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GAS - Narkopop (Kompakt:KOMPAKT CD 136)
GAS - Narkopop
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2017年のテクノシーンに於いて絶対に欠かす事の出来ない話題の一つに、本作は間違いなく含まれている。それこそドイツはKompaktの創始者の一人であるWolfgang VoigtによるGas名義のニューアルバムであり、この名義では何と17年ぶりとなる新作だ。30にも及ぶ変名を用いながら様々なジャンルを展開してきたVoigtにとっても、このGas名義はかつてのMille Plateauxで成し遂げたアンビエント×ミニマルの究極的な形であり、4枚のアルバムを送り出してからはパタリと活動が停止した事で逆に伝説的なプロジェクトとして評価されていた。近年はGas以外の複数の名義を用いてテクノだけに留まらない音楽性とそこにアートとしての要素も加えて芸術家的な活動を精力的にしていたVoigtだが、やはりこのGas名義は別格と言うべきか、その音の存在感や快適性は格段にスケールが大きい。アルバムには10曲が収録されているがそれらは便宜上トラック分けされているだけであり全ては繋がっており、またイメージを排除するようにかつてのアルバム同様曲名は付けられておらず匿名性を際立たせて、ミニマルの性質と抽象的なアンビエントによって終わりの時を迎える事が無いような音楽の旅を展開している。寒々しく虚構の中にあるような森の写真がジャケットに用いられているが、鳴っている音楽も正にそのようなイメージで、フィールド・レコーディングと電子音のドローンとオーケストラのサンプルによって生まれるシンフォニーは何処までも抽象的だ。アルバムは重厚で荘厳なオーケストラによる"Narkopop 1"で始まり、寒々しい電子のドローンが重苦しくガスの様に充満しつつその中からハートビートらしきリズムが現れる"Narkopop 2"、一転して物哀しいオーケストラによって悲壮感に包まれる"Narkopop 4"と全ては繋がりながら境界を不明瞭にしながら展開を繰り広げる。そしてドローンに満たされながら潰れたような4つ打ちのリズムがエレクトロニック・ボディ・ミュージックを思い起こさせる"Narkopop 5"、歪なノイズが持続しながら華やかで美しい弦楽器が明瞭なメロディーを奏でる"Narkopop 6"、そして最後の17分にも及ぶ"Narkopop 10"で総決算の如くぼんやりとした4つ打ちのリズムと不鮮明なドローンと荘厳なオーケストラが一体となり、ミニマルな展開の中で時間軸も分からなくなるような迷宮的な流れによってなだからに終焉を迎えていく。音だけを聞いてもGasというアーティスト性が分かる完全に個性が確立されたミニマルかつアンビエントな音はここでも変わらず、前作から17年の歳月を経てもそこから途切れる事なく続いていたかのような音楽で、VoigtにとってもGasはライフワークと呼べるものに違いない。催眠的で快眠なアンビエント、意識は深い森の中に埋もれていく事だろう。



Cjheck "Wolfgang Voigt"
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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