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2017/10/13 Balearic Park @ WWW
最近になってクラブ・ミュージック関連の音楽性にも力を入れるようになっている渋谷のライブハウスのWWWにおいて、新たなパーティーが始動する事になった。その名も『Balearic Park』、そのタイトル通りにバレアリック・ミュージックに焦点を当てた内容であり、クラブの騒がしく熱狂的な方向とは対照的にイマジネーティブで瞑想的な音楽を求めているように思われる。招かれたのはオーストラリアの若き新星であるAndras Fox、ベルギーのフィールド・レコーディングを得意とするLieven Martens Moana、実験的な音楽を披露するTyphonian Highlife、日本からはドローン・アンビエントを手掛けるHakobuneとChihei Hatakeyamaと、メインフロアは全員がライブでの出演とクラブ・ミュージック系のパーティーとしては非常に興味深い内容だ。
段々になっているフロアは踊りやすい場所とは言えないが、この日は椅子も設置してあり上から見下ろすように座って演奏を眺める事が出来るのは、特にライブ中心のパーティーには最適な環境だ。先ずはHakobuneのライブだが、ハードウェアを前にしながらギターを抱えて登場。薄い電子音のドローンから始まりそれは徐々に層になりながら、どこまでもフラットに持続する音が重厚感を増して延びていく。そしてギターも演奏しだすが、明確なメロディーを奏でるのではなく抽象的でガスのようなドローンを重ね、ドローンによって隙間なく空間を埋め尽くす。幾層にも重なる心地良い音が厚みとなるが、眠気を誘うゆったりとした流れに緊張感は解きほぐされ、音の流れに意識も溶けていくようだ。目の前には音の壁が立ちはだかるが如く穏やかながらも厚みのある響きが広がり、微細な変化を続けながら音の源泉から幾らでも淀みなくドローンが湧いてくるのだ。演奏しているその後ろからは幻想的な照明に照らされれば、神々しいオーラを纏ったようにも思われ、大らかで壮大な音響に包まるのと合わせてスケール感が増していく。特にラスト近くは体感的にも振動する地響きとなって大量のドローンが押し寄せ、ビリビリと体も共鳴するように痺れに飲み込まれて圧倒されたのだった。

Chihei Hatakeyamaも同様にハードウェアを目の前に、そしてギターを抱えてプレイ。最初はハードウェアから優しい電子音を鳴らしながら、しかしHakobuneよりかは幾分かメロディーに分かり易さがあり、ゆっくりした動きながらも豊かな展開が聞こえてくる。ギターはドローンとしてフラットに伸ばし、途中からはロングエコーの効いたギターが前面に出てぼやけた音像ながらも、哀愁が溢れるメランコリーな響きが強みを増す。朧気なギターはうっとりとした旋律を作り微睡んだアンビエント性を発しつつ、終盤では電子音が蒸気のように吹き出す抽象的なドローンのアンビエント展開になり、最後は余韻を残さず切れよく綺麗に終了。甘めの雰囲気もあったために途中うとうとする程に眠気に襲われ、非常にリラックスしたアンビエント・ミュージックだった。

最も癖の強い音楽を披露したのはTyphonian Highlifeだ。2台のシンセサイザーを軸にしたライブで。バックには花の絵とアラビア風?な文字の映像を写しつつ、エキゾチックにも聞こえる電子音のシーケンスを組んで、そこにシンセを効果音的に用いながらアンビエントというよりはエクスペリメタル性が爆発した音楽だ。民族的にも思われつつ、しかし特定の国やジャンルに当てはまらない電子音の異形なる響き、音自体が派手で絶対的な存在感を示しており、メロディーやコードの流れよりは一つ一つの音によって雰囲気を作っていく。途中では完全にシンセの手弾きだけで、分厚くギラついたアシッド風な音や水の滴るような音を用いて自由な即興を披露する。そこから再度シーケンスも用い透明感のある電子音が浮かび上がり、ややアンビエントな流れへも移行するが、そこにも豊かな効果音や旋律が組み込まれて常に慌ただしく躍動する。前2アーティストまでの夢現な世界とは真逆の、神経を刺激し目を覚まさせる奇抜でエキゾチックな音楽の旅は聞く者を選ぶだろうが、超自然的な世界観は極めて個性的であった。

続くLieven Martens MoanaはPCやハードウェアを前に座してライブを披露。後ろのスクリーンには生命力を感じさせる青々しい植物の写真を投影しているが、鳴らされる音もより音楽的というか笛などの有機的な音色を用いながら、生命が茂る自然の中で鳴っているような響きだ。柔らかく丸みのある音を用いて木々がアンサンブルしているようなアンビエントというかニューエイジか、川のせせらぎや虫の鳴き声らしきものも聞こえ、また鐘の音などが聞こえてくると余計にスピリチュアルというか自然主義的な雰囲気が増す。ライブは完全に演奏を曲毎に切っており曲の合間には本人もスピーチをする事でほんわかリラックスした雰囲気で、牧歌的なのどかさが心地良い。次の曲では金属的な艶のある電子音が脈絡もなく動き回り、ゆっくりとしな動きも相まって徐々に眠気を誘う展開。3曲目では潮騒の音を流しながら、そこに弦楽器やピアノにシンバルなど交響曲的な音を被せ、更には人の足音や動物の鳴き声も利用しながら環境音楽も披露する。最後は女性のアカペラから始まり、繊細で数少ない電子音やピアノが辺境の地をイメージさせるように静けさが際立つ曲で、やはりこのMoanaの音楽はアンビエントではなくここではない何処かの場所で鳴っているような環境音楽なのだろう。

最後はAndras FoxがテーブルにPC一台をセットし、その傍らにはワインを置いてライブを披露。いきなりバッハ:メヌエットのト長調のサンプリングで始まり、古ぼけたラジオから流れてくるようなノイズまじりの音で、ユニークな開始。そこからシンフォニックで叙情感ふんだんなパッドが心地良い響きとなり、非日常の幻想的なアンビエントの世界へと潜っていく。展開や動きは少なくともイマジネーションを刺激する電子音や効果音を軸に、どんより重力さえも発する観念的なアンビエントを展開。決して暗くはないが天上から抑えられるような重苦しさがのしかかり、かと思えばそこから解放されぼんやりと抽象的なサウンドがとろとろと湧出するアンビエントになったりと、流れるように続々と様相を変える。薄いドローンの持続によって殆んど展開せずに朧気で抽象的な鳴っているだけの流れもあれば、フィールド・レコーディングを利用してその環境の想像を促したりと、音の数は極力抑えて必要最低限の構成ながらもイメージ力を最大に働かせるような音楽だ。アンビエントであっても安易に聞き流すようなBGM的ではなく、心地良い音ではあっても意識が引き付けられ、研ぎ澄まされた電子音によるドローンが空間を支配する。しかし恐らく最もバレアリックなムードがあったのもAndrasで、それが単に開放的や快楽的というのではなく、何かピュアで爽やかな高揚感があるのだ。またテクノ系列のアンビエントとして聞く面からおいても、最も楽しめたのはAndrasだろう。

メインフロアは5人のアーティストによるアンビエント・ライブで、終始客がじっと耳を傾けて音に集中するその場は普段のクラブ系のパーティーで体験出来る機会は少なく、こうやって踊り狂うでもなくアンビエントを一身に浴びるパーティーは珍しさもありつつとても快適な空間だった。是非とも次回へと繋がりシリーズ化が成功する事を期待したい。

■Andras Fox - Soft Illusions(過去レビュー)
Andras Fox - Soft Illusions
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