CALENDAR
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
SPONSORED LINKS
<< SofaTalk - Diforisma (Cognitiva Records:CR001) | main | Lindstrom - It's Alright Between Us As It (Smalltown Supersound:STS320CD) >>
Session Victim - Listen To Your Heart (Delusions Of Grandeur:DOGCD07)
Session Victim - Listen To Your Heart
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
モダンなディープ・ハウス系のレーベルであるDelusions Of Grandeurにおいてもはや疑いようもなく筆頭格と言えるのが、ドイツ出身のHauke Freer & Matthias ReilingによるSession Victimである事に異論を唱える者はいないだろう。間違いないの無い審美眼を持ったサンプリングを武器にファンキーかつエモーショナルなハウスを手掛けるこのユニットは、EPが主流のダンス・ミュージックと言う業界にもかかわらず前述のレーベルから本作にて3枚目となるアルバムをリリースする事からも分かる通り、DJがミックスとして使う単なるツール以上に音楽的な豊かさやライブ性を表現出来る稀有なユニットだ。勿論そんな彼等の真価が問われるのはDJではなくライブというスタイルであり、だからこそライブが前提にあるこのアルバムもサンプリングによって得たディスコやファンクにジャズと言った要素を持ち込んで、更にはドラムやギターやキーボードの生演奏も起用して生々しく胎動するグルーヴを生む事に成功している。幕開けは落ち着いてざっくりしたビートを刻む"Over And Over"、この時点でファンキーなギターやボーカル・サンプルが活きており、生演奏から生まれるであろう湿り気を帯びたディスコな感覚が根付いている。そして続く"Bring It Back"で早くもビートが加速するが、サンプルであろうループの継続感と乾いたパーカッションによる爽快感で、ブラック・ミュージック的なファンキーさを発す。マイナー調でビートダウン的な"Moons And Flowers"は途中から浮かび上がるエレピの旋律が哀愁を醸し、ざっくりしたリズムによるダウンテンポ調の"Unchained"は咽び泣くような枯れた味わいのギターに切なさが込み上げるだろう。また心地良いアフタービートと残響広がるダブの影響が強いムーディーな"Castle For Sale"など、こういった直球的なダンス・トラックとは逆の湿っぽいムードのリスニング調の曲にも長けているのは、やはり彼等がDJではなくアーティストとしての才能の現れだ。その後にやってくる先行EPの"Up To Rise (LP Mix)"はハイライトに間違いなく、耽美なエレピと華麗なキーボードにジャジー・グルーヴやファンキーなボーカル・サンプル、そしてブレイクで挿入される泣きの情熱的なサクソと、Session Victimの魅力を総動員したような作品によってドラマチックに感動の高みへと連れて行かれる。情熱的に盛り上がった後に最後の"Thermal Explorer"では、長き旅情から帰り着いた後のしみじみとした感覚にも似た侘しいダウンテンポで、ひっそりとアルバムは幕を閉じる。何かこれまでの作品から大きな変化があるかと言えば特には無いが、つまりはそれだけSession Victimのサンプリングを武器にした音楽性が完成されているという事でもあり、フロアを揺らすダンス・トラックから心に染みるリスニングまで自然な流れで配置したアルバムは、これまでと変わらず柔軟な多様性による高い完成度を誇っている。素晴らしいモダンなハウス・アルバムだ。



Check "Session Victim"
| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
スポンサーサイト
| - | 12:00 | - | - | |

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック