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Chari Chari - Fading Away / Luna De Lobos (Seeds And Ground:SAGV034)
Chari Chari - Fading Away

2014年のResident Advisor @ agehaにて10年ぶりの復活ライブを敢行したChari Chariは、井上薫がアーティスト活動の初期から用いているプロジェクトであり、特に国境を超越してコスモポリタンな音楽性を追求した特別な名義だ。一般的なダンス・フロアにおける分り易いストレートな4つ打ちのダンス・ミュージックとは異なり、民族や人種の枠組みを無くすように音楽のジャンルがクロスオーバーしつつ原始的な踊る欲求を呼び覚ます根源的な要素があり、井上のパーソナル性が特段強く打ち出されているものだ。2015年には変則的な覆面プロジェクトとして「C2-R2」(過去レビュー)名義でエスノ・ファンクな新作がリリースされたが、それを経てのこのChari Chari名義ではより自由度が高まりダンスの中に多様な要素が詰め込まれている。この新作では前述のライブにも参加したギタリストのTakamasa Tomaeが制作に加わっており、"Fading Away"では鋭いブレイク・ビーツが大地と共鳴するように響き、そこに高らかに祝福を宣言するようなバグパイプと魂の咆哮にも思えるギターが切り裂く如く挿入され、そして底辺ではアシッド・ベースが蠢きながら、渾然一体となってゆっくりながらも広大な大河の流れに飲み込まれるロックでファンクなダンス・ミュージックを展開する。原始と文明、過去と未来、東洋と西洋、そういった対極的な要素の交差や共存と呼ぶべきか、実にChari Chariらしい無国籍感が発揮されている。柔らかく美しいギターのアルペジオから始まる"Luna de Lobos"は中盤までは井上のギターインスト・プロジェクトであるAurora Acousticっぽさもあるが、次第に優しい4つ打ちのキックが入りだすと速度感や爽快感を得て、南国のトロピカルな味わいもあるギターソロが琴線に触れるように旋律をなぞり、またディレイ処理されたギターが広大な空間演出も行いサイケデリックな香りも漂い出す。本人のコメントによれば4ADやECMをキーワードに本作を制作したそうだが、確かに無国籍な雰囲気の中にも耽美な世界観が投影されている点はその通りで、その上でダンスとしての古来から人間に潜むトランス感(ジャンルのトランスの意味ではなく)を誘う所がこのプロジェクトの重要な点だろう。どちらも10分超えの大作、激昂させる事なく静かにトランスするには十分な長さで、窓を全開にして聴きたくなる開放感のある作品だ。



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