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2017/7/18 dublab.jp × TRUNK (HOTEL) present Wolfgang Voigt - Ruckverzauberung × Yui Onodera @ TRUNK
テクノ帝国ドイツに於ける老舗レーベルであるKompaktの創始者であり、またProfan等ではミニマリズムの極地を追求し、そしてGas名義ではその名の通りガスが充満するようなアンビエントを展開するなど、その音楽性を芸術にまで昇華させた重鎮中の重鎮であるWolfgang Voigt。その存在感の大きさとは対照的に来日経験は多くはなく日本で彼のライブを体験する事はレアになっているが、この度幸運な事にも定番フェスとして定着したruralへGas名義での出演と、そして都内では渋谷にある高級ホテルTrunk内にあるチャペルへWolfgang Voigt名義で出演となり、今回は後者にて彼のライブを初体験する事となった。
当日はTrunkホテルへと着くと、当方は一生縁の無さそうなその洗練されたラグジュアリーな内装に驚いたが、屋上へと移動するとそこでは小さくも落ち着きのあるチャペルと、テラスからは渋谷の夜景を一望出来る素敵な環境が広がっており、ライブが始まる前から気分は高まっていく。メインの前にはまずYui Onoderaによるライブだが、このアーティストは普段は映画や劇の為の楽曲やサウンドデザインを手掛けるコンポーザーだそうで、実はKompaktのアンビエントシリーズでもある『Pop Ambient』にも曲を提供しており、音楽的には空間に溶け込むようなアンビエントの素養はあるのだろう。 始まりはアンビエントというには動きの多い有機的な旋律が揺れ動き、激しいビートのように脈打つ。ビートの入ったダンスミュージックではないものの体感的には瞬発力さえ感じさせ、そこにグリッチ音というか繊細なノイズも紛れ込み、更にはテラスの虫の鳴き声も入り混じりながら不協和音と心地良い和音が入れ乱れる。全くビートらしきビートは無いのだが激しく揺れるグルーヴ感はクラブ的でもありつつ、しかし繊細で柔らかい電子音の響きが四方のスピーカーから真ん中へと向かって放たれ、徐々に霧のようなドローンに埋め尽くされていく。オレンジ色の朝焼けに包まれるようなドラマチックなドローン、神々しくもあり重厚感もある音響。意識が徐々に融解し消失するかのような快適性、これは確かにBGMとしての極上のアンビエントだ。そして次はあぶくが弾ける効果音にシルキーなシンセがゆっくりとうねり、無重力の水中で遊泳をするようなスローモーションな胎動を見せる。美しい音響をじっくりと聞かせつつ、そしてまた層になったドローンが地平の果までも延びるように持続し、時間がどんどん遅くなっていく錯覚を引き起こすのだ。照明による神々しい光を背後に纏いつつ、そして正に音自体にも輝きを含むような有機的なアンビエント・ライブは、初めて体験したにもかかわらず非常に親しみを感じさせる包容力があった。

そしてWolfgang Voigtの時間になるとチャペル内は闇に包まれ、ラップトップと向き合うVoigtの姿が暗闇の中に薄っすらと浮かび上がる。直ぐに朧気で重苦しいドローンから開始するが、時折クラシックのような荘厳な音色が浮かび上がり彩りを増すものの、重低音が底辺で震えるように持続する。ビートは完全に消え去り荘厳なストリングスがぐわんぐわんとゆったりうねり、そしてしなやかに力強くレイヤーとなって美しくも重厚なアンビエンスを作り出していく。いつしか気高く優美な弦楽器の音色が部屋に充満し、高濃度なガスが広がるようにドローンが重苦しくのしかかる。半ば嵐が吹き荒れるような弦の響きは激しささえも含んでおり、アンビエントにも聞こえつつアンビエントよりも荒々しい。明らかにGAS名義のハートビートを刻むアンビエントとは異なるノイズ一歩手前の抽象的なドローンへと突入し、神経を落ち着かせるのではなく意識を刺激し覚醒させる強靭な響きだ。しかし濃霧のガスが晴れた切れ目から再度美しいオーケストラのストリングスの音が湧き上がり、クラシックを思わせる優美なハーモニーが甘美な響きとなって眠気を誘う。一時の夢のような時間、しかしまたそれを多い尽くす神経質な電子音がドローンとなり、意識を覚まさせる。空間の奥底で鳴る重低音、奇っ怪でノイズにも近い上物、調和を成さず不気味な共鳴が生命のように蠢き、と思っていると今度は美しいアルペジオと天使の囁きの如く神々しいボイスが天井の世界に響き渡るように満ち足りて一気に神秘的な世界へと様変わりする。快と不快の対照的な移り変わりの、しかしどちらも根底にはアンビエントが根付いており、連続した持続音を用いながら面白い切り替わりを見せていた。ラストに至ってはチャペルを意識したわけではないのだろうが、祈りのような聖歌らしきコーラスも出現しどこか霊的な力で空間を包み込んでいく神秘的な展開もあり、ただただその圧倒的なアンビエンス×ノイズのドローンには言葉を失うばかり。その壮大な世界観を前に1時間のライブで退屈する瞬間はいっときもなく、アンビエントを芸術にまで昇華させた音響ドローンライブは期待通りのものとなった。クラブでもなく屋外フェスでもなく、都会の高級ホテルの屋上にあるチャペル内でのライブという環境も、その意外さはありながらもそれだけに頼る事なく静謐な雰囲気面での相性の良さもあり、それもあってVoigtのライブのアンビエント性がより発揮されたようにも思われる。この場所でまたアンビエント・パーティーが開催されれば、そう思わずにはいられない体験となった。

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