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Alton Miller Featuring Maurissa Rose - Bring Me Down (Sound Signature:SS065)
Alton Miller Featuring Maurissa Rose - Bring Me Down

デトロイトの伝説的なクラブとなっている"Music Institute"、そこのレジデントに名を連ねていた事からも分かる通りでデトロイトの最古参の一人でもあるAlton Millerは、同郷の他の華々しく輝く道を歩んでいるDJ/アーティストに比べれば地味で、良く言えば堅実に活動を続けるアーティストだ。デビューから25年以上は経過しているが音楽的な変化も然程なく、いやだからこそそのデトロイト・ハウスの普遍性が故にKMSやPlanet EにTrack Modeを含む多くの著名なレーベルのカタログに名があるのだろう。そして2016年、本当にようやくという思いだがSound Signatureのコンピレーションである『These Songs That Should’ve Been Out On Wax By Now』(過去レビュー)によって同レーベルから初のリリースを飾ったのだが、そこからのアナログカットの1枚が本作だ。Maurissa Roseをボーカルに起用した"Bring Me Down"は何てことはない所謂デトロイト・ハウスそのもので、Millerの変わる事のないソウルフルな音楽性が発揮している。ムーディーで優しいオルガンのコードから始まり、ざっくりと生の質感もあるジャジーなビートが刻み出し、そして華麗なシンセやエレピにや熱量を持った感情的なボーカルが絡みながらぐっと聞く者の心を熱くするソウルの塊だ。時代性や流行とは全くの無縁な、これこそMillerによるハウス・ミュージックと言わんばかりのオーセンティックな内容で、しかしSound Signatureの奥底に渦巻く熱量を隠し持ったようなレーベル性とも合致している。そして本EPでは嬉しい事にレーベル頭領であるTheo Parrishによる"Bring Me Down (SS Translation)"の異形なリミックスも収録されており、音の彫刻と言うレーベル通りな金属の塊を削り出したように錆び付いて鈍い音を強調した改変は正にTheoの音楽として生まれ変わっている。ざらついて粗雑な質感を持ったリズム、ドープで重い低音が蠢くベースライン、音が間引かれて隙間の目立つ構成と、オリジナルの正統派ソウルフル・ハウスとは方向性を異にするビートダウン・ハウスではあるが、しかし何故故により黒く染まり激情を含むのか。寂れて朽ち果てた中にも美しく花開くピアノの旋律は、しっとりと心を濡らす。オジリナル、リミックスそれぞれのアーティストの個性が的確に表現され、文句無しの出来だ。



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