスでもまた披露して欲しい。





パーティーの最後は再度Ko UmeharaのDJ。セッション最後のスピリチュアルな流れを引き継ぐように、いきなり"Kaotic Harmony"でメランコリーに魂の揺さぶりを触発する。前の余韻を残すように幻想的な始まりで、そこからはディスコディックで弾けた曲や幽玄なテック・ハウスでやや朝の湿っぽいモードも入り交じるが、まだまだパーティーは終わらないとばかりに加速をつけて、アシッドベースが這いずり回るテクノや骨太なキックを刻むハードなテクノで眠気を吹き飛ばすように激励する。前のDJとは対照的に勢い重視であるよりは音の変化が大きく、変化の乏しいミニマルとは異なる大胆なグルーヴのあるテクノ中心で、強いアタック感がすんなりと身体に作用する。パルスのような上モノが覚醒的なアシッド・テクノも通過し、ややロウな質感が出たテクノやオールド・スクールな"Deep Inside (Twenty Years Rulin Edit)"などビートに荒さを際立たせ、終盤は勢いを落ち着かせつつリズムの変化で展開を作りながら朝方の明るいムードの中へ突入し、最後はしんみりとした余韻を残して終了。アンコールではフロアを照らし出すように光が差し込む爽快なハウス、Tommy Vicari Jnrの"Threshold Of Eternity"ですっきりとした目覚めを導き、パーティーは台風の中で無事終了した。平日なので決して多くの人が遊びに来れた訳ではないが、だからこそ熱心なパーティーピープルがDJやライブにのめり込むように集中し、そして朝まで踊り倒すパーティーの心地良さは週末のそれ以上だっただろう。

■Hiroshi Watanabe - Multiverse(過去レビュー)
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■Kuniyuki Takahashi - All These Things(過去レビュー)
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