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2017/6/23 Akirahawks Asia Tour 2017 @ WWW
今でこそようやく海外のビッグクラブやフェスティバルでもプレイする日本のDJが出てきているが、勿論日本に於いては目立っていないながらも早くから海外を拠点に活動を行っていた邦人DJ/アーティストがおり、それこそ今回アジアツアーを行うAkirahawksもその一人だ。ドイツはベルリンにてHouse Mannequinなる変異体ディスコ/ハウスのレーベルを主宰し、その音楽性に共感したMr. TiesによるHomopatikとも繋がったりと、日本にいる環境からは感じ取れない程に海外では高い評価を受けているようだ。この度久しぶりに日本への凱旋ツアーを行うが、今回は同じく海外でも高い評価を獲得したGonnoも出演と、本場を知るDJによる経験に裏打ちされたプレイに期待が高まる。
終電で移動したため現地に着くと既にGonnoがプレイを開始したところだが、WWWの決して大きくはないラウンジフロアながらも外人客を含めて想像していたよりも多くの人で賑わっており、AkirahawksやGonnoへの期待の高さが伺われた。Gonnoは最初からティスコティックな音楽性でパーティーの方向性に沿い、いきなり上げずにスローで粘りのある曲調で開始する。しかしディスコとは言えども古い生演奏中心のそれではなく、エディット色の強いモダンな感覚のある、そしてギラギラとヒプノティックな感覚がある。奇抜なSEが入り交じる事で意識をくらくらとさせ、ドラッギーなベースがじわじわと効き、Phil Weeksの"Queen of Fools"ではディスコ・テイストの中にビヨビトと浮き上がってくるアシッドベースが覚醒感を煽る。アシッド・ハウスで滑らかに上げてるくと少しずつ音は洗練されディープ・ハウスへと向かい、"KMS 049 A1"でぐっとソウルフルな雰囲気を帯びて、そこに"Closer (Swing To Mood Dub)"で熱くなり過ぎずにクールに盛り上げる。これでハウスへと向かうかと思いきやそこから錆び付いたロウ・テクノへと移行して荒廃感を保ちつつひんやり冷気を帯びた"Arpeggiator Track"でミニマルの酩酊感を打ち出し、その中盤以降は勢いに乗って骨太で肉厚なテクノやゴリゴリのハウスでピークタイムを盛り上げる。決して溢れんばかりの多幸感のような明るさはないが、"Just Get Up And Dance"のヒップ・ハウス的なノリの良い曲も用いて深い闇が続く中にも賑やかさを演出する。振れ幅は大きいけれどもそれがとっ散らかる事もなく、それぞれが肉体的な刺激のあるグルーヴの共通項を持って一丸となってなって押し寄せ、Gonnoらしい内に秘めたソウルが肉感あるファンキーさへと繋がっている。そして何やら特徴的なエレピのフレーズが現れると、そう"Disco Cubizm (Daft Punk Mix)"だ。フィルター・ハウスの煌めきが、荒くれた展開の中に優美な瞬間を作りドラマティックに作用する。そんな一瞬の切り替わりも用いてアクセントを付け、しかしやはり荒々しく武骨さのある曲を中心とした選曲はだんだん熱も帯びてきて、もはや一心不乱に踊らずにはいられない。

勢い付いたGonnoから一転してAkirahawksは彼らしいディスコ・エディットな曲を軸に勢いを抑制する事で、やや落ち着きを取り戻しつつ4つ打ちの機能性重視な流れで安定したグルーヴを刻む。ディスコらしい華やかさのある曲調はGonnoに比べるとうきうきとしたハッピー感もあり、捻れたような奇抜さのある"Riff Shapes (Akirahawks Remix)"なる未発表の変異体ディスコ等のユニークさもあって、にんまりと笑顔が浮かぶような楽しいダンスフロアへと変化。単にディスコティックなだけでなく、アシッド・ハウスではないにもかかわらずアシッド的な鈍いベースが唸りを上げてロウな質感もあったり、またはイタロ・ディスコのような綺麗で爽快なシンセの鳴り、ニューウェーブ調のダンストラックまで用いて、ダンスミュージックのプロトタイプのような原始的な雰囲気さえも発している。ディスコに根ざした4つ打ちのグルーヴは激しく上げるでも揺さぶるでもなく、やや平坦にも感じられる状態を継続する事で持続感へと繋げていくプレイで、そこに金属がひしゃげるような奇妙なシンセの響きがドラッギーに作用する。中には古き時代感溢れるシンセポップみたいなボーカルトラックもプレイしたりと可愛らしさもありつつ、その反対にゴリゴリで機械的なリズムを刻むハードなテクノもプレイしたりと、ベルリンの凍てついた冷気に満ちたテクノらしさもある。そんなハードなテクノに恐らく"You're My Heart, You're My Soul"のエディットであろうコテコテなシンセサウンドのモダン・ディスコな繋ぎは意外だが、この派手派手しい振れ方には興奮せざるをえない。終盤は朝に向かって暗闇から天上を破ってを抜け出すようにキャッチーなディスコ性の強い曲でLove & Peaceな雰囲気をフロアを満たし、エレクトロ色強めた"Relight My Fire"のエディットも飛びだしてエモーショナルに展開。エディットをふんだんに用いたプレイは如何にもAkirahawksらしい音楽性で、そこにモロにイタロなシンセベースのシーケンスが走る"Void Vision"や胸キュンシンセポップの"Domino Dancing (Dimitri From Paris Main Mix)"など、これでもかとディスコの愛らしさを爆発させ朝方の至福に満ちた気分を誘う。懐メロやセンチメンタルと言った表現が相応しい朝方の選曲は、真夜中のハードさもある対照的な流れから行き着いた事でより感傷的に染まり、何とも憂いに満ちた空間になっていた。タイムテーブルでは5時にはクローズだったものの5時を過ぎても一向に終わる気配もなく、特にシンセポップやイタロのメロディアスな時間帯に突入していて切り上げるのは悩ましかったものの、金曜のオールナイトは疲労も溜まっていたのでその時点で退散。GonnoもAkirahawksもディスコティックを盛り込みつつそこから彼らそれぞれの個性も発揮して、両者のプレイで存分に踊らされる充実した一夜だった。
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