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2017/3/2 Steve Reich 80th ANNIVERSARY "Tehillim" @ 東京オペラシティー
2008年、2012年に続き東京オペラシティーにて来日コンサートを敢行するSteve Reich。最小限の音型の反復からズレや展開を用いて現代音楽、特にミニマル・ミュージックの先駆者として功績を残す巨匠の一人であり、その影響は当ブログの読者であるダンス・ミュージックをこよなく愛する人にまで及んでいる。楽器からテープや環境音だけでなく、政治的スタンスや宗教観まで取り込みながら、しかし機械的にも思われるミニマルな展開の中に人間味溢れる豊かなハーモニーや響きを持ち込んで、色彩鮮やかな音楽性を聞かせるその音は眠気を誘う程の心地良さを誘発する。今回は決して知名度が高いという訳ではない"Tehillim"や"Mallet Quartett"、そして日本初披露となる"Quartett"等が演目になっているが、果たしてコンサートは如何なものとなったのか。
最初にはReichと、今回のコンサートの演奏を行うColin Currie Groupを束ねるColin Currieの二人による"Clapping Music"。Reichの初期音源でありミニマルを体現するこの曲は、手拍子で同じパターンを叩き続ける第一奏者と、それに合わせつつ途中から唐突に一拍ずれたパターンを叩く第二奏者による非常に単純かつ、しかしリスナーには複雑にも聞こえるリズムを生み出す曲だ。手拍子のみ…決して豊かな響きとは言えないで簡素なリズムのみ、しかしそのパターンのずれはリスナーの意識を確実に吸い寄せ、不思議な酩酊感を生み出していく。

二曲目は2009年作の"Mallet Quartett"で、ヴィブラフォン2台とマリンバ2台によるカルテットだ。比較的単純で変化の少ない重みのあるマリンバのカノンがベースとなり、そこで豊かな響きを聞かせるヴィブラフォンが展開を作っていく。序盤から木魚のような淡々としたマリンバのループによってうとうと睡魔が押し寄せ、既に心地良いミニマルな展開に飲まれつつ、中盤では一旦音の数も減り勢いも緩んで繊細な響きが広がり、そしてまた終盤では勢いも増す中で可愛らしいヴィブラフォンの音色にうっとりとさせられる。

三曲目は比較的最近の曲、2013年作の"Quartett"で、ここではヴィブラフォン2台とピアノ2台でのカルテットとなっている。前述の"Mallet Quartett"に比べるとやや展開は多いと言うか、反復は用いつつもそのパターンが多く、曲調は頻度に変化する。最小限のループを展開させる意味ではミニマルではあるが、その展開の多さは味気なさとは対照的な音楽的な豊かさへと繋がり、たった二つの楽器にもかかわらず今回のコンサートの中でも特に美しいハーモニーやコードを聞かせていたように思う。メロディーというよりはリズム的なピアノの反復にヴィブラフォンが細かいメロディーを鳴らして、急〜緩~急の流れでストーリー性もあり、催眠的なミニマルのループによる睡魔に襲われつつも非常に生き生きとした音楽性だった。

しかし圧巻だったのはラストの"Tehillim"だろう。私自身もそれ程馴染みではないしReichの曲の中でも決して知名度がある訳でもないだろうが、奏者であるColin Currie Groupと声楽アンサンブルのSynergy Vocalsによる大所帯のライブは演奏は期待を越えて素晴らしかった。"Tehillim"はヘブライ語で詩編を意味するそうで、確かに歌が重要なパートを占めていた。ハンドクラップや太鼓の伴奏に女声から始まり、徐々に勢い付きつつ歌もカノンへと変化して重層的な響きを生み出していく。キーボードや弦楽器のハーモニーも加わり、圧倒的な重厚感や何か宗教的な厳かさを漂わせつつ、歌のカノンはスピリチュアルな呪文のようでもあり不思議な魅力を放つ。本作は四楽章に分かれており第ニ楽章ではメロディーが引き伸ばされて嬉々とした祝祭感に包まれるパート、一旦休止を挟んで第三楽章ではがくっとテンポを落としてマリンバやヴィブラフォンが幻想的に響き渡る。そして第四楽章はまたテンポが最初の勢いへと戻って全ての楽器や歌が登場し、「ハレルヤ」を高らかに歌い上げながら渾然一体となった力強く壮大なラストへと上り詰める。メカニカルにも思える音楽構成は、しかし人間の手によって鮮やかで豊かなものとなり、起承転結に則ったドラマティックなライブとなっていたのだ。一つ一つの楽器や声が主張するというよりはそれぞれがパーツとしての役目を全うし、反復を軸にしながらもそれらが組み合わさる事で無味乾燥とは真逆の豊潤さへと変化する。

今回のコンサートはReichの中でも決して有名な曲を集めた訳ではなかったが、結果的には"Tehillim"を含めてReichのミニマルだけではない魅力を知る機会になり、とても素晴らしいものだった。また私のようにクラシックや現代音楽に造詣がなくとも、Reichの豊かな音楽性は人の琴線に触れるポピュラー性もあり、だからこそ多くの人に愛されているのだろうか。

■Steve Reich - Works 1965-1995(過去レビュー)
Steve Reich-1965-1995
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