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Good Mellows For Stardust Memory (Suburbia Records:SUCD1006)
Good Mellows For Stardust Memory
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2015年春に開始し本作にて通算7枚目となる『Good Mellows』シリーズ最新作は、その名も「星屑の記憶」と先ずタイトルからして素晴らしい。橋本徹が正にそのタイトル通りにメロウな曲をジャンルに拘る事なく選曲し、それぞれの時間帯やシーン毎に風景を喚起させるようなコンセプトを用意し、ダンス・ミュージック側の視点からリスニング志向となる音を聞かせるシリーズ。バレアリック、アンビエント、又はハウスでもありテクノでもありジャジーでもあり、橋本によるメロウへの確かな審美眼がジャンルを超越して纏まった世界観を作り上げるシリーズは、埋もれた古典やレア曲に現在の時流まで網羅する事でも非常に音楽的な価値を持っている。アルバムの始まりはサンプリングを用いてチルなヒップ・ホップ風な"By And By"、優しく心に染みるピアノのフレーズが印象的な曲。そこからこのシリーズではお馴染みのGigi Masinによる新曲"My Red Rose"、彼らしく開放感溢れるシンセに耽美なピアノが滴り落ちる静謐なインストで、平穏な情景が伸びていく。続くも常連のInternational Feel主宰のMark Barrottによる"Over At Dieter's Place (Luis Delgado Mix)"では、青々しい木々が生い茂るエキゾチックな密林を思わせるバレアリックな世界を広げ、そしてそこに繋がるのは井上薫によるChari Chari復活作"Luna de Lobos"。ネオアコを思わせる枯れ感漂う哀愁のアコギから徐々にハウスへと変化するチルアウト・ハウスは旅情にも似た侘びしさがあり、そこから中盤は"Waiting"や"Love Story"等淡い色彩感覚のハウス色でスムースな流れに乗って、後半には"Miles Away"によって夜の帳が落ちたようにしっとりとした闇に染めてくディープ・ハウスへと入っていく。そこから鳥の囀りも交えて微睡みを誘発するダウンテンポ・バレアリックな"Tropic Of Capricorn"で真夜中を迎え、その闇の先には朝の光が優しく射し込むような正しくタイトル通りの"Sunday Morning"によって暗闇が明けていく。何処を切り取ってもメロウでバレアリックな、そして星屑が飛び交う夜空のようなドラマティックな世界観は、ゆったりと大らかで包容力に満ちている。疲労の溜まった夜や心に余裕がない忙しない日常に、そんな時でもほっと心身をリラックスさせてくれる音楽がここにある。

Tracklistは続きで。
01. By And By / Nitsua
02. My Red Rose / Gigi Masin
03. Over At Dieter's Place (Luis Delgado Mix) / Mark Barrott
04. Luna de Lobos / Chari Chari
05. Paradise / Melchior Sultana
06. Waiting / Hidden Spheres
07. Love Story / Freestyle Man
08. Lost Tape / Mutual Attraction
09. Yo House (Andras Fox Remix) / Deep88 & Melchior Sultana
10. Miles Away / Linkwood Family
11. Tropic Of Capricorn / Oma & Amberflame
12. Sunsat / Rollmottle
13. Sunday Morning / Chris Coco feat. Nick Cave
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