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Kim Brown - Wisdom Is A Dancer (Just Another Beat:JAB 12)
Kim Brown - Wisdom Is A Dancer
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Kim Brownというソロワークっぽい名前なものの、実はJi-Hun KimとJulian Braunの名前を拝借したそのまんまのユニットである二人組は、ベルリンの柔らかめのディープ・ハウスを得意とするJust Another Beatの主力アーティストの一人だ。ちなみに同レーベルには他にSven WeisemannやProstituneも作品を提供しており、決してメインストリームを歩むような派手さはないものの、ベッドルームにも耐えうるリスニング性の高い音楽性で統一感を持っている。Kim Brownも2013年に同レーベルより初のアルバムである『Somewhere Else It's Going To Be Good 』(過去レビュー)をリリースしており、柔らかく繊細な電子音によって洗練された気品と淡い情緒を溶け込ませたディープ・ハウスを聞かせ、新人ではありながら流行に左右される事のないクラシカルな存在感さえ発していた。それから3年、ようやく2枚目となるアルバムが到着したが、良い意味で前作から変わりがなく、羽毛のような軽く柔らかさを持った電子音による穏やかなディープ・ハウスを鳴らしている。始まりの"Rehearsed Engineering"では変化球的なリズム感につんのめりつつも、清流が湧き出すような透明感のある上モノがゆっくりと流れ、じわじわと仄かな情感が溢れ出す事でアルバムの開始を告げる。続く"Optionism"は刺激的なハンドクラップと柔らかいキックが端正な4つ打ちを刻み、幾分か夜のダンス的なムードが現れるも、揺らめく上モノの電子音は官能的でしっとりとした質感を含む。やはりアナログ感のある4つ打ちのキックを刻む"Everything But A Piano"は電子音の奥にはピアノ等の有機的な音色が密かに隠れており、実は動きのあるベースラインとも相まって落ち着きながらも躍動を伴うディープ・ハウスだ。特にピアノの音色を強調した"Millions"や"Transparent "はクラシカルで気品が漂い、音の隙間を強調するようなシンプルな作風だからこそピアノの旋律がより際立ち、波が引いていくような余韻を残す。終盤の"We Are Elementary"ではクラシック的なストリングスが美しく伸びて、生っぽいキックやスネアとの相乗効果で人肌の温もりが伝わってくるようだ。何処を切り取っても真夜中の興奮を誘うダンス・ミュージックらしさはなく、昼下がりから夕暮れ時のうたた寝してしまう時間帯にぴったりな穏やかで物静かな響きが心地良く、前作に続きノスタルジーに包まれる良作だ。本作も以前と同様にアナログ盤にはダウンロード・コードが付いてくるのも、非常にありがたい。



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