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Cassy - Donna (Aus Music:AUSCD007)
Cassy - Donna
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伴侶や友人との分かれや、音楽制作に対する苦痛などの逆境の中から生まれたアルバムだと本人は言う。その人こそ現在はロサンゼルスに拠点を置くCassyで、周知の通り過去にはPanorama BarやRexでもレジデントを持っていた生粋の女性DJ/アーティストだ。公式リリースでは Panorama BarやFabricに関連する4枚ものMIXCDをリリースしており、DJとしての素質に疑いようはないわけだが、実はアーティストとしても長いキャリアを持っている。だからこそアルバムがリリースされてようやくかという思いである訳だが、全面的に共同制作に加わったKing Brittの影響もあってか、アルバムは思っていた以上に決して明るくはないもののソウルフルな内容にはなっている。ややダブ・ステップやR&Bを思わせる崩れたビートとしっとり艶のある歌もの"This Is How We Know"でアルバムは幕を開け、続く"Feel"では滑らかで繊細な4つ打ちに合わせて包容力のあるボーカルも導入され穏やかなディープ・ハウスを聞かせる。かと思えば次の"Back"では乾いてチープなリズムに夜中の官能を演出するピアノを交えたハウスを披露し、ぐっと妖艶さを増していく。かと思えば音を間引きロウな質感を打ち出した"All I Do"ではコズミックな電子音やブイブイとしたシンセベース主体のディスコ風な音を聞かせるなど、アルバムはおおよそ統一性とは反対の多様性を打ち出した内容になっている。事実、レイドバックしたメロウなヒップ・ホップ風の"Strange Relationship"にゴージャス感のあるポップなR&B影響下の“You Gotta Give”、そしてボサノヴァ風の軽やかなパーカッションが心地好い"Cuando"まで、アルバムに何か統一性を見つけ出すのは難しいが、敢えて言うならばどんな曲であっても感情的な面を押し出してきている。そして最もフロア受けするであろう"Keep Trying"は覚醒感のある、半ばトランシーでさえある電子音を用いた勢いのあるテック・ハウスで、闇夜に染まりつつCassyによる甘い歌が問い掛けるような官能的な曲だ。もう少しこの路線が多かったならばという思いもあるが、彼女の個性を全て曝け出そうとしている意図があるのだとしたら、アルバムのフォーマットを活かしてそれは達成されているのだろう。



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