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The Incredible Adventures Of Captain P - Escapism (Soul People Music:SPMBLP003)
Fred P - The Incredible Adventures Of Captain P (Escapism)
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USテクノ/ハウスの中でも快進撃を続けるFred PeterkinことFred P.は別人格のように多数の名義を用いてEP/アルバム共に量産体制を行いつつも、夢の中にいるようなアンビエント感溢れるテック・ハウスからジャジー・ヴァイブス溢れるリスニング志向の作品までそのどれもが高い品質を保っており、アーティストとして全幅の信頼を寄せる。本作の「The Incredible Adventures Of Captain P」名義は彼がかつて2010年にFred P.名義でリリースしたアルバム名であったものが、ここではプロジェクト名へと変化している。最早その名義毎に音楽的な差異は無いのではあるが、本人によれば「最も個人的、かつスタイル的に多様なレコードのうちの1つ」だそうで、フロアで用いられるべきダンス・トラックを中心にインタールードも挟んだアルバムとしての豊かさを表現した作品だ。機械的な持続音によってSF映画の始まりのような不安と興奮を掻き立てるような"Entry Point"で始まると、続く"These Times"では早くもキックやパーカッションが端正なリズムを刻んでその中を緩やかに上げ下げするパッドが浮遊しながらFred P.らしい幻惑的なテック・ハウスを聞かせる。"NYC"では一転してぐっとテンポを落としたヒップ・ホップへと変化するが、これにしてもデトロイトらしいスモーキーかつ叙情性があり、勢いのあるアルバムの中でしっとりとした感情を誘う事でアクセントになっている。アルバムの中盤は正にFred P.らしい疾走感溢れるテック・ハウスが並んでおり、硬めのリズムが刺激的で美しいラインを描くパッドに魅了される"All I Want To Say"や、太く重いベースやキックで低重心からぐいぐいと攻め上げる機能的な"Get Ready"など、霧のようなぼやけたシンセが大気に満ちながら幻想的な世界の中を爽快に駆け抜ける。そこから再度2曲のインタールードを挟んで、終盤には波のように揺らぐパッドと端正な4つキックによる爽快さと官能が入り組んだディープーなテック・ハウスの"Escapism"で一気にドラマティックのピークへと達し、最後には全てが終わった後の静けさのみが続く"To Be Continued"によってサントラを思わせる静謐な終わり方を見せる。多くの曲は真夜中のダンス・フロアで機能するのだが、単純なダンス・トラックだけの羅列にはならないストーリー性がアルバムとしての役目を成しており、そして勿論彼らしいアンビエンスやスピリチュアルな要素がふんだんに詰まっている。まだまだFred P.の躍進は一向に止まる事はないだろう。



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