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Doms & Deykers - Evidence From A Good Source (3024:3024-028CD)
Doms & Deykers - Evidence From A Good Source
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音楽だけに限った話ではないだろうが、コラボレーションが単なる物珍しさのみで評価され、互いの個性を相乗効果として活かす事が出来ずに作品として期待以上の面白さを引き出せない事は、決して珍しくない。その意味では本作は互いの音楽性がバランス良く盛り込まれつつ相性の良さが違和感の無いダンス・ミュージックとして成り立ち、モダンとレトロを上手く用いたテクノとして期待にしっかりと応えてくれている。手掛けたのはSteffie DomsことSteffiとMartijn DeykersことMartynで、Ostgut Tonからも作品をリリースする前者は自身ではデトロイト・テクノの影響を色濃く残すDollyを主宰し、また後者はデトロイト・テクノとダブ・ステップの架け橋的な音楽性により新世代として台頭したアーティストで、過去のオールド・スクールな音楽に敬意を持ちながらも現在のシーンに適合した二人の相性の良さは言うまでもない。本作はかいつまんで言ってしまえば、デトロイト・テクノ×ディープ・ハウス×ダブ・ステップ×レイヴな内容で何か目新しさは無いかもしれないが、それらの琴線を震わす叙情性と粗野で荒くれた変則的なリズム感が見事なまでに一体化し、彼等の持ち味となっている点で評価すべきだろう。一曲目の"Eyes Up"からして叩き付けるようなロールするスネアやハイハットが炸裂するが、その一方ではTB系の特徴的なベースラインや幻想的なパッドが延びるシカゴのディープ・ハウス由来の要素もあり、激しく曲調ながらも感情をじっくりと温める。タイトル曲の"Evidence From A Good Source"は鞭で叩くようなビートが強烈なエレクトロを思わせるが、官能的なシンセのメロディーの影響でダークになり過ぎる事はなく、やはりエモーショナルな響きが印象的だ。それは先行EPとなった"It's You I See"でも顕著で、特にストレートなダンストラックであるこの曲は何だか懐かしみを感じるのは、デトロイト・テクノらしいメロディー使いや弾けるようなグルーヴに古き良き時代感が込められているからだが、決して懐古的になるだけではなくダブ・ステップを持ち込んだ事で今という時代性もある。アルバムの中で一番疾走感がありデトロイト・テクノを追随する"Faye's Slide"から、そしてTBらしきベースラインやTRらしいパーカッションが特徴のシカゴ・テクノ寄りな"Some People Think Television"などクラシカルなスタイルもあれば、そのタイトルが表すように美しいパッドに覆われながらもグライムやダブ・ステップの深くえぐるようなリズムを強調した"Grime For Dolly"もある。どの曲も荒々しいリズムと悪っぽい粗野な音がレイヴ時代を思わせると同時に、デトロイト・テクノの影響下にある延びるパッドが流麗な響きも聞かせ、メロディアスかつグルーヴィーなテクノになっているのだ。本場のデトロイト・テクノが停滞している今、このような作品に期待を寄せるのも納得な一枚だ。



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| TECHNO12 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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