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Beauty: A Journey Through Jeremy Underground's Collection (Spacetalk Records:STLKCD001)
Beauty A Journey Through Jeremy Undergrounds Collection
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My Love Is Undergroundという単刀直入に意思表示をするレーベルは、2010年に発足した比較的新しいレーベルながらも90年代のUSハウスから特に影響を強く受け、しまいにはそのディガーとしての深い知識を基にレアな作品を掘り起こしてオールド・スクール・ハウスのコンピレーションを制作してしまった。その主宰者こそフランスのJeremy Underground Parisで、まだ30歳程と比較的この業界では若いながらもUSハウスに対する深い造詣と間違いの無い審美眼はレーベルの成功からも理解出来るだろうが、本作は彼がそんなディガー精神をジャズ/ファンク/ソウル/ディスコへと向けた作品集だ。マニアとしてのプライドが爆発したのだろうか、または当方がこの手の音楽に馴染みがない事を差し引いても、本作には一般的なクラブ・ミュージックを嗜むだけでは馴染みのない曲が収録されている。クレジットを見る限りでは7〜80年代の曲が中心となっているが、おおよそジャンル的には何か特定に集約させるのは難しい。アルバムの始まりはRon Rinaldiによるフォーキーでソフト・ロックらしい"Mexican Summer"で、爽やかなアコギの響きと可愛らしいエレピが控え目に甘さを醸す歌モノだ。続くはブラジルのシンガーであるLeila Pinheiroによる"Tudo Em Cima"で、序盤はAOR調ながらも中盤からはブラジルらしいサンバのリズム感も挿入されて、軽快なグルーヴが実に心地良い。またはN C C Uの"Superstar"やSonya Spenceの"Let Love Flow On"のように官能も滲み出るメロウ・ファンクもあれば、Al (Alonzo) Wilsonのチョッパーベースが弾けるダンス色の強いディスコ・ファンクな"Love You Girl"、そして繊細なで自由なドラムのリズムに滴るような耽美なピアノと官能的な歌が一体となるCreative Arts Ensembleによるジャズ・トラックの"Unity"まで、ジャンルに幅はあれど時代感や音の響きと言う点においてのある程度の統一性は感じられる。特にアルバム・タイトルが示す「Beauty」という時代を越えていく曲そのものの普遍的な美しさでは間違いがなく、単なるレアな作品集に陥る事なく名作を掘り返して世に周知するディガーとしての役目をJeremyは果たしている。またDisc2ではJeremyがささやかに各曲をミックスして曲間が途切れる事なくMIXCDとして聞けるが、折角の名曲揃いなのでミックスされていないDisc1でそれぞれの曲をフルレングスで楽しむのが良いだろう。



Tracklistは続きで。
01. Ron Rinaldi - Mexican Summer
02. Leila Pinheiro - Tudo Em Cima
03. Christer Norden - Lay Back
04. N C C U - Superstar
05. Shades Of Love - Do Your Own Dance
06. Sonya Spence - Let Love Flow On
07. Nu-Cleus - Needing A Woman
08. Al (Alonzo) Wilson - Love You Girl
09. Richardi Mac - Told You So
10. Maureen Bailey - Takin' My Time With You
11. Fein - Stonedage
12. June Evans - Hardly Need To Say
13. Starcrost - Quicksand
14. Creative Arts Ensemble - Unity
| ETC(MUSIC)4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
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