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2017/4/12 Gigi Maisn - piano concert - @ WWW
待望の初来日、イタリアから御年61になるGigi Masinの日本ツアーが遂に開始する。1986年にデビューを果たしたピアノ演奏者であり作曲家でもあるMasinは、その当時には気が付かれる事のなかった名作『Wind』等をリリースするも、プレス数も少なかった事から不幸にも世に知られる事はなく知る人ぞ知る的なマイナーな時代を過ごす。しかし近年のMusic From Memoryによるコンピレーション『Talk To The Sea』を発端とした再発見により、特にダンス・ミュージック側からのバレアリックやアンビエントとしての再評価により一躍時の人となった。その結果、世界的にMasinのコンサートが開催されるまでになったが、その流れはようやく日本も辿り着いた。喜ばしい事に日本においては、piano concertとbalearic stateの異なる2セットが予定されており、この日はその前者のコンサートとなる。
前座にはharuka nakamuraによるアンビエント・セッション・プロジェクトであるharuka nakamura LABO。ラップトップにサクソフォーンやバイオリン、ギターからコーラスにnakamuraによるピアノ等が寄り集まった変動的な即興ユニットだ。始まりはPCから発せられる虫の鳴き声が静かに広がり、そこに川のせせらぎの音も加わって正にアンビエントな空気で立ち上がる。そしてバイオリンやフルートといった温かくオーガニックな響きが湧き立つ湧水のように入ってきて、一方では何か童心的なコーラスは音と戯れるように牧歌的で、それぞれの響きが共振しながら微睡んだアンビエント空間を織り成していく。そしてnakamuraによる優しさが溢れたピアノが入ってくるば、新緑の芽がぐんぐんと萌芽する如く豊かなアンサンブルとなり、生命力が満ちて胎動するようなオーガニックな響きに包まれる。眠りを誘うアンビエントながらも各パーツが鬩ぎ合うような盛り上がりを展開し、そこから急転直下で音が引けて電子音も消え去った後には静寂の中に静謐なピアノだけによるソロが繊細に彩り、ふんわりとしたアンビエントから室内楽的な展開に移行しつつ、再度アンサンブルに戻って40分ノンストップで愛らしい夢の中を彷徨うようなセッションを繰り広げた。前座として盛り上がりを作りつつもアンビエントな落ち着きもありぼ〜っと聞くには丁度良かったものの、このセッションとしての強い個性や特別な楽曲性は感じる事は少なく、それはアーティストが冒頭で述べていたいつの間にか眠りに落ちてしまうような…と意味では適切ではあったのだろう。

そしてGigi Masin、アコースティックセットとのフレコミだったが、ステージにはグランドピアノとPCが用意されており、youtubeで見る事の出来るライブセットと同一だ。PCを操作してトラックの頭出しを行い電子音が流れ出すと、そこに静かにピアノ演奏を被せて一気にMasinのブルーな世界観に引き込んでいく。一般的なアンビエントやニューエイジとも異なるその音楽は心を落ち着かせる子守歌とでも呼ぶべきか、Masinの真心や慈愛で包み込むような包容力の大きさがある。PCを用いてバックに透明感のある声や美しいストリングスを配して、やや冷気を帯びたような深い青の照明と共振するように哀愁漂いながらも何かひんやりとしたクールさや淡々とした描写は、単に心地良いだけのアンビエントとは一線を画している。一切の刺激を誘発しない穏やかさの中で耽美なピアノが悲哀を奏で、序盤には淡々とした郷愁が強調された"Swallows Tempest"もプレイし、朧気な電子音の層に点々としたピアノが滴り落ちていく。電子音のずっしとり響く低音、対照的に繊細さと大胆さを自由に行き交うピアノの旋律は、一体となって荘厳かつ重厚感を生む。曲よってはにはしっかりと強めのリズムが入ったトラックをバックに、大胆な躍動がロマンティックを奏でるピアノを披露したりと、ただ静謐なだけでなく感情が溢れ出す曲もあったりとライブならではの力強さもある。そして立ち上がってくる霧のような情緒、幻想的なシンセのリフレインは"Clouds"だ。淡々とした電子音の繰り返しに咽び泣くようなピアノが降り注ぎ、体を心を悲哀で濡らしていく。待ちに待っていた生の"Clouds"の美しさには言葉を失う程で、当然ライブの中でも感動の瞬間だった。かと思えば抽象的な電子音が浮遊するぼんやりとしたアンビエント的な展開に物悲しいピアノを合わせて内へと籠もるような室内楽のような曲、または雑踏の環境音を用いて寒々しい悲しさを表現したアンビエントの"The Word Love"もあり、そして終盤には立ち込めていた霧が晴れ光が射し込んでくる清々しい切り返しも見せて、美しく伸びるストリングと嬉々に溢れたピアノが絡み合いながら桃源郷の中へと導いていく。終盤では再度、電子音のリフレインに哀愁滴るピアノによってしんみりモードな"Call Me"で慎み深い深淵へと戻っていく。オリジナルよりも主張の強いピアノの連打は肌寒い感覚の中により物悲しさを強調し、徐々にそれも弱まりつつ最後には空気の中に消え入るように音が止まり、60分弱のライブは終了した。アコースティックな要素が強かった分だけ、アンビエントやバレアリックよりはクラシック的な感も受けて、やはり美しい楽曲性はどうプレイされようと変わらない。そしてピアノコンサートは、確かにPCを用いながらもどれもオリジナルよりもピアノが主張するアレンジとなっており、オリジナルの雰囲気を継承しつつもライブの繊細さな美しさと大胆な力強さを体験させる意図が感じられるものだった。それでは来週のbalearic stateとは…シンセサイザーを用いて正にバレアリック感を強調したものになるのでは?と今から興味深い。

■Gigi Masin - Talk To The Sea(過去レビュー)
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■Gigi Masin - Wind(過去レビュー)
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