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2017/11/2 Grassroots 20th Anniversary Party !!! - DAY - @ Grassroots
新しい音楽が生まれては廃れ早急に入れ替わる流行が常であるダンス・ミュージックの界隈で、一つのクラブが20年も同じ場所で存在し続ける事は決して容易い事ではない。東高円寺にあるGrassrootsはしかし日本人のDJをブッキングし続け彼等を育てる場所としても機能し、そして酔いどれとミュージック・ラバーが集まるホーム的な酒場としても成立し、決して大きなクラブではないものの他では体験出来ない魅力あるクラブの一つとして20年も続いてきた。そんな場所だから20週年のアニバーサリーは当然縁のあるDJが集結するのだが、その初日はDJ HikaruにCMT、KabutoにConomark、そしてYA△MAとつまりはGrassrootsをホームの一つとして活動しつつ全国へと巣立っていったDJが集結した。
23時オープンでそこから10分後過ぎには現地入りしたが、この日は何と一番乗り。出演者/関係者以外は居ないフロアはしかしこの日に合わせて改装したな内装をじっくりと楽しむ事も出来て、摩訶不思議なGrassrootsの空間に魅了される。オープニングDJはConomarkでゆったりしたジャジー・グルーヴで訝しく黒く生臭く始まり、そこから世界旅行にを楽しむような民族的で土着的な曲、まだ開始したばかりのリラックスしたムードの中でのレゲエ調、原始的なライブ感のあるファンクなど生音中心にプレイし、制約の無いフリーダムな場所を謳歌しながら選曲している。こういった枠にはまった4つ打ちを必要としないフロアは、やはり小さく自由度の高いGrassrootsだからこそ。と徐々にビートは鳴らされていつのまにか漆黒のビートダウン・ハウスへと移行する。上げるのではなくずぶずぶした泥臭さ、艶かしく野性的なグルーヴ。ハウスにファンクやディスコ、ロックまでもどれもが黒く土臭い響きで染まり、4つ打ちにしても単なる機能的なループではなく"Kei Kweyo (Joaquin 'Joe' Claussell Remixes)"のようにライブ感ある音楽的な豊かさを含んだものを用いている。"Doin' Ya Thang"ではサイケデリックなハウスでねっとりと体に絡み付く黒さもあり、もうこの頃にはフロアも人でパンパンになり活況の賑わいだ。

KabutoにDJが変わると音はテクノらしい金属の響きが強くなるが、リズムはブレイク・ビーツを刻んでいて横揺れでじんわりとフロアを掻き混ぜる。テクノともハウスとも取れる曲調は音の隙間が際立ち簡素さもある事で、軽快に疾走する。4つ打ちにこだわる事なく、いや寧ろリズムを揺らしながらも緩急を付けて、そしてややレトロ調に90年代を匂わせる曲調がKabutpらしい。デトロイト・テクノにも似た叙情性、硬くとも音を絞る事で繊細さが際立つ構成、無骨な中にもただ勢いに任せるだけではないインテリジェンスな趣さえある。アニバーサリーらしく派手にぶちかますのでもなく、KabutoはKabutoと言わんばかりに自分らしさを主張しているようでもあり、実に理性的なプレイだ。後半はリズムがタイトになり疾走する展開もありピークタイム仕様な時間帯も作りつつ、そこから一転してどっしり重心を落としたエレクトロまで盛り込み、4つ打ちとブレイク・ビーツを混ぜながら着々と小気味良いグルーヴを持続させていた。

YA△MAは丁度真夜中の時間帯、フロアの混み具合もピークだっだろうか特に雑然と盛り上がっており、それに合うように太い4つ打ちのボトムとミニマル性の強い展開、そしてハウスからニュー・ディスコ寄りのきらきらとした輝きを持つ選曲でアッパーに盛り上げる。機能的とも言うべきか、あちらこちらにぶれる事なく一点に収束するグルーヴが通貫する展開で、ピークライムらしく高揚感と快楽を呼び覚ます盛り上げ方だ。快楽的な上物とマッチョな低音、猛々しいリズムを軸に腰をどっしり据えた安定感ある流れで、軸のぶれない強靭なプレイを見せる。一時も休まる事はなく常に疾走または弾けるグルーヴで高揚感を保ち、ひたすら心地良くポジティブな印象で、心も体もうきうきと心踊るパーティーの喧騒の中に存在する。朝が近付いても一向に勢いは衰えず、いやそれどころか何処までもフラットに快楽的なテクノ〜ニュー・ディスコで引っ張り続け、フロアはだれる事なくアニバーサリーらしい賑わいを見せていた。朝方のRimbaudianによる"She Taught Me How To Love"は可愛らしいシンセにうっとり、夜明けを告げるにはロマンティックで良い流れだった。

始発の始まる頃になるとDJ Hikaruが登場。YA△MAからの盛り上がった勢いを殺さずに激情を湧き起こす熱いサクソが炸裂する"Mafungo (Joe's Forest Version)"のスピリチュアルかつラテンなハウスによって、心身共に直撃するソウルフルな熱気を纏い盛り上げていく。そこにPablo Mateoのこれまた骨太で熱量高めのどハウス"C1"を繋ぎ、更に更にアシッド・ハウスを基調にしながらもニューヨーク系の歌ものハウスとしての雰囲気もあるトラックを繋いで、朝日が昇ってからも逆に勢いを増していく。朝になってから帰る客もいれば新たに訪れてくる客もいて、入れ替わり立ち替わりでフロアはまだまだ混み合っており、流石のアニバーサリーの一夜だ。当然の如くパーティーが終わる気配は一向になく、いやまだCMTのプレイも聞けていないという状態ではあったのだが、当方は6時過ぎにはフロアを離れて帰宅。久しく離れていたこのGrassrootsのフロアはしかし一年ぶりに訪れても温かく迎え入れてくれて、DIYな摩訶不思議な内装、美味しい酒、フレンドリーな酒好き音好きな人達、そして素晴らしいDJと音楽がある酒場として楽しむ事が出来た。またアニバーサリーでなくとも戻ってきたいと感じる故郷的な素晴らしい(敢えてクラブでなく)酒場である。
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