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Vakula - A (Bandura:Bandura005)
Vakula - A

ウクライナの才人・Vakula、変名も用いてFirecrackerやLelekaにDekmantelなど多数のレーベルからディープ・ハウスにビートダウンやミニマル・テクノにヒップ・ホップ、果てはニューエイジからサイケデリック・ロックまでリリースし、その音楽的な多彩性は現在のダンス・ミュージックの中でも随一だろう。クラブで効果的なツール性の高い楽曲のみならず、アルバムとしてのリスニング仕様な豊かな音楽性での表現力にも長けており、DJとしてよりはやはり制作面での評価が特に高い。そんなVakulaの新展開が自身で運営するBanduraからは3年ぶりとなる本作『A』で、実はこの後には『B』も予定されている事から、アルファベット順に作品がリリースされるのだろう。音楽的にもまた変化を促しており、端的に言ってしまえばBasic CnannelやRhythm & Soundを継承する深い音響系のミニマル・ダブを展開している。この手の音楽は既に作風が確立されほぼ完成形を成しているが故にVakulaが手を出そうとも革新性というものは無いのだろうが、だからこそ中途半端な作品を出す事いもいかない訳で、どんな音楽でも自分のモノとしてしまうVakulaの力量を以ってして水準の高いミニマル・ダブを鳴らしている。A面には14分にも及ぶ"Aberration"を収録しており、ゆらめき引いては寄せる波の様な残響が官能的な響きをなしており、間引かれたダブのリズムの隙間をしっとりと埋めていくBasic Channelスタイルのアブストラクトなになっている。裏面には3曲収録されているが、より湿ったダブのリズムが強調されたRhythm & Soundスタイルのミニマル・ダブと呼べる"Apperception"、"Quadrant Dub"を継承するもやもやしたリヴァーブに不鮮明なハウスの4つ打ちを組み合わせた”Agglomeration”、電子的なキレのあるリズムと呻き声のような低音によるオリジナリティーあるダブ・テクノな"Assertiveness"と、これまたどれも異なるタイプのダブを披露しておりVakulaのアーティストとしての底の深さはまだまだ計り知れない。



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