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Planetary Assault Systems - Arc Angel (Ostgut Ton:OSTGUTCD37)
Planetary Assault Systems - Arc Angel
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UKテクノの歴史において、ハードテクノ全盛の古い時代から生き抜いている稀有なベテランの一人、Luke Slaterも今ではテクノの中心となったベルリン志向に傾倒しているのは明らかだ。活動の初期から用いている変名のPlanetary Assault Systemsは特にハードかつラフな質感を持ったテクノ・プロジェクトだったが、2009年にはOstgut Tonからよりミニマルで機能性重視の音楽性へとシフトしたアルバムをリリースし、見事にテクノシーンの最前線へと返り咲いた。本作はこの名義では5年ぶりのアルバムで、そしてまたしてもOstgut Tonからとなるが、実はL.B. Dub Corp名義でも2013年にアルバムをリリースしていたので思っていたよりも久しぶりではない。しかしL.B. Dub Corpの作品がレゲエやファンクも吸収した実験的なテクノだった事を考えると、このPASの新作こそがフロアの空気を的確に掴んでSlaterのミニマル志向が反映された王道的な作品だ。CDでは2枚組20曲で計90分を超える本作では、先ず「メロディー」に焦点を当てたと本人は述べているが、だからと言って一般的ないわゆるエモーショナルなコテコテのテクノとは異なっている。アルバムはカセットデッキにテープを入れる環境音の"Cassette"から始まり、続く"Angel Of The East"ではビートレスの空間にパルスのような電子音とそれを装飾する奇妙なサウンドにより音響系の傾倒を示し、ダンス・トラックだけではないアルバムというフォーマットを活かす事にも軸を置いている。3曲目の"Tri Fn Trp"でようやくリズムが入ってくるが、もはやハードな質感は無く無機的にひんやりとしたビートを刻みつつ、一方で電子音による複合的なシーケンスもビート感を生んでテクノとしての機能性を高めている。"Message From The Drone Sector"ではやや太いキックが4つ打ちを刻んでいるが、勢いで押し切るのではなく奇妙な電子音のシーケンスが闇の中に吸い込むような雰囲気を作り、リズムはあくまで淡々としていて決して感情の昂ぶりを誘うわけではない。むしろその平坦なリズムと機械的な電子音の反復がミニマルな感覚を持続させ、徐々に意識も麻痺するようなディープ・スペースへと誘われるのだ。先に述べた「メロディー」というものが決してキャッチーな音楽を指す事ではなかったが、音の反復・重なりによりグルーヴを生み持続感を作る「メロディー」への探求が、本作からは感じられる。平坦でミニマルなリズム感、重層的な電子音のシーケンス、そしてスペーシーな世界観はJeff Millsの近年の音楽性と類似しているが、そちらよりも更にモダンに研ぎ澄まされている。



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