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2017/3/3 GONG @ Unit
週末には今でも大きなパーティーは開催されているし、大小多くのクラブが営業はしているものの、それは海外の著名なDJに頼ったものであり決して日本のDJにとって最適な環境であるとは言い難い現状。そんな現状を打破したいと言う気持ちから、今や世界を相手に戦える日本では数少ないDJの一人になったDJ Nobuが、『GONG』という新パーティーを立ち上げた。勿論国内のDJ/アーティストの魅力を伝えるというコンセプトがあり、その初回には日本を拠点に活動するアンダーグラウンド性の強いDJ Sprinkles a.k.a. Terre Thaemlitz、Born Free等からの作品が注目を集める新鋭の女性アーティストのPowderがフィーチャーされた。
24時半頃に現地入りするも新パーティーの初回という事もあってか、既にフロアはなかなかの人の入りで期待の高さを伺わせる。オープニングを務めるのはPowderだ。何か野暮ったくも骨太なハウス・グルーヴを持つテクノを中心に、アシッドなサウンドやひしゃげるような金属音が鳴る奇妙なトラックを繋ぎ、勢いではなくダークな雰囲気で闇の中に引き込んでいく。大きなうねりを作るわけではないがトリッキーな響きがアクセントになり、モノクロな世界観を背景にサイケデリックな味付けをする。派手ではないしパーティーの序盤という事もあるのだろうがやや淡々とした乾いた感もあるプレイだが、それは決して単調というわけではなく錆びたマシン・グルーヴの粗削りな響きが地味に攻撃的で、着実に安定したビート感が肉体を刺激する。何て思っている内に激しい金属的なパーカッションやキックが現れて、グルーヴは激しく勢い付き揺れ出し、剥き出し感のある音質も相まって厳つさが前面に出てくる。まだ若さ故かDJをする仕草には拙さも残ってはいるが、機械的なリズム感と仄かなインダストリアルの響きも含んだプレイは、フロアに居た人をPowderの独特な世界観に引き込んでいた筈だ。容姿端麗な姿からは結び付かないひんやり冷たく無骨な音楽性は、もしピークタイムにプレイした場合にはどんな風に変容するのかという期待も残し、雰囲気を作っていくパーティー序盤の時間帯の役目を全うした。

DJ Nobuが登場する頃にはフロアは人で埋め尽くされ、ボルテージは最高潮へと達していた。Powderがプレイした最後の曲にシューゲイズ的なシンセが伸びるアンビエントを被せて開始すると、ビートは完全に消失しフロアが静寂に包まれる中で、半ばトランス的でもある輝かしい電子音が恍惚を誘うように響き渡る。暫くはノンビートで引っ張る事で興奮を煽りつつ、徐々に変装的で鋭利なキックが差し込んでくるが、その状態でもビートが走り出す事はなくアンビエントな空気を継続して神々しいまでの美しさがトランス作用となり意識が朦朧とするような。そして少しずつキックが大きくなり胎動のようにリズムを刻み出せば、ようやくフロアはダンスフロアへと変わっていく。鈍い響きのロウなテクノから音響系のサイケなテクノまで用いながらもそれぞれがバラバラになることはなく、地底の底から響いてくるような重厚なグルーヴがフロアを飲み込んでいく。単に勢いだけではないトップDJとしての精密機械的な構成、そして相反する本能的な躍動からは圧倒的なストーリー性が生まれ、流石の全く隙の無いプレイに終始圧倒される。中盤に入ると鈍い響きとダウナーな展開で深い闇へと沈み込んでいくようで緩急を付けて、ややアシッド調の音によってトリップ感覚も滲み出てくる。とじわじわとした展開の先にはまさかのオールド・アシッド・ハウスな"Don't Lough"によってトリップ感全開の狂気にまみれて泥沼化し、覚醒感は最高潮へと達する。そこからは徐々に底から浮かび上がりつつビートは早くなり電子音の反復でアシッド・トランス的な快楽の流れに乗り、肉体的も精神もアッパーに刺激されるハイエナジーな展開が継続する。痺れる電子音が宙を舞い複雑なリズムが体を叩きのめし、否が応でも壮大なドラマの中に引きずり込んでいくプレイは、日本屈指のDJとしての貫禄や凄み、そして自信が現れていた。このパーティーの主役は何だかんだ言いながらもDJ Nobuになっていたのは、当然にも思われる。またそんなプレイに合わせてヴィジュアルを担当していた中山晃子の表現も素晴らしく、様々な液体や道具を用いて流動性のあるサイケデリックな色彩を表現した「Alive Painting」は、生命のような動きはテクノの胎動にも合っていて目と耳で受動する覚醒感の相乗効果は抜群であった。

パーティーのトリを務めたのはDJ Sprinkles a.k.a. Terre Thaemlitz。手掛けるディープ・ハウスは慎ましく深遠なもので、彼のDJにはそんな音楽性が素直に反映されているのは過去の体験から分かっていたが、やはり狂騒が過ぎ去った後の朝方にはそんなDJがよく合っている。DJ Nobuの震撼するプレイから一転して穏やかで温かみがあり、柔らかくしなるディープ・ハウスの統一された世界観は時代とは関係のない普遍的な質を持っている。DJの上手さはミックスの良し悪しだけではなく、選曲による世界観の表現も考慮するならば、ここには確かにDJ Sprinklesの個性が存在している。曲をスムースにミックスするよりは一つ一つの曲を丁寧に長く聞かせ、そして曲の中で極端なリヴァーブやディレイ等のエフェクト処理を多用する事で変化を加えて、流れを作っていく。展開と言う程の展開や音楽性の幅の広さはなく徹底してDJ Sprinklesらしいアンダーグラウンドなディープ・ハウス攻め、しかし過度にも思われる強烈なエフェクトによって幻惑的な響きとなり意識を揺さぶり、引いては寄せる波のように何度もエモーショナルな時間を生み出すのだ。以外や以外にも3時間半にも及ぶセットで終着点は朝の7時半、それにも拘わらず結構な人達が朝まで踊り倒してフロアは喜びや祝祭感に溢れており、何とも居心地の良い空間が出来上がっていたと思う。音楽的には完全に世界観が確立されている為にやや単調さもあったDJ Sprinklesではあったが、微睡んだ朝方の雰囲気を継続して上手くクローズへと辿り着いて、穏やかなパーティーの終わりを迎える事が出来ただろう。

集客的にも音楽的にもパーティーは大成功であり、新鋭からベテランまで日本のアーティストの可能性を十分に感じる事が出来た夜になった。初回が盛り上がるのは当然ではあるのだが、2回目以降の今後にも期待せずにはいられない。

■DJ Nobu - Nuit Noire(過去レビュー)
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■DJ Sprinkles - Where Dancefloors Stand Still(過去レビュー)
DJ Sprinkles - Where Dancefloors Stand Still
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