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2016/9/4 World Famous presents Label Release Party @ Vent
Origami、Arcと残念ながら短命に終わった場所に8月末、Wall&Wallという箱の名で夜のパーティーの際はVentという名になるクラブが新たに生まれた。過去のクラブの際には良い点も悪い点もありつつ長続きしない不安定な場所だが、果たして生まれ変わったクラブは一体どうなっているのか。今回はAlex From Tokyoが主宰するWorld Famousのレーベル・パーティーと言う事もあり、レーベルから作品をリリースしているTokyo Black Starとマルチ・ミュージシャンであるBing Ji Lingがライブを披露する予定であり、そしてDJにはTRとDJ Nori、そしてAlex From Tokyoも参戦とレーベルの新作リリースを祝うには最適な面子が集結した。
現地へと着くとArcの時の入り口は閉まっており、そのまま奥へと進んだ所にOrigamiの時と同じ場所に下に降りる階段があって、そこがエントランスへと変更になっていた。早速中へと入ってみるとバーとメインフロアは壁で仕切られており、完全分離となるスタイルへと変更になっている。白を貴重とした壁は防音素材で統一されており、またフロアの前面には平面駆動ユニットのスピーカーが2基設置されブースも低い普通の位置に備えられ、何だか以前よりもすっきりと洗練された印象だ。VIPエリアを廃しフロアの構造をシンプルにした事、またバーとフロアを分けた事で、以前よりも雰囲気は格段に良くなっていて音に専念して踊りやすい環境だろう。

パーティーの早い時間帯、TRがドコドコと図太いボトムのニューヨーク系ハウスをプレイし、リズム感良く爽快なグルーヴを紡ぐ。生暖かい有機的な響きと適度な湿度感を持ち、爽やかなアフロ・パーカッションも鳴らしながら、まだパーティーは始まったばかりながらもフロアを包み込むようなおおらかなハウスで丁寧に感情を昂ぶらせる。そんなハウスの中に突如落とし込まれたのは"Love Talkin'"ネタのThe Beat Brokerによる"Honey It's You"で、夏の終わりを告げるような清々しくも切なさを残すリバーブの効いたダビーディスコが甘くて夢心地だ。ほんの束の間の夏をしみじみと体感しつつ、そこからまたエレクトロニックで官能的なディープ・ハウスへと戻り、ゆったりと闇の中を潜っていく。滑らかに艶やかに、刺激を与えるのではなくすっと肌に馴染む心地良いハウスグルーヴで、雰囲気を荒らげる事なくパーティーの熱を高めるプレイだ。夏の終わりを匂わせる感傷的なムードは、日曜夕方のそれとこれ以上なく共振し、幻想的なパッドがフロアを美しく染める事で湿っぽい感情に包まれる。それと共にやはりオーガニックな響きの押しが強く、Osunladeの"What Pho"では朗らかな笛の音や鳥の囀りも相まって実にソウルフルに心に染みるのだ。

タイムテーブル通りならばこの後はBing Ji Lingのライブの予定だったが、急遽出演順に変更があったのか早くもAlex From TokyoがDJとしてブースに入る。AlexはいきなりPayfoneによるブギーディスコな"Paradise"をプレイし、がらっとフロアの雰囲気を入れ替える。和やかなディスコ中心でポップに弾けて、彼のアーティスト性を反映するように派手に鮮やかに、ポジティブな音楽性はいつも通り。音と合っているのかずれているのかも謎な勢いで体を揺さぶりつつレコードをプレイする姿は、眺めているだけでも何となく明るい音楽性が伝わってくるものだ。そしてディスコ中心の選曲の中に、愉快なレゲエ調の曲や古い80年代フレイバーたっぷりのファンク等も回し、湿っぽくなりがちな日曜夕方のフロアを明るい光で照らし出すようなプレイだった。

フロアも十分に温まってからBing Ji Lingが登場。ギターやマイク、そして足元には多数のエフェクトを備えたライブだが、たった一人でどんな演奏が出来るのか気にはなっていた。しかし、足元の機材を用いる事で生演奏をその場で録音しながらループを構成し、まるでセッションをしているかのようなライブを披露し、物足りなさは全く感じさせない。アコギ一本のプレイながらも流暢に足で機材を操作し、ループによって徐々に構築していくライブはさながらミニマル的でもあり、表面的にはダンスミュージックとは異なるもののゆったりと体を揺らすグルーヴとメランコリーな旋律によって、自然と耳を惹き付けられる。AORと呼ぶのか適切だろうか、ダンスらしい強烈なキックは無くとも体感出来るリズムの妙、そして数少ない音数だからこそ染みるアコギと詫び錆びな歌がより強調され、静けさが満ちたクラブのフロアに人情味溢れる演奏が明瞭に浮かび上がる。乾いた質感ながらも艶めかしく情感豊かな響き、シンプルが故の一つ一つの音が明瞭に浮かび上がり、音に対峙するように丹念に集中させられるライブだ。終盤にはWorld Famousからリリースされた"Not My Day"や"Lonely People"もプレイしてたが、官能を抑制しダビーな残響を活かしたフォーキーな後者は、オリジナルとは異なる渋い味付けがぐっとリスナーの耳を惹き付けていた。





ライブで盛り上がった後はDJ Noriが登場するが、透明感溢れるシンセが躍動しエキゾチックな感覚もあるビートレスなアンビエント風な曲で開始。ライブの雰囲気からがらっと雰囲気を一変させつつDJの流れへと引き戻し、そこからねっとりとした重心の低いギトギトしたディスコを投下し、のっそりとした遅いビートながらも熟練の極みとでも呼ぶべきか、Wally Badarouの"Chief Inspector"のキャッチーかつリズミカルなエレクトロ・ディスコでうきうきと心が湧き立つ選曲だ。そしてバレアリックな艶っぽさを含むAme Strongの"Tout Est Bleu"など、日曜夕方の湿っぽさを吹き飛ばすキラキラとした世界観は何だか都会的で、パーティーをますます盛り上げる。一曲一曲を丁寧に聞かせる落ち着いた繋ぎ、決して派手なブレイクやミックスをこれ見よがしに披露する事はなく、普遍的とも思えるミックスで曲そのものの良さを活かすプレイだ。そして響いてくるレゲエ調の曲はTokyo Black Starの"Mitokomon"、力強いアフタービートに体が自然と反応する。中盤からはハウス・ビートが軸となり"Most Beautiful"のようなアフロでソウルフルなハウス、オーガニックな熱が伝播するハウスなど、じっくりと熱を帯びながら感情を刺激する選曲であっと言う間の1時間が過ぎる。

最後は高木権一、熊野功雄、そしてAlex From Tokyoの3人体制となったTokyo Black Starのライブ。PCや自作のシンセらしき機材が数個並んでいるが、大きなライブセットではなく各々が一つの機材と向き合い、没頭にするように機材を弄っている。ライブは『Fantasy Live 1999』と同じ開始で、エレクトロニックで荘厳な響きのメロディーが闇夜に切り裂くように入り、徐々に粘性の高いビートが底を支えるように刻む。一旦、闇が開け解放感のある明るくオプティミスティックなディープ・ハウスへと移るが、再度闇へ潜るようにダークなハウスへと回帰。モジュラーシンセのぎらついた音色が刺激的で、更にはパーカッションや多数のSEなどが入り乱れ、情報量の多い過密な構成で圧倒するようだ。途中では熊野がボーコーダーらしきものを使い強烈なSEを挿入し、実にヒプノティックかつドープに展開するテクノ/ハウスのライブだ。アッパーに上げるのではなく深い闇にはめる恍惚感の高いライブは、決して突き抜けるスピード感のある瞬間はないもののドラッギーなシンセが体に絡み付くように響き渡り、じわじわとドラマチックに展開する。雷鳴が轟くような残響が響くダビーな時間帯もあれば、アシッド・ベースが快楽を刺激する瞬間もあり、そしてピコピコな電子音によるエレクトロ・ビートも現れ、スピード感に頼る事なくあの手この手で移ろいゆくシーンを演出する。最後はレゲエ調の"Mitokomon"、アジアン・テイストと南国の邂逅と言うべきか、そして底の方ではアシッド・ベースが跳び跳ねるエキゾチックな曲で、新作をそのままなぞった展開は正にレーベル・ショーケースに相応しいライブだった。





Tokyo Black Starのライブでパーティーは目出度く終了かと思いきや、またもやAlex From TokyoのDJが始まったが、この時点で日曜の22時過ぎであったため敢え無くパーティー会場から離脱。Ventという新しいクラブの視察も兼ねてWorld Famousに参加したが、結果的にはクラブの雰囲気もパーティー自体も期待していた以上のもので、充実したサンデーアフタヌーンを過ごす事が出来た。

■Tokyo Black Star - Fantasy Live 1999(過去レビュー)
Tokyo Black Star - Fantasy Live 1999
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