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Jonny Nash & Suzanne Kraft - Passive Aggressive (Melody As Truth:MAT8)
Jonny Nash & Suzanne Kraft - Passive Aggressive
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「静寂の次に美しい音」というコンセプトを持つECMという有名なレーベルがあるが、Jonny Nashが主宰するこのMelody As Truthもそんな音楽性からは決して遠くないのではと思うこの頃。2014年から活動を始めたこのレーベルは主にJonny NashとSuzanne Kraftの作品をリリースする場所になっているが、ニュー・エイジからバレアリックにアンビエントやドローン等の音楽性の境目を無くしたリスニング性の高い音楽が特徴で、特にアルバムに力を入れた構成力が耳を惹き付けている。本作はそんなレーベルの主軸二人による共同作品だが、今までに二人がソロで手掛けてきた音楽性が反映されながらより抽象度を高めた静謐なアンビエントへと至っている。正にタイトル通りのようにモノクロな電子音のドローンから始まる"Photo With Grey Sky, White Clouds"は物悲しく囁くような繊細なピアノが現れて、薄っすらとした電子音の持続にそっと情緒を付け加えるが、大きな展開はなく静寂さが際立つオープニングだ。"Refractory Cafe"では朗らかなエレピに合わせて弾力のあるウッドベースが刻まれるのが目立ち、動きの多さが静けさの中に落ち着いた躍動を生んでいる。"Hanging Glass Structure"でもウッドベースや透明感のある電子音の持続が聞こえるものの多少の原始的なパーカッションがアクセントになっており、それが素朴さへと繋がっている。"Inside"は特に音の隙間を強調した曲で、微かな持続音に上に一定間隔でピアノのコードを鳴らしてある意味ではミニマル的な展開を見せ、静謐の中に響く美しさが映えるのだろう。一方で"Small Town"では静けさを発するピアノに合わせヴァイオリンだろうか、弦楽器らしき音が強弱を付けて大胆にメロディーをなぞる動きの強い曲で、アルバムの流れの中ではっと目を覚まさせる。ラストの"Time, Being"ではNashによるメランコリーなギターをフィーチャーし、そこにピアノやウッドベースに和んだ電子音も登場して、それらが一体となりぐっと切なさを誘うコンテンポラリー・ミュージックとなっているが、余韻を残す事なくさっと音は消えてしまう辺りにこのアルバムを直ぐにでもリピートさせたいと言う欲望が生まれるのだ。気持ちを高めるでもなく冷めさせるでもなく、淡々とした佇まいを保ちながら空気に馴染んでいくような快適性の高い音楽は、日常の中で心地良い環境音楽になるに違いない。



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