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Amp Fiddler - Motor City Booty (OCTAVE LAB.:OTCD-5886)
Amp Fiddler - Motor City Booty
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ダンス・ミュージックの聖地であるデトロイトと言えばテクノ/ハウスに於けるオリジネーターやイノベイターが存在し、他にも数多くの才能がひしめき合って発展を遂げてきた。黒人音楽由来のファンクを電子化したのがそれらなのだが、現在形のアーティストであるデトロイトのAmp Fiddlerは、よりファンクやソウル等のルーツを打ち出したプレイヤー兼シンガーだ。プレイヤーとしてGeorge Clinton率いるP-Funk軍団への参加を初め、メジャーなアーティストからアンダーグラウンドな方までサポートを行っており、このシーンに於ける裏方では重要な存在と呼べるだろう。Amp Fiddler名義で個人の作品をリリースし出したのは2000年以降の事だが、前述のようにその芸歴が長い事もあり音楽的にはテクノやハウスを軸にしながらもそれらはより黒人音楽的なディスコやファンクやソウルの要素が自然と強くなるのだろう。アルバムの始まりはミッドテンポのニューディスコ風な"Return Of The Ghetto Fly"で、ブイブイとしたシンセベースがファンキーで、そこにFiddlerの渋い歌声も加わり何ともメロウな曲になっている。続く"Superficial"でややビートは上がりだしてハウス色の強い歌モノだが、ベースやキーボードのクラシカルな展開はやはりプレイヤーとしての経験に裏打ちされたものだ。一転してまた緩めのグルーヴに戻る"Slippin On Ya Pimpin"は、シンセ・ベースはもとよりブラスやコーラスを用いたゴージャスな輝きのあるソウルフル・ディスコで、Pファンク由来のごった煮なパーティー感が堪らない。そして今尚クラブで定番としてプレイされるジャズ・ハウス名作の"1960 What?"のカバーもあり、原曲の熱いソウルなムードはそのままに4つ打ちのPファンク/ディスコへと生まれ変わらせ、今風のダンス・ミュージックと呼べるだろう。ジュークのような素早くキレのあるビートが攻撃的で、しかし感情的なコーラスにPファンク精神が宿る"Soul Fly Part 2"、逆にビートが落ちてどっしりと安定感のあるグルーヴに賑やかで華やかなコーラスやしっとりしたピアノが乗る"Steppin'"では温かいソウルに染められる。"Funk Is Here To Stay"ではGeorge Clintonも制作に加わっているが、ハウス・ミュージックがベースながらもブイブイと主張する個性的なベースやコズミックなシンセ、そして熱き感情を吐露するコーラスなどからはPファンクの音楽性が存分に感じられる。どれもこれもメロウなりファンクなりの感情的な歌モノで、デトロイト・テクノ/ハウスがよくエモーショナルと言われるのも、きっとそのルーツがそうなのだから自然の事だと再認識させられる。Pファンクが好きな人にお勧めするのは当然として、デトロイトのテクノ/ハウスの熱心なファンにも絶対に聴いて頂きたい一枚だ。



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Motor City Booty / Amp Fiddler
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