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Kerri Chandler - DJ-Kicks (Studio !K7:K7358CD)
Kerri Chandler - DJ-Kicks
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一般的なDJMIXシリーズとは一線を画し、敢えて真夜中の熱狂的なパーティーのフロアではなくDJ/アーティストの個人的な楽しみにも近いミックスを聞かせるような内容の「DJ-Kicks」は、それぞれのDJのルーツや自然な好みを体験出来る楽しみとまたホームリスニング性を意識したプレイの楽しみがあり、WEB上でミックスが無料で聞けてしまう今という時代においてもMIXCDとしての存在意義を十分に示している。そしてここにシリーズ中でも特にそんなコンセプトを強く意識して実現させたのがUSハウスの大御所、Kerri Chandlerだ。Kerriと言えばズンドコ太い4つ打ちのビートに流麗なコーボード使いにシンセやテッキーな電子音を用いて、クラシカルでソウルフルなハウスからモダンなテック系まで手掛ける稀代のDJ/トラック・メーカーだが、ここではそういったパワフルなダンスビートは一切含まれていない。本作について彼は「皆をニューヨークの街歩きに連れて行くようなイメージ」と述べており、彼のブラック・ミュージックとしてのルーツを掘り起こしながらダンス・ミュージックと言う定義に拘らずに、音楽そのものを楽しんで貰うような雰囲気を感じ取れる。ジャンルで言えばハウスは無く、ジャズやR&Bにヒップ・ホップやディスコにソウルと、そして収録された曲の殆どは7〜80年代の楽曲と新鮮味は無い筈なのに、しかしKerriの優れた審美眼によって選ばれた楽曲が目も覚めるような素晴らしい展開を見せる。雑踏の環境音を用いた"Intro"から始まりLeroy Hutsonによる優美なピアノと感情的なホーンによる静かに燻るソウルの"Cool Out"、Rasaによる夕暮れ時の切なさにも似た感傷的なAORの"When Will The Day Come"、The Foreign Exchangeによる光沢感のあるシンセ使いが麗しいネオ・ソウルの"Body"と、序盤から緊張が解けたようにレイドバックしつつ身も心も穏やかに温まるソウルフルな選曲にこれは確かにKerriの音楽性だと納得させられる。中盤にはまさかのT La Rockによるスクラッチもばりばり入ったエッジの効いたヒップ・ホップの"It's Yours"を通過し、Andre Ceccarelliの土着的なのに優美なジャズ・グルーヴの"Stock No. 1"へと繋ぐ驚きを感じさせつつ違和感を感じさせないはまった展開を披露し、流石DJとしての選曲や流れにも全く隙きが無い。中盤のハイライトであるBeckie Bellによるフレンチ・ディスコの"Music Madness (Extended Charles Maurice Version)"は、誰しもそのキャッチーな構成と可愛らしいボーカルに耳を奪われるに違いなく、当方のように古い音楽に造詣がない人にとってはブラック・ミュージックの歴史を教示されるような思いも受ける。そしてJames Masonによるブギーで麗しいフュージョンの歴史的名曲"Sweet Power Of Your Embrace"も通過し、Kerriによるエクスクルーシブな粘性の高いレゲエ/ダブ調の"Stop Wasting My Time"でぐっとテンポを落としつつ、Innerzone Orchestraカバーによる名曲"People Make The World Go Round"で燻り続ける炎のようなソウルでじわじわと感情を熱くし、最後はヴィブラフォンの響きが甘美で黒くアダルティーに湿る"Liquid Love"でしっとりとしたラストを迎える。ハウス・ミュージックのDJによるバック・トゥ・ザ・ルーツ的な音楽観は、音楽の掘り起こしや再認識の意味を持ちつつそれ以上に選曲自体が素晴らしくどれもメロウでソウルフルな性質があり、クラシカルな作風は時代に左右されずに楽しむ事が出来るだろう。



Check "Kerri Chandler"

Tracklistは続きで。
01. Intro
02. LeRoy Hutson - Cool Out
03. New York Streets
04. Rasa - When Will The Day Come
05. The Foreign Exchange - Body
06. Fantasy Three - It's Your Rock (Instrumental)
07. T La Rock - It's Yours
08. Andre Ceccarelli - Stock No. 1
09. Soulful Session - All I Need feat. Tisha Monique (Demo Boogie Version)
10. Beckie Bell - Music Madness (Charles Maurice Extended Version)
11. Uptown Funk Empire - You've Got To Have Freedom
12. Segway City 2
13. James Mason - Sweet Power Of Your Embrace
14. Segway City 3
15. Fruit - If You Feel It, Say Yeah
16. Kerri Chandler - Stop Wasting My Time (DJ-Kicks)
17. Sylvia Striplin - You Can't Turn Me Away
18. Innerzone Orchestra - People Make The World Go Round
19. Cymande - Getting It Back
20. Kiki Willows - 3 AM
21. Roy Ayers - Liquid Love
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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